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予備校生日記5
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予備校生日記5
7/14(月)
今日でやっと3日が過ぎたばかりだというのに、
毎日会っていた君に会えないのは寂しい。
二人でいつも一緒にいられたらいいんだろうけど、
僕にも君にも、やるべきことがある。
この間、あの子は何であんなこと言ったんだろう。
もう、他には何もないって、
私を一番知っているのは、雅志ちゃんだって。
「一つ、言っていい?」
「何?」
「うーん、あのさ、いいか、な」
「何よ、言ってよ」
「うん。僕のさ、あくまで僕の推測なんだけどね、紀ちゃんさ、最近、誰かと別れたんじゃない? 年上の男性(ひと)と」
「ほとんど当たってるけど、年上じゃないわ、言ってみれば年下、1か月だけ」
「・・・やっぱり、そう」
「ねぇ、プラネタリウム、行かないか」
「えっ?」
「行かないかって、ことはないわね、行きましょうか」
「よし、行こう。君からどこそこ行こうって誘われたの初めてだ」
「そお? そうね」
「どうしたの? 何かあったの?」
「別に、何かなきゃ、雅志ちゃんを誘っちゃいけない?」
「いや、それにしても、すごい降りになったね」
「もっと降れ!」
「夕べ、泣いたの。2度目よ」
「泣いた?」
「そお、なぜかしら、悲しかったの。ねえ、振られたときにも、涙って出るものなのね」
「彼のこと、知ってると思ってたわ。何かのちょっとした言葉の端に出てた」
「それは、あのとき?」
「そう、あの時よ」
「それは、月曜日のことですか?」
「そう、月曜日」
どちらが先に、
こんな清らかで、
とても不自然な付き合いがいやだって
言い出すんだろう。
だからね、
僕がこうして、
君に何もできないのは、
君のこと、友達ぐらいにしか、
考えてないからじゃないんだってこと。
二人の会話は、果てしなく続き終わらない。
毎日会って、毎日話しても。
7/21
気づいている?
君の表情が、このごろ、一つになっているってこと。
おかげで僕は、あまり心配しなくてよくなった。
ああ、今日から、夏休み。
距離が近づいたと思いきや、44日も会えないなんて。
気が狂う。顔を忘れちゃう。
手をつないで、ハイキング。
お昼になったら、手作りの、
おむすび、口にほおばって、
蓮華の花に包まれて、
ウトウト、ウトウト、眠りましょう。
夕焼けが出たら、目を覚まし、
二人の明日を思います。
素晴らしい未来を祈りつつ、
帰り支度の合間にも、
優しい笑顔を交わします。
日暮れの野原は、寂しくて、
生きてる人は、僕らだけ。
二人、抱き合い、そして、そして・・・
あの子から、手紙が来た。
「拝啓。
毎日あっていた人に手紙を書くのもなかなか難しいです。
だから、形は抜きにしてリラックスして書きます。
今日は、とっても疲れたました。家に帰ってから、食事も早々に寝てしまいました。
雅志ちゃんも疲れたでしょう。
ずいぶん、辛辣なこと、いっぱい話したもんね。後から考えるとかなりビビりますが。」
8/9(土)
あの子と会えなくなってから、何日たつんだろう。
会いたい。
知り合い始めたばかりなのに、別れを想像してしまう。
手紙を待つ。
電話を待つ。
やさしい言葉を待つ。
待つ・・・
何もできず、何も考えず、
ただ、待つ
8/13
今日もあの子は予備校に来なかった。
女(ひと)は、
どんなにやさしい男(ひと)でも、
どんなにいい男だとわかっていても、
振り向いて、その男へは走ってゆけないのですか?
女は、
どんなにわがままでも、
どんなに冷たい男でも、
好きになった人へと、走りたいものなのですか?
