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トラブルを呼ぶ探偵
柊司のねがお
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sideシズク
柔らかな日の光が私の瞼を照らし、ゆっくりと微睡む意識を目覚めさせる。
時計を見ると丁度7時前。
―今日も良く寝たぁ。
ふと、頭上に視線を向けると、愛しい人がスヤスヤと寝息を立てている。
どうやら柊司は、また私を抱き締めて寝ていたらしい。
寝ている間に捕獲される事もしばしば。
彼曰く、『小さくてやわらかいから抱き心地が良い』とのこと。
―好きな人に言われて、悪い気はしないよね。
…小さいは余計だけど。
わざと柊司をキュッと抱き締め、頬擦りしてみた。
スリスリ。
すると柊司は無意識なのか、「ん~?」と言いながら私を抱き寄せた。
心なしか頬が緩んでる。
―これが私のささやかな日課。
彼の反応は日によって違う。
ギュッと抱き締められる時もあれば、今日みたいな日もある。
ちょっとかわいいんだよね。
彼を知る人達には、こんな彼の様子は想像も付かないだろう。
柊司は、知り合いじゃない限り、冷たい。
基本的に他人に興味が無いから。
態度が悪いとかではなく、ただ感情が入らない。
これが仕事の絡みになると、更にだ。
だからこそ、冷静に仕事をこなせるんだけれど。
まあ、そんな彼だから同業者に近い魔法士事務所からは、煙たがられる事が多々ある。
ーそれもそう。
贔屓目に聞こえるかもしれないけれど。
まずその容姿が抜群に目を引く。
髪は少し長い位で後ろに流しており、日本人とは思えない切れ長の目をした端正な顔立ち。
背は高く、身体は細身のようで確りと筋肉がある。
しかも、仕事の時は必ず決まって対魔法、対物理衝撃素材で出来た、シルバーグレーのスーツに身を包んでいる。
どうして、スーツなのか聞いてみたら、その方が格好いいからだそうだ。
―良く解らないけど。
そんな容姿に、冷淡な態度が合間って、かなり威圧感がある。
しかもどんな仕事も完璧にやり遂げる、噂の『探偵』。
魔法士達からすれば魔法を一切使わない、町のチンピラの様な彼に、そこまでの実力があるとは信じがたいらしい。
だが、噂と言うのは同業者の間には直ぐに広まるもの。
危ない仕事で彼と鉢合わせた、違法スレスレの事を生業にしてる魔法士達は、散々な目にあったという。
今では彼等、魔法士からすれば畏怖の象徴でしかないようだ。
ーだけど、これが魔法士だけであれば大した問題じゃない。
厄介なのは、MABの人間。
職員の中には法規執行官と呼ばれる、直接現場で動く魔法士資格を持つ局員がいる。
監理局の中でも、厳しい試験をパスした者しかなれないエリート中のエリートだそうだ。
そんな人達からすれば、正式にMABから依頼を受けているとはいえ、魔法士資格さえも持たない一般人。
しかも、下手をすれば執行官よりも、信頼を置いている上層部の将校達も少なくない人物。
その存在はかなり目障りなのだろう。
―お陰で柊司が依頼以外の事件に巻き込まれる確率高いし。
そんな事を思いつつ、そろそろ起きなければいけない。
今日は、彼がMABに行く日だ。
どうせなら、美味しい朝食を食べて元気に行ってきてもらわないと。
柊司の腕の中は名残惜しいが、ベッドからそっと抜け出した。
「ん~」
柊司を起こさないように静かに伸びをして、私は洗面所へと向かった。
柔らかな日の光が私の瞼を照らし、ゆっくりと微睡む意識を目覚めさせる。
時計を見ると丁度7時前。
―今日も良く寝たぁ。
ふと、頭上に視線を向けると、愛しい人がスヤスヤと寝息を立てている。
どうやら柊司は、また私を抱き締めて寝ていたらしい。
寝ている間に捕獲される事もしばしば。
彼曰く、『小さくてやわらかいから抱き心地が良い』とのこと。
―好きな人に言われて、悪い気はしないよね。
…小さいは余計だけど。
わざと柊司をキュッと抱き締め、頬擦りしてみた。
スリスリ。
すると柊司は無意識なのか、「ん~?」と言いながら私を抱き寄せた。
心なしか頬が緩んでる。
―これが私のささやかな日課。
彼の反応は日によって違う。
ギュッと抱き締められる時もあれば、今日みたいな日もある。
ちょっとかわいいんだよね。
彼を知る人達には、こんな彼の様子は想像も付かないだろう。
柊司は、知り合いじゃない限り、冷たい。
基本的に他人に興味が無いから。
態度が悪いとかではなく、ただ感情が入らない。
これが仕事の絡みになると、更にだ。
だからこそ、冷静に仕事をこなせるんだけれど。
まあ、そんな彼だから同業者に近い魔法士事務所からは、煙たがられる事が多々ある。
ーそれもそう。
贔屓目に聞こえるかもしれないけれど。
まずその容姿が抜群に目を引く。
髪は少し長い位で後ろに流しており、日本人とは思えない切れ長の目をした端正な顔立ち。
背は高く、身体は細身のようで確りと筋肉がある。
しかも、仕事の時は必ず決まって対魔法、対物理衝撃素材で出来た、シルバーグレーのスーツに身を包んでいる。
どうして、スーツなのか聞いてみたら、その方が格好いいからだそうだ。
―良く解らないけど。
そんな容姿に、冷淡な態度が合間って、かなり威圧感がある。
しかもどんな仕事も完璧にやり遂げる、噂の『探偵』。
魔法士達からすれば魔法を一切使わない、町のチンピラの様な彼に、そこまでの実力があるとは信じがたいらしい。
だが、噂と言うのは同業者の間には直ぐに広まるもの。
危ない仕事で彼と鉢合わせた、違法スレスレの事を生業にしてる魔法士達は、散々な目にあったという。
今では彼等、魔法士からすれば畏怖の象徴でしかないようだ。
ーだけど、これが魔法士だけであれば大した問題じゃない。
厄介なのは、MABの人間。
職員の中には法規執行官と呼ばれる、直接現場で動く魔法士資格を持つ局員がいる。
監理局の中でも、厳しい試験をパスした者しかなれないエリート中のエリートだそうだ。
そんな人達からすれば、正式にMABから依頼を受けているとはいえ、魔法士資格さえも持たない一般人。
しかも、下手をすれば執行官よりも、信頼を置いている上層部の将校達も少なくない人物。
その存在はかなり目障りなのだろう。
―お陰で柊司が依頼以外の事件に巻き込まれる確率高いし。
そんな事を思いつつ、そろそろ起きなければいけない。
今日は、彼がMABに行く日だ。
どうせなら、美味しい朝食を食べて元気に行ってきてもらわないと。
柊司の腕の中は名残惜しいが、ベッドからそっと抜け出した。
「ん~」
柊司を起こさないように静かに伸びをして、私は洗面所へと向かった。
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