熱い日

狭山雪菜

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始まり1

「早くっ早く」


急かす私に焦る声


「っ、わかってるよっ!」


母がパートから帰って来るまでの短い逢瀬が始まる




****************



私、橘美樹たちばなみき 16歳 高校1年生
成績も中の上、運動はちょっと苦手な平凡な学生だ

ただひとつみんなと違ったのは……好きな人


ずっと好きな人が居て…それは兄だった
血の繋がった…本当の兄
いつから好きだったのかは覚えていない、気がついたら好きになっていた
この気持ちは死ぬまで心の奥底にしまっておくハズだった



橘義春たちばなよしはる 18歳 高校3年生
今年受験で、毎日毎日勉強している

なんの変哲もない兄妹だったのに、ある時ガラッと関係が変わった




それはいつものように母がお昼からパートへ出かけ夜の20時30分に家に帰ってくる日

蒸し暑くて、扇風機を付けていた夏休み…8月3日の14時だ
暑くて白いキャミソールに黒の短パンを履いてリビングのソファーで横になってテレビのサスペンスの再放送をみていた時
ガチャっと開く扉から入って来たのは、部屋で勉強していた兄ーー義春だ
「暑いっなんで、エアコン付けないんだよ」
黒いシャツを扇ぎながら汗をかいてる義春がキッチンの冷蔵庫を開け、母が作った麦茶をコップに注いでいた
「ん~?だって付けると寒いんだよね」
ご飯の後だったから眠くてウトウトしながら生返事をした


「あっそ…おっサスペンスか」
と麦茶を飲みながら私の横に立った兄を何気なく見たら
「ちょっ!?何で膨らんでんの?!」
一気に目が覚めた私はソファーから起き上がり、兄を座って見上げた
自分の下半身を見て驚いていた兄は
「はっ?これは自然現象だ」
とストレスが溜まると膨らむと言われ、過剰に反応した私が恥ずかしくなり赤面する
何とも言えない空気が流れ黙り込む2人
「…じゃあな」
兄も気まずいのかそそくさとリビングを出るとパタンと、扉が閉まる
しばらく呆然としていた美樹は、どのくらい経ったのか…サスペンスが終わっていた
アレをどうするんだろう、と興味が湧きソファーから立ち上がると忍び足で兄の部屋へ向かった


2階には3部屋とトイレがあり、階段から続く廊下を挟んで私と両親の部屋その奥に兄の部屋があった

そろり、そろり、と向かう兄の部屋の前に着き、ドアに耳を当てた
「………っ…………っ………っ」
何か声がするが、くぐもってよく聞こえない
一度ドアから離れ考えるがやはり気になるので、思い切って静かにノブに手を伸ばし開けた
すると今度は、ぬちゃぬちゃっと水音と兄の声がはっきりと聞こえる
「………っ…………美樹っ……美樹っ…」
「っ!!」
私の名前を呼ぶ兄に、驚き手が滑りもう少しドアが開く
すると、ドアを背にしてベッドに座り下半身裸の兄が何やら動いていた

ーーどうしよう

本来なら、キモいとか思わないといけないのに兄の切迫詰まった声と私の名前を呼んでくれているのが嬉しくて、目が潤む
その場に座ってしまいそうな程、足に力が入らなくなっていてこのままじゃマズイと思った私はそっとその場を離れ、自分の部屋に戻った
ゆっくりドアを閉め、ベッドに座り自然と伸びる下半身への手
短パンの上からでもわかるねっとりと濡れているのが、わかる
このまま触ろうか…と思っていた時、パタン、バタバタっと騒がしい音がして私の部屋のドアが開いた
入って来たのは兄で
「いっ…今…居たよなっ?!これはっ………」
焦った声の兄が、私の姿を見て固まる

私はベッドに足を上げ下半身に短パン越しに触れていたからだ
ゴクリと唾を飲み込む音が聞こえ、私も固まる
「…美樹…俺のを見て…感じたのか?」
じりじりと少しずつ近寄る兄に、潤む目で見ることしか出来ない私は
「…違っ」
それしか言えない

ついにベッドの側まできた兄が私の横に座るとベッドがギシッと軋む、目を合わせ2人は何かを発することもなく見つめ合う
だんだんと近づく兄の顔が触れそうになった時
私は瞼を閉じた



重なるだけのキス

また離れ

先程よりも長い重なるだけのキス

また離れ

兄が重なる唇に舌で舐め、薄く開けた口の隙間からヌルッと入る熱い舌
口内を暴れ回る舌に全身が固くなり、強張る
兄はそんな私の肩を撫で摩る
何度も何度も顔の角度を変え口内の形を知ろうとする兄の舌に、出て行くように舌で追い出すと、私の舌を絡めとられ吸われ舌の根を舌でなぞる
ちゅう…と一度離れた唇に目がいってしまい、慌てて視線を上げると兄と目が合う
額をくっけられ
「…ごめん…キモいよな…でも…好きなんだ」
突然の告白にびっくりする
「…お兄ちゃ…」
そっと額が離れ、立ち上がる気配がする兄の手を咄嗟にとる

「…美樹?」
驚き目を見開く兄に、このまま兄が行ってしまえば終わると思った私は

「…………好き…………私も………好きなっンッンッ」

告白の途中で噛み付くように口を塞がれ、ギシッとなるベッドに兄が戻ってきたのを知る
お互い舌を絡め吸い応える想いに嬉しくて、兄の首に腕を回す
上半身がピッタリとくっつき、腰に回る手が引き寄せられ座った兄に太ももが触れる
「はっん…んふ…ぁ…ん」
顔の角度を変えるたびに開いた隙間から漏れる私の声が甘くて恥ずかしい
ちゅうっと舌を強く吸われ、名残惜し気に離れた兄は鼻先をくっつけたまま
お互いで息を吸い込み、荒い息を整える
「…どうする?ここでする?」
ちゅっちゅっと啄みながら呟く兄の声が掠れて
「…お兄ちゃんの…んっ…部屋がっ……いい」
啄んでいたのに、急に舌が口内に入り一瞬喋ることが出来なかった
この部屋にしたら、夜恥ずかしくて眠れない
……もう既に眠れないと思うけど


私の返事を聞いて兄は立ち上がり、私の手を引いて私もベッドから降りた
バランスを崩し兄の胸に飛び込んでしまい、倒れる!と思ったがぎゅっと抱きしめてくれた
「ありがとう」
と言って兄を見上げると、口を塞がれ瞼を閉じる



しばらく立ったままキスをしていた2人はお互いに顔を見合わせ
これじゃぁ部屋から出られない、とクスクスと笑い合って手を繋いだまま兄の部屋へと向かった

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