8/22
9月になれば君は、またやって来る。
18とは思えない、
恐ろしく地味な服を着て。
男に付け入るスキを与えぬ、
気高さと品位を振りまいて。
9月になれば君は、また話してくれる。
僕が、見たことのない世界を。
聞いたことのない人たちの話を。
嘘のない澄んだ瞳を、キラキラさせながら。
8/26
紀ちゃんは、予備校の自習室に来ない。
新学期になって、僕と会っても、
今まで通り、ほんとに今まで通り、
前にあった顔で挨拶を交わすんだろう。
僕には理解できない。
あの子が何を考えて、どういう風に僕を思っているのか。
このままの状態で、僕の気持ちが続くと思っているのか。
それとも、とっくに僕からは気持ちが離れている・・・
8/27
この頃、雨ばかり続いていて、とても、寒い。
これで、8月か、と思えるほどだ。
そのせいか、予備校の自習室はとても空いていて、ちょっと寂しい。
人が少なくて、シャーペンを落としても、
その音が自習室中に響き渡る。
話をしている人は、もちろんいない。
みんな、一人だ。
もうすぐ夏が終わるので、反省点と良かった点。
まず、よかった点。
英、数、理共に夏期講習を1回も休まず通えたこと。そして、その授業の、予習、復習を完ぺきにやれたことはよかった。数学で少しやり残した箇所も補習できたし、物理を残り1週間で仕上げるという計画も、やりとげられた。英語に関して、英語テストの復習と文法が少しおろそかになった点が反省点だ。
8/29
忘れていた。
僕は、君にばかり気持ちを知りたがり、
自分のことは、何一つ話していなかった。
自分の気持ちをはっきりしないで、
君の気持ち次第で自分を決めようなんて、虫が良すぎた。
相手が自分をどう思っているかを聞く前に、
自分の気持ちを打ち明けるべきなんだ。
それができないから、君の恋人になる資格がないんだね。
だけど、僕はまだ、君に好きと言えるほど、
自分の気持ちをまとめ切れていないんだ。
予備校生日記5 終わり
7/14(月)
今日でやっと3日が過ぎたばかりだというのに、
毎日会っていた君に会えないのは寂しい。
二人でいつも一緒にいられたらいいんだろうけど、
僕にも君にも、やるべきことがある。
この間、あの子は何であんなこと言ったんだろう。
もう、他には何もないって、
私を一番知っているのは、雅志ちゃんだって。
「一つ、言っていい?」
「何?」
「うーん、あのさ、いいか、な」
「何よ、言ってよ」
「うん。僕のさ、あくまで僕の推測なんだけどね、紀ちゃんさ、最近、誰かと別れたんじゃない? 年上の男性(ひと)と」
「ほとんど当たってるけど、年上じゃないわ、言ってみれば年下、1か月だけ」
「・・・やっぱり、そう」
「ねぇ、プラネタリウム、行かないか」
「えっ?」
「行かないかって、ことはないわね、行きましょうか」
「よし、行こう。君からどこそこ行こうって誘われたの初めてだ」
「そお? そうね」
「どうしたの? 何かあったの?」
「別に、何かなきゃ、雅志ちゃんを誘っちゃいけない?」
「いや、それにしても、すごい降りになったね」
「もっと降れ!」
「夕べ、泣いたの。2度目よ」
「泣いた?」
「そお、なぜかしら、悲しかったの。ねえ、振られたときにも、涙って出るものなのね」
「彼のこと、知ってると思ってたわ。何かのちょっとした言葉の端に出てた」
「それは、あのとき?」
「そう、あの時よ」
「それは、月曜日のことですか?」
「そう、月曜日」
どちらが先に、
こんな清らかで、
とても不自然な付き合いがいやだって
言い出すんだろう。
だからね、
僕がこうして、
君に何もできないのは、
君のこと、友達ぐらいにしか、
考えてないからじゃないんだってこと。
二人の会話は、果てしなく続き終わらない。
毎日会って、毎日話しても。
7/21
気づいている?
