5 / 14
トラブルを呼ぶ探偵
トラブルしかねぇ
しおりを挟む
一通り手紙を読み終えて、一息付く。
「あぁぁ…」
―この世の終わりのような声を上げてみた。
すると、俺の手に静かに手を重ねてきた雫が、心配そうな顔をしていた。
「シュウジ…。大丈夫…?」
「…ああ。今は問題ない」
「随分と問題ありそうじゃな」
「確かに…。ってそれよりも今は、ってどういう事?」
そう聞いてくる雫に、そっと手紙を渡すと、訝しげにそれを受け取る。
「えっと…。拝啓、柊司 元気か…」
―挨拶に始まり、最近の近況がツラツラと。
そんな、近所の犬が子ども生んだとか、知らんがな。
そんな事が色々書いてあり、最後に体に気をつけてな。
と言った感じで締めてある。
「ん~?普通の、お手紙?」
「…のようだな」
―だと思うだろ?二人とも。
実は違うんだよ。
手紙を貰い、後ろを見せた。
「何で後ろ…?」
首を傾げながらも、その部分を読む。
「…追伸 華凜に居場所がバレたかもしれん。近々そっちに行くかもしれない。宜しくたのむぅっ!!?」
―うちの若奥さんが、壊れました…。
「…それで、これは何時届いたんだよ」
項垂れながら、グランに聞くと、目を遠くの方にやっている。
「恐らく、2週間位前だったかの?」
―よし、やっぱ殺ろう。
「ちょっと、シュウジ待って?!」
「あはっ?」
「やっぱりトラブルしか持ってこねーよコノジジイ逝かすしかねえ!!」
「だから、ちょっと落ち着いてったら!!」
バタバタと先程の騒ぎの二の舞になったのは、言うまでもない。
「まぁ、とにかく。まだ大丈夫だ」
「何でだよ…?」
妙に自信ありげな感じで言うグランに、俺は不満MAXの視線をやった。
「まだ、彼女がこの国に入ったと言う連絡は来とらんからな」
「あ~、そういう事か」
「ああ、だからまだ心配せんでもいいぞ?」
そう言って、グランはお代わりに貰ったお茶を飲んだ。
―この爺さんのコネは確かに当てにはなる。
何だかんだ言って、本来ならこんな田舎町で呑気に町長をやっていられるような立場じゃない。
それを聞いて安心したのか、雫も落ち着いて話を聞いている。
「だがな、シュウジ」
「何だよ、急に真面目な顔して」
真剣な表情になったグランに、俺は少し訝しげに視線をやる。
「そろそろ、いいんじゃないか?」
「…んな事は、解ってるよ…」
「…そうか」
そう言って爺さんは、微笑を浮かべながらお茶を飲んだ。
―まさかとは思うが、な。
少し雫と話した後、爺さんは帰って行った。
どうやら奥さんから帰って来いと電話がきたらしい。
雫はそんな爺さんを苦笑しながら見送っている。
俺の目の前には、グランの爺さんが置いてった、もう一通の封筒がある。
その表紙には、こう記されている。
『WMAB アメリカ会議の警護依頼』
―依頼書、だった。
やっぱりトラブルしかねぇじゃねーか。
俺が肩を落としたのは言うまでもない。
「あぁぁ…」
―この世の終わりのような声を上げてみた。
すると、俺の手に静かに手を重ねてきた雫が、心配そうな顔をしていた。
「シュウジ…。大丈夫…?」
「…ああ。今は問題ない」
「随分と問題ありそうじゃな」
「確かに…。ってそれよりも今は、ってどういう事?」
そう聞いてくる雫に、そっと手紙を渡すと、訝しげにそれを受け取る。
「えっと…。拝啓、柊司 元気か…」
―挨拶に始まり、最近の近況がツラツラと。
そんな、近所の犬が子ども生んだとか、知らんがな。
そんな事が色々書いてあり、最後に体に気をつけてな。
と言った感じで締めてある。
「ん~?普通の、お手紙?」
「…のようだな」
―だと思うだろ?二人とも。
実は違うんだよ。
手紙を貰い、後ろを見せた。
「何で後ろ…?」
首を傾げながらも、その部分を読む。
「…追伸 華凜に居場所がバレたかもしれん。近々そっちに行くかもしれない。宜しくたのむぅっ!!?」
―うちの若奥さんが、壊れました…。
「…それで、これは何時届いたんだよ」
項垂れながら、グランに聞くと、目を遠くの方にやっている。
「恐らく、2週間位前だったかの?」
―よし、やっぱ殺ろう。
「ちょっと、シュウジ待って?!」
「あはっ?」
「やっぱりトラブルしか持ってこねーよコノジジイ逝かすしかねえ!!」
「だから、ちょっと落ち着いてったら!!」
バタバタと先程の騒ぎの二の舞になったのは、言うまでもない。
「まぁ、とにかく。まだ大丈夫だ」
「何でだよ…?」
妙に自信ありげな感じで言うグランに、俺は不満MAXの視線をやった。
「まだ、彼女がこの国に入ったと言う連絡は来とらんからな」
「あ~、そういう事か」
「ああ、だからまだ心配せんでもいいぞ?」
そう言って、グランはお代わりに貰ったお茶を飲んだ。
―この爺さんのコネは確かに当てにはなる。
何だかんだ言って、本来ならこんな田舎町で呑気に町長をやっていられるような立場じゃない。
それを聞いて安心したのか、雫も落ち着いて話を聞いている。
「だがな、シュウジ」
「何だよ、急に真面目な顔して」
真剣な表情になったグランに、俺は少し訝しげに視線をやる。
「そろそろ、いいんじゃないか?」
「…んな事は、解ってるよ…」
「…そうか」
そう言って爺さんは、微笑を浮かべながらお茶を飲んだ。
―まさかとは思うが、な。
少し雫と話した後、爺さんは帰って行った。
どうやら奥さんから帰って来いと電話がきたらしい。
雫はそんな爺さんを苦笑しながら見送っている。
俺の目の前には、グランの爺さんが置いてった、もう一通の封筒がある。
その表紙には、こう記されている。
『WMAB アメリカ会議の警護依頼』
―依頼書、だった。
やっぱりトラブルしかねぇじゃねーか。
俺が肩を落としたのは言うまでもない。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話
トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる