婚約破棄された令嬢は騎士団長に溺愛される

狭山雪菜

文字の大きさ
16 / 35

帰宅

しおりを挟む
抱き上げたまま向かう先は、手配していたダリウス家の馬車で

「えっどうなされたのですか」
予定よりも早い出戻りに何事かと、焦る御者に
「帰る、急げ」
それだけ伝えると私を抱き上げたまま車内に入り席に座らせ扉を閉める

薄暗い車内に私の足元に膝立ちをして私の両手を取り、もう片手で私の頬に触れる

愛おしげに触れるホークに、うっとりと見惚れる

「…愛してます…ホーク様」

呟くように告げるとホークはちゅぅと唇を吸い
離れた口を追うように私は彼の唇を甘く噛んだ



クチュクチュと水音が響く狭い車内でお互いの口内を貪欲に求める

彼の首に腕を回し、マリアの腰に腕を回して上半身をくっつける2人

顔の角度を変え何度も何度も舌を絡めては、出てきた舌をちゅぅと吸いつき、
また口内へ戻る舌を追いかけ交互にお互いの口内へ舌を入れる
「はぁ…んふ…んっ」
少し離れた口から零れる甘い声を飲み込むように塞ぐ荒い口

苦しいのにお互いやめない、やめれない
顎に伝う唾液を追いかけ舐めとるホーク
唇が寂しくなったマリアはホークの鼻に甘噛みし悪戯をする
「…こら」
咎める声は低く甘いが、舌を這うのはやめない
ふふっと笑いが込み上げ彼の顔中にキスをし甘噛みを続ける
ドレス越しに腰を優しく揉み、彼のお腹にもっと近づくように座る位置を変えていく
彼の脇に脚を入れると、ガタンと揺れ
彼がまだ膝立ちだったのを思い出した

「んっ…ホーク…様…膝が」
彼は耳を喰みながら私のお尻を掴み持ち上げ、素早く私のいた場所に座り
彼の膝の上に乗り向き合う
額をくっつけ、うっとりと見惚れると腰を揉まれる
「…本当は胸元の開いたドレスにしようと思ったんですよ?」
私の言おうとしていることがわかったのか私の唇を噛むホーク
「…っでも…印が…ンフッ」
全て言う前に絡みとられる舌にもうどうでも良くなった

首から下の身体中に彼のつける印がたくさんあり、ドレス選びが難航した
そして必ず赤にしたかったマリアは、既製品に胸元のレースを付け加えてもらったのだ
ドレスの上から掬うように持ち上げる胸を揉むホークに、上から自分の手を重ね指を絡めやめさせる
「どうした?」
唇をくっつけたまま話すと私の口内に彼の声と息が入る
「…欲しくなってしまいます」
胸への愛撫が始まると、全てが欲しくなると、素直に伝える
腰を軽く揺らすと彼のも当たっている気がする

唇を合わせたままお互い腰を
マリアは前後に
ホークは下から突き上げるように
服が邪魔をしてもどかしい
けど
燃え…夢中になる


ついに我慢できなくなり彼の口内に舌を入れると待ち構えるように彼が絡めとる










****************



屋敷に到着する馬車が止まると御者を待つことなくホークは扉を開け
マリアを抱き上げたまま屋敷内へ

すれ違う早い帰りに驚く執事やメイドを下がらせ
寝室へ入ると乱暴に閉めたドアにマリアを押さえつけ濃厚なキスをしながら下からお尻をこねる
彼の赤い髪に指を絡め応える舌と落ちないように腰に脚を巻き付ける

はぁはぁと鼻同士をすりすりとくっつけ視線を絡める

「…もう…月のモノが…終わりました」

もう月のモノが終わった事は既に知っているとは思うが、祝賀会の準備にホークも忙しくて私が寝てしまう時間に帰ってきていて、朝の時間しか一緒にいられなかったのだ

そう告げると赤い瞳の色が濃くなった気がした
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!

エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」 華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。 縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。 そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。 よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!! 「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。 ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、 「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」 と何やら焦っていて。 ……まあ細かいことはいいでしょう。 なにせ、その腕、その太もも、その背中。 最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!! 女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。 誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート! ※他サイトに投稿したものを、改稿しています。

勘違い妻は騎士隊長に愛される。

更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。 ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ―― あれ?何か怒ってる? 私が一体何をした…っ!?なお話。 有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。 ※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。

本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます

氷雨そら
恋愛
 本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。 「君が番だ! 間違いない」 (番とは……!)  今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。  本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。 小説家になろう様にも投稿しています。

【完結】殺されたくないので好みじゃないイケメン冷徹騎士と結婚します

大森 樹
恋愛
女子高生の大石杏奈は、上田健斗にストーカーのように付き纏われている。 「私あなたみたいな男性好みじゃないの」 「僕から逃げられると思っているの?」 そのまま階段から健斗に突き落とされて命を落としてしまう。 すると女神が現れて『このままでは何度人生をやり直しても、その世界のケントに殺される』と聞いた私は最強の騎士であり魔法使いでもある男に命を守ってもらうため異世界転生をした。 これで生き残れる…!なんて喜んでいたら最強の騎士は女嫌いの冷徹騎士ジルヴェスターだった!イケメンだが好みじゃないし、意地悪で口が悪い彼とは仲良くなれそうにない! 「アンナ、やはり君は私の妻に一番向いている女だ」 嫌いだと言っているのに、彼は『自分を好きにならない女』を妻にしたいと契約結婚を持ちかけて来た。 私は命を守るため。 彼は偽物の妻を得るため。 お互いの利益のための婚約生活。喧嘩ばかりしていた二人だが…少しずつ距離が近付いていく。そこに健斗ことケントが現れアンナに興味を持ってしまう。 「この命に代えても絶対にアンナを守ると誓おう」 アンナは無事生き残り、幸せになれるのか。 転生した恋を知らない女子高生×女嫌いのイケメン冷徹騎士のラブストーリー!? ハッピーエンド保証します。

【完結】王子から婚約解消されましたが、次期公爵様と婚約して、みんなから溺愛されています

金峯蓮華
恋愛
 ヴィオレッタは幼い頃から婚約していた第2王子から真実の愛を見つけたと言って、婚約を解消された。  大嫌いな第2王子と結婚しなくていいとバンザイ三唱していたら、今度は年の離れた。筆頭公爵家の嫡男と婚約させられた。  のんびり過ごしたかったけど、公爵夫妻と両親は仲良しだし、ヴィオレッタのことも可愛がってくれている。まぁいいかと婚約者生活を過ごしていた。  ヴィオレッタは婚約者がプチヤンデレなことには全く気がついてなかった。  そんな天然気味のヴィオレッタとヴィオレッタ命のプチヤンデレユリウスの緩い恋の物語です。  ゆるふわな設定です。  暢気な主人公がハイスペプチヤンデレ男子に溺愛されます。  R15は保険です。

【完結】体目的でもいいですか?

ユユ
恋愛
王太子殿下の婚約者候補だったルーナは 冤罪をかけられて断罪された。 顔に火傷を負った狂乱の戦士に 嫁がされることになった。 ルーナは内向的な令嬢だった。 冤罪という声も届かず罪人のように嫁ぎ先へ。 だが、護送中に巨大な熊に襲われ 馬車が暴走。 ルーナは瀕死の重症を負った。 というか一度死んだ。 神の悪戯か、日本で死んだ私がルーナとなって蘇った。 * 作り話です * 完結保証付きです * R18

第3皇子は妃よりも騎士団長の妹の私を溺愛している 【完結】

日下奈緒
恋愛
王家に仕える騎士の妹・リリアーナは、冷徹と噂される第3皇子アシュレイに密かに想いを寄せていた。戦の前夜、命を懸けた一戦を前に、彼のもとを訪ね純潔を捧げる。勝利の凱旋後も、皇子は毎夜彼女を呼び続け、やがてリリアーナは身籠る。正妃に拒まれていた皇子は離縁を決意し、すべてを捨ててリリアーナを正式な妃として迎える——これは、禁じられた愛が真実の絆へと変わる、激甘ロマンス。

【完結】 初恋を終わらせたら、何故か攫われて溺愛されました

紬あおい
恋愛
姉の恋人に片思いをして10年目。 突然の婚約発表で、自分だけが知らなかった事実を突き付けられたサラーシュ。 悲しむ間もなく攫われて、溺愛されるお話。

処理中です...