君の表情が、このごろ、一つになっているってこと。
おかげで僕は、あまり心配しなくてよくなった。
ああ、今日から、夏休み。
距離が近づいたと思いきや、44日も会えないなんて。
気が狂う。顔を忘れちゃう。
手をつないで、ハイキング。
お昼になったら、手作りの、
おむすび、口にほおばって、
蓮華の花に包まれて、
ウトウト、ウトウト、眠りましょう。
夕焼けが出たら、目を覚まし、
二人の明日を思います。
素晴らしい未来を祈りつつ、
帰り支度の合間にも、
優しい笑顔を交わします。
日暮れの野原は、寂しくて、
生きてる人は、僕らだけ。
二人、抱き合い、そして、そして・・・
あの子から、手紙が来た。
「拝啓。
毎日あっていた人に手紙を書くのもなかなか難しいです。
だから、形は抜きにしてリラックスして書きます。
今日は、とっても疲れたました。家に帰ってから、食事も早々に寝てしまいました。
雅志ちゃんも疲れたでしょう。
ずいぶん、辛辣なこと、いっぱい話したもんね。後から考えるとかなりビビりますが。」
8/9(土)
あの子と会えなくなってから、何日たつんだろう。
会いたい。
知り合い始めたばかりなのに、別れを想像してしまう。
手紙を待つ。
電話を待つ。
やさしい言葉を待つ。
待つ・・・
何もできず、何も考えず、
ただ、待つ
8/13
今日もあの子は予備校に来なかった。
女(ひと)は、
どんなにやさしい男(ひと)でも、
どんなにいい男だとわかっていても、
振り向いて、その男へは走ってゆけないのですか?
女は、
どんなにわがままでも、
どんなに冷たい男でも、
好きになった人へと、走りたいものなのですか?
8/22
9月になれば君は、またやって来る。
18とは思えない、
恐ろしく地味な服を着て。
男に付け入るスキを与えぬ、
気高さと品位を振りまいて。
9月になれば君は、また話してくれる。
僕が、見たことのない世界を。
聞いたことのない人たちの話を。
嘘のない澄んだ瞳を、キラキラさせながら。
8/26
紀ちゃんは、予備校の自習室に来ない。
新学期になって、僕と会っても、
今まで通り、ほんとに今まで通り、
前にあった顔で挨拶を交わすんだろう。
僕には理解できない。
あの子が何を考えて、どういう風に僕を思っているのか。
このままの状態で、僕の気持ちが続くと思っているのか。
それとも、とっくに僕からは気持ちが離れている・・・
8/27
この頃、雨ばかり続いていて、とても、寒い。
これで、8月か、と思えるほどだ。
そのせいか、予備校の自習室はとても空いていて、ちょっと寂しい。
人が少なくて、シャーペンを落としても、
その音が自習室中に響き渡る。
話をしている人は、もちろんいない。
みんな、一人だ。
もうすぐ夏が終わるので、反省点と良かった点。
まず、よかった点。
英、数、理共に夏期講習を1回も休まず通えたこと。そして、その授業の、予習、復習を完ぺきにやれたことはよかった。数学で少しやり残した箇所も補習できたし、物理を残り1週間で仕上げるという計画も、やりとげられた。英語に関して、英語テストの復習と文法が少しおろそかになった点が反省点だ。
8/29
忘れていた。
僕は、君にばかり気持ちを知りたがり、
自分のことは、何一つ話していなかった。
自分の気持ちをはっきりしないで、
君の気持ち次第で自分を決めようなんて、虫が良すぎた。
相手が自分をどう思っているかを聞く前に、
自分の気持ちを打ち明けるべきなんだ。
それができないから、君の恋人になる資格がないんだね。
だけど、僕はまだ、君に好きと言えるほど、
自分の気持ちをまとめ切れていないんだ。
予備校生日記5 終わり
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