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陰謀渦巻く他国旅行
私と兄上と護衛
しおりを挟む居心地の良くない謁見が終わって暫く宿代わりになる城の一室。
優雅にお茶タイムなのは私達3人組。アキさんは居心地悪そうだけどね。
男女で本来なら別れて泊まるのですが、無理を言って3人一部屋にしてもらいました。
はしたない?
いやいや、本来僕らは全員男だからね。
まあ、この国の人達がどう思おうとも今一人ひとりになる愚か者は居ないと言うこと。
怪しい暗殺疑惑の国の城で、皇子を一人にするわけにもいかないし、変な視線を向けられた私が、一人もってどうかと。
態と一人になっても良いけど、それは王妃様の話を聞いてからね。
それに個室だったら廊下で待機すると言っていたアキさんの護衛の手間を減らす為にも3人一緒の部屋が最適でしょう。
こうなりゃ、私もシシリーじゃなくてシンリで来たほうが良かったかなとか思ったけど、もしかしたら女の園に行く事になった時用には女性が居ないとね(ぐすん)。
今度は、男の娘仲間でも作って護衛として連れてきたほうがいいかな。うん、帰ったら検討しよう。
部屋に通されたとき、数人のお世話係の綺麗所な侍女を付けられそうになったが、私が、微笑んでそれを断った。
考え過ぎとは思うが、神の国という大国の王になる可能性(コウにぃは破棄しているが発表していない)のある皇子があまりにも少人数で、隙だらけに見える状態で訪問しているのだ。
チャンスは豊富。
私なら婚約者や護衛に睡眠薬を盛って子胤だけでも手に入れる。それが10代前半の少年でもだ。
いやあ、王族は大変だね。
と、言うことでお世話係は断るに限る。
自分自身のことはほぼ全て出来るのだから居ても困るという本心もある。
私が、軽く指を振り認識阻害と音遮断の魔法を唱えると部屋全体が淡く輝く。
何か仕込まれてないとは思うが念の為だ。
王妃の話も出したし警戒されているかもしれないしね。
「結構、ざわついてましたね。」
「まさか、他国に知られているとは思って無かったのか。」
「手紙を出しているのに?」
「第一側妃には協力者がいるのかもしれない。」
協力者。
確かに、今回無事の筈の第一側妃が謁見の間に現れなかったのは、2つほど予想していた。1つはショックのため表には出れなかった。2つ目は彼女が正妃殺害未遂の犯人と考えられていて囚われているか。
前者は仲の良いはずの神の国の皇帝妃からの手紙に対してのどよめきからありえない。むしろ元気づける為にも直ぐに通しただろう。
後者であるなら手紙を送るなど普通では無理。協力者がいると言うこと。そして、以外と切羽詰まっているかもしれない。
「この城の地図って手に入らないかな。」
「護衛の為だと言って簡易な物かもしれませんが手に入れて来ます。」
「アキ、それなら…」
ゴニョゴニョ
兄上てアキさんの間でナイショ話。
アキさんが心得たとばかりに部屋を出ていく。出ていく時に私の方に目配せをしてくるので、心得たと頷き返す。鍵は掛けちゃいましょうね。
さあて、ちょっとだけ皆様とお勉強。
護衛の者が居なくなったとき、私達貴族は、どうするか。
正解は王族を守るために行動をしまぁす。
部屋を一旦見回して、簡単だけど危険な罠を仕掛けて行きます。暗器の糸も部屋に蜘蛛の巣の様に張り巡らせ、最後に優雅にお茶を飲む兄上の隣に座り終了です。
「まるでシルクヘンジだな。」
「参考にはしました。芸術的でしょ?」
「まあ、安心感はある。」
とあるアマゾンの蜘蛛の巣を参考にした糸の張り巡らしは、天井から伸びる雫状のテントのような場所に我々がいて、その周りに王冠のように糸を更に張り巡らしている。それは芸術的なだけではない。
指先を少し動かすだけで仲間を受け入れ、別の指を動かすと盾以上の防御力を誇る。
なによりも、パズルのように編んであるこれは一気に解体出来て次の攻撃に移れるのだ。
「まあ、最終手段はコウにぃの火玉だね。」
「流石に、火炎隕石程の威力は本気で撃たないと出ないがな。」
本気なら出るんだね。
そうそう、コウにぃは私と契約してから、魔法のコントロールがバルスさんが感動するぐらい上達したそうです。
それでも威力は、えげつない様だけどだいぶマシなのだとか。流石チートな兄上です。
そんなチートな兄上の出来事を色々と話したい所何だけどそれはまた後日にしよう。アキさんが戻ってきた様です。
コンコンコンコン
4回ノックは私達の中で決めた合図。
そのうちに気が付かれるとは思うけど、結構ノックって癖が出るのよね。
ドアが開く前に、糸を解除してそのまま鍵も開ける。
ドアの向こうにはやっぱりアキさん。
「只今戻りました。」
「おかえりなさい。」
「少しの間、皇子の護衛感謝します。」
「いえいえ。とりあえず、罠は残しておくから気を付けてね。」
「はい。素晴らしいです。言われるまで気づきませんでします。」
生半端な隠し方なんてしてないんだから言われて気が付くだけでも凄いと思うよ。
なんて言ってもアキさんは謙遜してしまうので心の中で褒めて置く。だけど、私の株は鰻登りだぞ。
アキさんは、いそいそと貰って来たと言う紙を広げる。そこにはなかなかに精密な地図が描かれていた。補足のように継ぎ足された文字は丸く可愛らしい女性の物のようだ。
よくまぁ、手に入ったなぁ。
「皇子の、言うとおり年若い侍女に困った様に頼んだら出してくれました。」
「‥…色仕掛。」
「?‥…親切な侍女でしたよ?色々面白い話が聞けましたし。」
「こいつは無自覚だ。」
「なんと!」
兄上のアドバイスは、『年若い』『困った様に』『感謝には手を握る』の3つの事だけだという。それだけでこれだけ詳しい話を持って来てくれるとは凄い才能デスネ。
とりあえず、その件は磨くだけ磨いてもらうこととして、地図を眺めてみる。
六角の様な敷地にそれぞれの角に塔と中心に今我々がいる城が立っている。塔へは城から伸びる渡り廊下で移動が出来るようで、塔からこちらに来るときは兵士の許可が必要になっているらしい。
塔には正妃、第一側妃以外の6人の側妃がいるとの事で、唯一無二簡単に行き来できるのは王である。潰し合いが出来ないように考えられた大奥と言うことか。
問題の正妃と第一側妃はどこにいるのかと言うと、城のてっぺんに部屋があるそうだ。だが、侍女の話によると最近食事は運んでいないとのこと。
「眠っている、正妃はわかるけど、第一側妃の食事は何処に行っているの。」
「とりあえず、正妃を助けて話を聞いて来い来い。」
「そうだね。このまま何も無かった事にして帰っても良いしね。」
とりま、正妃を助けることが今回の目的だしね。シシリー行ってきまーす。
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