巨×巨LOVE STORY

狭山雪菜

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リクエスト 夏のプール!! 巨×巨③

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彼である元信もとのぶと知り合ったのは、私が失恋して引き篭もった結果、家の食料を食べ切ってしまったため、お腹空いてコンビニに行った時だ──厳密にいえば、同じ大学の同じ授業を受けていたが、初めてちゃんと話したのは、あのコンビニだった。

「へー、ねぇちゃん伊澤いざわの彼女か」
「ほー、ちゃんと20歳超えてんのか?こんな顔をして」
「なっ、子供ガキみたいだよなぁ」
「あんまり揶揄わないでくださいよー」
「…あはは、ちゃんと成人してます」
こんな失礼な事をズケズケと無神経に話すのは、元信の夜のアルバイト先の先輩で、道路工事専門にしたおじさん達だ。
ちなみに伊澤って言うのは元信の苗字で、最初に私が遠藤っぽい苗字の顔をしているから『遠藤くん』と言った直前まで、元信と話していた人たちだ──私は今でも元信は、遠藤みたいな顔をしていると思っているけどね。
話は逸れてしまったが、約2週間にも及ぶコンビニの前の工事が終わって、お店から離れるように道路を進めて工事をしていた。が、ひと月後の今度は反対車線の道路の工事が始まり、コンビニの前に戻って来ていた。
住宅街の前は暗いし、工事中は危ないから出かけるな、と元信から言われていた私も、コンビニの前なら明かりもあるし、なんなら元信が働いている姿を見ながらコンビニで涼めるから今日はやってきたのだが、15分の休憩にたまたま被って店にやってきてしまったらしく、元信の先輩達に私の存在がバレてしまったのだ。
おじさん達がそういうのも無理はない。だって私は160センチを超えたとはいえ、童顔ベビーフェイスで何度も中学生、もしくは最悪小学生に間違えられる事もあるくらいなのだ。
「はー、だから最近スマホばっかみとんのか」
「それか寝てるかだな」
「まーったく、最近の若いやつは」
などと、話していたおじさん達だったけど、休憩時間が終わる少し前にコンビニから出て行き、タバコを吸いに行った。
「…ごめん、元信」
「俺は平気、それよりおっさんの言うこと流していいから」
私が働く彼を見たいと軽い気持ちで来ちゃったから、元信が揶揄われてしまったと反省をしたら、逆に心配をされてしまい…胸が擽ったい。
「…ん」
「気をつけて帰れよ?」
「分かった…何時に帰ってくる?」
「そうだな…たぶん朝の7時には」
「分かった、待ってる…絶対に私の家に来てよ」
イートインのスペースは、コンビニの前にある喫煙所からは見られないから思い切って元信の手を握ると、彼はゔっ、と一言漏らして私の手を握り返してくれた。
「…何時でもいいから起こしてね」
踵を上げて彼の耳元でそう囁くと、バランスを崩した私は彼に寄りかかったが、むにゅ、と童顔の顔とは裏腹に大きく育った胸を彼の胸板に押し付ける格好となった私を、彼は私の手を強く握るに留まり、抱きしめ返さなかった。
「…っ、絶対に、起こすからな」
覚えてろよ、と低い声で言った彼は、私の手をもう一度握ると、コンビニから出て行ってしまった。
──付き合ったばかりだから、これくらいじゃ引かないよね…?
痴女みたいな事をしている自覚はあったが、どうも彼を前にするとダメだ。好きすぎて頭がおかしくなる。
そんな私の思いを抱いたまま、仕事に戻る彼の背中を見送った。


