僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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陰謀渦巻く他国旅行

僕は10歳になりました

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 あの奇跡の日と呼ばれた時から数年の時間が経過した。僕は更にとなり、年齢の割に大人びた雰囲気から実年齢より上に見られることも何度かある。

 毎日の体作りも順調で、暗器を使う時に必要な柔軟性もいい感じだ。
 兄上との組み手もいい感じになってきたし、今度は父様と本気でやってもらおうかな。

 これは追伸だが、コウにぃは純粋な武力だけなら本気の父様にはまだ負け越しているらしいと知った。コウにぃ最強チートに勝てる父は凄いと思う。
 でも、兄上の肩を持つのなら使えば兄上が圧勝します。
 
 一応、まだ13歳の子供なんだけどね。


 そんな僕達ですが、そろそろ国立の学園に入る年齢になりました。
 本来は13歳からなのだけども、護衛も兼ねて、学力もまあまあある僕が抜擢されたのだ。
 この世界には飛び級制度というものもあるので、頭さえ詰まっていれば8歳以上なら入れてしまうのだ。

 内心、じゃあなんで早く入らないんだと思われた人がいるかもしれない。それには事情がありまして、の場合、最低が10歳からなんです。



 そこからさっしてくれると思うけど、僕は、私、シシリーとして学園に通う事になっています。
 早く言えば、コウラン皇子の虫除けも兼ねているのです。前世は来るもの拒まずだったからな。
 今の立場でそれはまずいから、コウラン皇子も文句は言わず待っていてくれた。というより、私と通えるのも嬉しいらしい。


 女性が10歳からなのは、男尊女卑と言うわけではなくこの誤差の期間中に女性の体調が乱れ魔力が暴走することがあるからだそう。

 まあ、察してあげて欲しい。





 そんなことで、もうすぐ学園に行く筈の僕達は、今現在、皇帝陛下の自室に呼ばれてお茶を頂いている最中である。

 皇帝陛下に入れさせる訳にはいかないので、兄上が入れてくれた微かに花の香りが香るお茶に、僕特製のビスコッティ、ビスコッティは硬いので皇帝陛下にはパウンドケーキを用意してみた。

 ビスコッティはコーヒーやワインにつけて食べるのが一般的らしいが、僕や兄上はガリガリ食べるのが好きだ。皇帝陛下もまだ若いしイケるとは思うけど、硬くて口の中を切った事もあるので、怪我させるわけにはいかないからね。




 一時ののんびりとした空気の中、話を切り出したのは皇帝陛下だった。

 1つの褐色の瓶をテーブルの上に置いた。
 なんか嫌な予感がする。



「これについて意見が欲しいんだ。」
「薬ですか?」
「毒薬だよ。」



 食べ物のあるテーブルに置くものではないよな。

 ちらりとコウにぃを見れば、気にしている様子はない。
 あぁ、こういうの好きですものね。
 ふと、褐色の瓶を手に取りフリフリと振っていると液体がコポコポと音をたてる。
 何毒かは分からないが、これがどうしたと言うのだろうか。



「それを隣国の正妃が口にしてしまったらしい。」
「はあ?」
「このようなお茶会をしていた時の事だ。」




 隣国の王は、突如として王様になった方で後ろ盾を得るために二人の年若き正妃とその従姉妹だった第一側妃を迎えいれた。他にも大奥の様な場所もありそこには数名の側妃もいるが、表立った妃はその若い妃達だけだった。

 ある日、第一側妃と正妃を呼んで王はお茶会を開いたという。
 
 それが、今回の不幸の始まりである。

 東国から仕入れた苦味の強い珍しい抹茶と言う飲み物に、砂糖をたっぷり使った甘いお菓子を揃えて庭の美しい薔薇園を眺めながらお茶をしていたという。

 苦味の強い抹茶に甘いお菓子はよく合っていた様で和やかな雰囲気のままにお茶会が進んでいたという。

 第一側妃は特に苦味の強い抹茶が気に入ったようでお代りもしたという。
 そのうちに正妃に異変が現れた。
 
 会話の呂律が怪しくなり、手に持っていた菓子を落としたり、気だるけな姿をして嘔気に耐えたりとなったらしい。

 毒の量が少なかったのか最終的には倒れて今はかの様に眠っているだけで生きてはいるとの事だ。



「何の毒かもわからないので手の打ちようが無いのだ。」
「神経系の毒かと思いますが。」
「Brevity is the soul of wit。」
「?」
「!」



 兄上が瓶を楽しそうに眺めながら、聞き慣れない言葉を発する。
 だが、その言葉はは知っている。
 二人の男女の悲劇の物語。

Brevity is the soul of wit。
簡潔こそが英知の真髄である。

 そこに出でくるアレが使われているのなら、早めに対処しないといけない。もう手遅れになっているかもしれないが。



「正妃は、現状維持の魔法で保たれているとの事だ。」
「で、俺らに何を望んでいる?」


 
 今すぐにでも対処しないといけないのは、知っているが何故にぼくたの方まで話が来たのか疑問だった。
 それを問いただせば、皇帝陛下はぐったりとした様子で執事に大量の紙束を持ってこさせた。

 そこには、急いだからなのか蚯蚓の様な文章で、『助けて』や『お願い』などが書かれている。




「正妃と第一側妃は妻の友人なのだ。」
「皇帝王妃様の?」
「学園で共に学んだ友人らしくてな、さめざめと手紙を見ては泣くのだ。」



 だから、頼む。

 そう言って皇帝陛下は頭を下げた。

 ちらりと兄上を見る。
 要は助けてやってほしいとの事だろうが、命じないでお願いしてくれるところは好感が持てるし、この世界でこの毒の知識をどう手に入れたかも気になるから、僕は良いけど。


「…対価としてこの毒は貰っておく。」
「では!」
「御父上殿のお願いだしな。聞いてやるよ。」
「そうか!」


 と言うことで、学園に入学する前までの準備期間に他国に行くことになりました!

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