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トラブルを呼ぶ探偵

私のだんなさま

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シズク side


夕方になって、グランさんが帰って行った。
取りあえず、無事に帰ってくれたので、一安心だ。
あの二人が喋ると、必ずと言っていい程騒ぎが起きるから、私も奥さんも頭が痛い。


グランさんを見送り、私は今夕食を作っている。
ふと、元気が無かった柊司の様子を覗く。

どうやらグランさんから預かった依頼書を見ているようだ。




この世界には、魔法って言う不思議な力が存在する。
それを使って、世界は古の頃から発展してきた。


魔法を使うには、色々条件があるけど、一番は魔力を消費して使うって言う所。

まぁ、魔力って言うのはこの世に在るする全ての存在に備わっている力の事。

これは生物だけでなく、木や土なんかの生物じゃ無いものにもある。

要するに人で言うと生命力や精神力なんかが近い。

その魔力を使って起こす不思議な力を総じて『魔法』って呼んでいる。


こう聞くと、誰でも出来るように聞こえるかもしれない。

ただ、魔法を使うにはそれなりに知識が必要だし、何より『彼等』と契約もしなくちゃならない場合が多いけれど。

『彼等』って言うのは、精霊とか魔族とかに分類される、人間じゃない存在の事。

でも大昔とは違い、今は人と同じ様に生活している。
勿論、権利と責任を持って。


大昔は実際に彼等と契約した『魔法士』と呼ばれる人達が、好き勝手に起こした犯罪や戦争が沢山あったらしい。


それを無くすためにとある国が中心になり、世界中の国が一つの組織を創った。

WMAB―世界魔法監理局―通称 MAB―

『魔法』とそれを使用する『魔法士』を認定、監理する組織である。


どうやら今回は、そのMAB絡みの仕事のようだ。

正直に言って、MAB絡みの仕事は請けたくはない。
どうもMABが絡むと、柊司はトラブルに巻き込まれやすい。

確かに探偵って名前の何でも屋だから、色んな依頼がうちにはやって来る。

それを整理して、柊司が安全に、且つスムーズに依頼の達成を出来るようにする。
それが私のお仕事。

でも、MABが絡むような依頼には、必ずと言っていい程、魔法士が絡んでくる。

柊司はその手の依頼を失敗する事は、まず無い。

今までどんなに窮地に追い込まれても、彼は依頼を解決してきた。
私も微々たるものだけれど、その力になってきたつもりだ。

でも、今まで彼はその中で怪我をする事が多かった。
怪我の程度は軽くても、正直なところ彼が怪我をする所は見たくない。


今回の依頼。
グランさんが持って来たという時点で、ある程度のレベルだろうな。
まして、シュウジの表情が厳しい。
今回の事件はどう見ても危険な感じがする。


でも、そう私が心配しても結果的には柊司次第で。

何とも言えないのが少し悲しい。
だからせめて、彼が安全に依頼を遂行出来るようにしよう。


―よし、夕飯が出来た。


今日は、柊司の好きな豚の生姜焼きに付け合わせのサラダ、茄子の煮浸し。
それと御飯にジャガイモと玉ねぎのお味噌汁だ。


「シュウジ~。御飯出来たよ~」


そう声を掛けると、彼は此方を向いて笑いかけてくる。


―今日の夕食も、美味しいって言ってくれるかな?
彼の元気が出るといいな…。
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