彼の宣言通り、私の家の合鍵を使って帰ってきて、寝ていた私を起こした。エアコンの効いた部屋ですやすや眠る私を、仕事中にかいた汗を流してシャワーを浴びた後に彼は…
「んっ、はっ?何?」
陽が上り明るくなった室内、何の夢をみていたのに目が覚めると、いつも使っているタオルケットも薄手のパジャマのズボンと下着を剥ぎ取られていた。その代わり、濡れた髪が太ももに付いた大きな身体が私の太ももの内側に舌を這わしていた。
「おはよ、起きたか」
「元信っあ、っあ…っん、冷たい」
「我慢して、暑くて水風呂」
キツく吸い付かれ、チクリとした痛みが起きがけの頭に響く。反射的に足を曲げると、彼は太ももの下に肩を入れ、私の太ももを何も身につけていない肩に置いた。
彼の冷たい身体が私の体温を奪うように温かくなっていくと、彼の手のひらが私のタンクトップの下に入り、ブラも身につけていない乳房を揉み始めた。私の太ももを舐めている大きな身体の彼が、腕を伸ばすだけで私の胸にたどり着くなんて最初は信じられなかったが、今では当たり前に受け入れてる。
「っぁあ!」
「イッた?」
太ももを舐めていた彼が、突然私の下半身に顔を埋めると、蜜口に口をつけて勢いよく吸い付いた。びっくりして大きな声が出て背中がのけ反ると、元信は私の蜜口をペロリと舐めた。そのまま舌を蜜口にもう一度這わし、舌を動かして蜜壺の中へと入る。じゅるっと吸い付く音がするのは、彼の唾液ではなく私の蜜壺から溢れる蜜を啜っているからだ。容赦ない舌遣いに、目の前がクリアになっていき、身体も頭も完全に目が覚めた。彼の濡れた髪を触ろうと手を伸ばすと、元信は私の方をチラッと見上げ、愛撫していた私の乳房から両手を引いて下半身から顔を上げた。口周りにつくテラテラ光っているのは私の蜜だと思うと、ドキッとしたが、彼は舌を出して口周りを舐めとると、
「藍子、こっち」
と言って、足を大きく広げた私の足の間に身体を入れて、そそり立つ熱い物を蜜口にぴたりと付けられた。
「元信…っ、すき」
「俺もだ…っ藍子」
視線を外したら死んでしまうんじゃないかと、お互いがそう思っているかのように見つめ合い、私が両手を伸ばすと彼は上体を屈めて私の上に覆い被さった。キスをされながら、足を彼の腰に巻き付けると、彼の口で解れた蜜壺は彼の昂りを受け入れていく。いつもならあり得ないけど、昨日も身体を重ねまし起きがけの身体はあんまり力が入らないからかもしれない。
「っ、っあ、あ、ぁあっ」
舌を絡めながらの抽送が激しくなると、重なっていた口が離れた。ぎゅっと抱きつくと、彼の冷たかった身体は次第に温かくなっていく。
私がうわ言のように好きと言っては、俺もと唸りながら腰の動きを早める元信。
「もうダメっん…んっ」
と我慢出来なくて言うと、彼は私の中に入ったまま腰を揺すった。おへその下が突かれているような変な錯覚をし、私は快感が絶頂へと達したのを感じ取って瞼を閉じた。





***************



「おー、すごい人!」
「…だな、とりあえず波のプール行くか?」
「うんっ!」
仕事から帰って来た元信に求められた日の朝、ひと眠りした後に、職場のおっさん達に貰ったとプールの入場無料券を渡された。
その日は疲れていたからまた後日って事で、元信の休みの木曜日にやって来たんだけど…夏休みだから人が多く激混みしていた。
元信は海に行った時と同じ青いグラデーションの海パンを履いていて、私は胸元を大きく隠す黒いオフショルダーのトップスと黒い短パンの水着を着ていた。お団子は変わらずにしていたが、海の時とは違って首元にはお札と小銭が入ったピンク色の紐がついた長方形の防水ケースを首から下げていた。
「まだ始まらないのかな?」
「監視員もいるし、そろそろじゃね?」
人工的な大きな波を作るプールには、家族連れや友達、カップルもいて、私達は水深の深い一番先頭に入った。でも私が足がつかなくなるから、元信に抱きつくと、彼は私の腰に腕を回して抱きしめ、彼と向き合って彼の首の後ろに右腕を回した。水中にいるから重くないはずだが、やっぱり重さが加わるかもしれないと思うと少しだけ恥ずかしい。
「おっ、始まるな…掴まって」
「うん…わっ」
何の動きもなかったプールの水面がゆっくりと、立ち入り禁止のある水面コーンの先にある柵のある機械に引くと、プールにいる人達の身体も自然と水の動きに合わせて身体が移動する。一旦引いた水が機械から吐き出されると、波が出来てみんなの身体を押す。数回繰り返されたおかげで、徐々に波が高くなると、私の顔にもバシャバシャと水が掛かる。元信は波が高くなると私を抱きしめた腕の力を強めてジャンプをし、視界が高くなって面白くなり見た事ない目線から波のプールを楽しんだ。

「はー、やばい…笑い疲れた」
波のプール、流れるプールと水深3mの飛び込みが出来るプール、休憩の間に醤油ラーメンを食べて、また流れるプールに行き、ウォータースライダーで遊んだ。1人ずつ滑る大きな滑り台で、私が先に滑った後、元信が滑ったのだけど、勢いよく滑り台の最後から飛び出したかと思ったら豪快にプールに落ちて、水飛沫がシャワーのように辺りに撒き散らした。
それがすごく面白くて笑っていたら、喉が渇いてきた。
10時に開園してから16時くらいになると、ぽつぽつ帰る人が増えた。閉園は18時半だから、まだプールで遊んでも問題はない。
「ねっ?何が飲む?」
「そーだなー、コーラでも飲むか」
自販機の前を通りかかったから元信に尋ねると、彼も飲むと言ったので、首から下げたお財布代わりの防水ケースからお金を出そうとして、私は手を止めた。
──あっ、やば…忘れてた
「…藍子?」
「あっ…ううん!コーラだよね」
止まった私を見て訝しんだ元信に呼ばれ、私は咄嗟に顔を上げて元信が飲みたがったコーラを買った。


「…ちょっとトイレ行ってくる、ここにいる?」
「ああ、少し休むよ、藍子ほら、パーカー」
帰る人が多くなってくると、日陰のスペースでも休憩が出来るようになった。波のプールが奥に見えるベンチを確保した私達は、自販機で買った飲み物を飲んだ。日陰だし、ベンチの背後は植木があってちょっとした壁を作っていた。
しばらく他愛のない話をしていたが、私はベンチから立ち上がって、トイレに行くと言うと、彼は私に自分のパーカーを渡してきた。
「ありがと」
私はそのパーカーを羽織ると、フロントのファスナーを上げた。海の時に借りた彼のサイズのパーカーは、私が着るとワンピースみたいに膝上くらいまで大きかった。



「…おまたせ」
「おっ、遅かったな、混んでた?」
「ん…そんなとこ」
トイレが終わって、元信の所に帰ってきた私は、ベンチに足を広げて座ってスマホを触ってる彼の前に立った。
「…どした?」
元信はスマホから顔を上げて私を見上げると、私は元信の足の外側のベンチに膝をつけて、元信の肩に腕をつけて跨ぐように座ると、彼は私の背中を支えた。
スマホをベンチに置くと、元信は私の方を見て鋭い眼差しを和らげて口元を緩めた。
「ね、元信」
私の声がワントーン低くて、私の瞳が潤んでいるのに気がつくと、彼は私の背中に置いた手を腰の後ろへ移動させた。
「どうした?嫌な事あった?」
離れていた間に何かあったのかと、心配する彼を安心させるように首を横に振り、胸にぶら下げた防水ケースの口を開くと、お札の間に隠したある物を少しだけ取り出すと、心配していた元信の纏う空気が変わった。
「あいっ」
彼の言葉を遮り、彼の口に触れるだけのキスをすると、私は元信の下唇を甘噛みして元の位置に戻った。
「しよ…」
「藍子それはっ」
正方形のビニールパックされた濃い紫のそれは、元信のサイズのコンドームゴムだ。ごくん、と唾を呑み込み、元信の視線がゴムから離れない。それを防水ケースの中に戻すと、彼から借りているパーカーのファスナーを胸の辺りまで下ろすと、彼はひゅっと、息を呑んだ。
「藍子…それっ」
「ん…脱いだよ、この下には何もないよ」
元信にしか聞こえるように彼の耳元でそう囁くと、彼は私のファスナーを上げた。
「したくないの?」
「ぐっ、いや」
口を尖らせる私に、言い訳のようにと言いながら、彼は私のパーカーから出ている足を見て、腰に回した右手を裾から入れた。
「っ、これ」
「ん、準備したから…もういれるだけで平気」
「だから遅かったのか」
さっきまで履いていた水着の短パンがないと知ると、そのまま私の下半身に手を伸ばした。下生えの先、蜜口が濡れていると知ると元信は手を引っ込めて私の腰にまた回した。
さっきトイレに行くと行って、個室で準備していたのだ。
「…それは、俺がす、る…っていつも言ったろ」
掠れた声で、だんだん低く唸る。怒っているみたいだが、これは欲情している声だともう知ってる。
「だって…我慢出来なくなったんだもん」
彼の首の後ろへと腕を巻き付けて、自分の方に引き寄せて含みを持たせて話して、ペロリと耳を舐めた。
海の時もそうだったが、半分裸の彼と肌が当たると、楽しさよりもドキドキしてしまう。さりげなく触ってしまうと、彼としたくなる。むしろ午後まで待ったのを感謝して欲しいくらいには、私は開き直っていた。
彼の腰に自分の身体をもっと寄せて、昂りのある上に座り腰を緩く動かすと、彼は周囲を見渡し、誰も自分達を見ていないのを確認して、またパーカーの中に手を入れた。
「藍子、俺のを触って大きくしろよ」
お尻を直接ぐにぐにと指先に力を入れて揉み、プールの水なのか、それともただの汗なのかの水滴が逞しい身体に伝う…しばらく待ってもらったから、汗だと思うけど。私はパーカーの右腕を抜き、中に右手を入れ、ファスナーが一番上まで上がった所を左手で引っ張って、彼がじっと見ている視線の先にあるおっぱいを右手で揉む所を見せた。
「ここが、コリコリしてるの」
「…してるのか」
彼がよく見えるように、乳房を上へと持ち上げ、親指と人差し指を使ってパーカーの中でピンクの粒を摘んだ。大きな乳房をゆっくり揉むと、私の指の間から膨らみがはみ出る。自分で触っても何とも感じないのに、元信に触られると気持ち良くなるから不思議だ。その感覚を早く感じたくて、元信を見上げると、私のパーカーから見える胸に釘付けになっている。
「ンッ、そ…う、触って欲しいって」
「左手でも触って」
私は子供のように舌ったらずの声が出て、低い声で命令をする彼。彼に言われた通り、左腕のパーカーから手を抜くと、私は両手で乳房を揉んだ。問題はさっきファスナーの上から引っ張っていたから、パーカーの中が見られたけど、今は見られない。だけど、彼は透視でもしてるのか、パーカーが動いている様だけを見て視線を外そうとはしない。
見れないのをいいことに、左手を下ろして私の足の間にある昂りを海パンの上からなぞると、元信は座る位置を変えた。ベンチの背もたれに背中を預けて少し横になり、腰を突き出した。
彼が貧乏ゆすりをすると、私の身体は上下に揺れ、お尻に直接昂りの固さが当たる。
「ふふっ、もう固い」
彼の胸板の上に寄りかかると、私の笑っている顔を見てきっと周りは勝手にカップルの戯れていると勘違いしてくれると思っていた。そのパーカーの下では、私が彼の海パンから固くなった昂りを出しているかなんて誰も気がつかない。
「あ…あ…っ」
少し彼の昂りの先端を自分の蜜口に付けて、腰を前に進めると蜜壺の中へと入っていく。掴まれたお尻が痛いのに、快感の方が上回っていく。
「っ…っ、ゴムは」
「今はいいのっ、先に…あっ」
余裕のない元信の声にうっとりとしていると、彼が足を小刻みに動かすおかげでスムーズに蜜壺の中に彼の昂りが入った。ぴたりと重なった下半身同士、私はパーカーから腕を入れて袖から手を出すと、元信の首の後ろへと巻きつけた。
いつもなら元信が十分に解した後、やっと繋がるのに、今日は私が事前にやっただけだから、入るか不安だったけど上手くいって良かった。
「動いて、ね」
「無理だ、ここでは目立つ…っ、ぐ…さきに」
私の可愛いおねだりにも、彼の理性はまだ残っているらしく、私の肩や腰に手を回している。
──ぅ、動きたい
我慢が出来なくなり、私の腰が前後に動き始めると、彼はベンチの背もたれから起き上がり、私の身体を強く抱きしめた。
「…っ、づ」
「んんつ」
その直後に、私の蜜壺の奥深くに熱い液体が注がれ、彼がイッたのに気がついた。

「あっ、気持ち…はっ、そこっんぅ」
「あー、くそ気持ちいいっ…っ」
ベンチから移動した私達は、誰もいないトイレ裏側と木の間に隠れて今度はちゃんとゴムをして繋がった。最初はプールの中でとも思ったけど、水着を脱いでしまって全裸のパーカーで入ったら、プール監視員に注意されるから、誰も通らない所を探していたらここになった。
パーカーはそのままに、パーカーの裾を少しだけ上げて正面を向き合って繋がっていた。がんがんっと遠慮なく突かれ、私は片足を彼の太ももに掛けて身体を預けていた。
さっきはできなかったキスをしながら、思う存分お互いの口内を堪能し、繋がったままもう一度中に注がれ、火をつけた身体は一度じゃ治らずに求め合った。
「あーもう、次来る時はテントにしよう、やっぱりあれは最高だった」
「あっ、あっ、ん、んっ」
海での半個室を気に入った彼は、改めてテントを買う決心をつけると、繋がりを解いて私を壁に手を向けさせて背後から貫いた。パーカーの上から何も身につけていないのを知っている彼が、柔らかな胸を二つ思いっきり揉みながら耳元に唇を付けてそう呟いた。
「ぐっ、はっ…くぅっ」
「んん、んっ!」
ぐりぐりと腰をお尻に押し付けられ、注がれた証の存在をゴムを付けたから感じられないが、身体と同じで人より大きな彼の昂りが蜜壺の中にあるだけでもイけた。
「あと何回分ある?」
彼は私を背後から抱きしめ耳を舐めると、
「あっ…ッ…さっきの分で終わり…っ」
耳元で喋らないでと言うと、彼はふっと笑って私の耳の中を舐めた。一度でいいかと思っていたけど、やっぱり足りない。今度からもう2つくらい予備で入れてもいいかもしれないと思い始めた。
「そろそろ帰るか、閉園になるしな」
彼は私の蜜壺の中から昂りを抜くと、ゴムを昂りから脱いでゴムの口を結んだ。たぷたぷに入った白い証がゴムから見えて、本当なら私の中に注がれたと思ったら頬が赤くなった。
元信に抱きつくと彼は私の腰を抱きしめながら、頭に口をつけた。
「もう今年の海系はいいか、跡付けられねぇし、服着せても見る奴は見るし」
海水じゃなくてどこかに出かけようと、彼は言い、私は頷いた。
──普通に海とかプール誘ってくれていたけど、やっぱり跡付けないの嫌だったのかな
身体を重ねる頻度は変わらないし満足はしていたけど、夏休みに入ってからなんかちょっとだけ物足りないと思ったら、そうだキスマークの跡が少ないと、彼の言葉を聞くまで頭から抜けていた。
「…行かないって言ったら…つける?」
私が彼の胸から顔を上げて元信の顔を見上げて聞くと、
「当たり前だろ」
と、はらりと彼の少し長い髪が崩れて、彼の頬に当たった。その姿が愛おしくなり、腕を上げて彼の髪を耳に掛けながら私も返事をした。
「なら、しばらく行かない」
「いいのか?」
自分から聞いといて、もう一度聞いてくる元信がおかしくて笑いが込み上げてくるが、私がもう一度はっきりと行かないと言うと、彼はそうかとただひと言だけ返ってきた。
──私だって…そうだよ
元信は私を見る人がいると怒っているが、元信だってそうそうにない鍛えた身体を晒していて、全く見られていないわけじゃない。
海の時も思ったが、今回のプールではっきりと分かった。
──面白くない、私のなのに
一緒に遊ぶ時間は楽しいけど、私だけが・・・元信を見ていたいんだと思っている事を知った夏となった。
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