僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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記憶を求めて奥底に

僕の楽しい修行 2階だよ

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「コウラン皇子、ヘルプです!」
「傷一つ付けるなよ。」


 皆さんこんにちは。ウォルターの修行中のシンリだよ。ただいま、ウォルターにお姫様抱っこされて敵の攻撃を避けている所です。
 
 どうしてお姫様抱っこ中なのかって?
 それはだね、ウォルターの筋力の無さと体力の無さがわかったのでそれの特訓だよ。
 お姫様抱っこしたことがある人ならわかると思うけど、結構腕力と腰を反らない様に体幹?腹筋?も鍛えられるんだよ。
 僕という重りもあるからただ攻撃を避けるより体力、兄上の睨みによる精神力も削られて大変な修行さ。

 ただお姫様抱っこ中の僕があまりの揺れに気分が悪くなりそうなのが欠点だけどね。

 あまりの居心地の悪さに腕にいた宵月は早々に兄上の腕に移動していた。

 何度も落とされそうになるけどそのたびにコウにぃのドスの利いた声がかかり持ち直される。その上下の揺れに、攻撃を避ける左右の揺れ。突発に起こる飛びよけの振動。
 ああ、気持ち悪い。

 そうそう、我々はあの後地下への階段を見つけて、次のフロアに来ています。次のフロアはまさにイメージ通りのダンジョン。坑道の様な入り組んだ場所だ。

 出てくるモンスターは今の所ゴーレムとカエルの様な姿のモノ。ドロップはまだ倒していないためわからないが、今兄上がカエル型のモンスターを始末していて、ウォルターが僕をお姫様抱っこしながらゴーレムの注意を引きつけながら、石礫の攻撃を避けている。

 結構な重労働だろうに兄上の言葉に必死になっているウォルター。別に傷の1つや2つ気にしないけどそれはコウにぃが嫌なのだろう。
 おっと、避けきれてない石がこっちに来るぞ。暗器で軌道をかえておこう。

 コウにぃがカエル型のモンスターを始末し終えて、ゴーレムを一瞬で始末した。
 その一瞬が終わるとウォルターが僕を地に降ろして、息を整える。その間に回復をかけて筋肉の超回復を促ことで筋肉を前より強化する。


「少しずつだけど筋肉と体力が増えて来たんじゃない?」
「そ、そう、です?」
「うん。安定性は最初に比べたらだいぶ良いし。」
「最初、吐いてたもんな。」
「吐いてないよ。吐きかけただけ。」


 上の階で試した時は、すごい揺れに慣れないお姫様抱っこで我慢できずに吐きそうになった。その途中で下への階段を見つけたので降りてきたのだけど、その時とよりはマシになっている。

 回復を終えたあと、あたりに散らばるドロップの品を拾う。カエルからは毒腺と皮、ゴーレムからはゴーレムの核が落ちた様だ。


「このダンジョンは上級防具の素材が落ちるようですね。」


 回復したウォルターがそう考察した。
 身体中汗だらけだが、エルフの血のおかげかキラキラとしている姿に、なんかイラァとくるな。
 宵月はこのあとも同じ状況が続くからか戻ってこないので可愛らしい召喚獣に癒やされることも叶わないのが悲しい。

 うじうじとしながら、ウォルターの考察を考えた。
 確かに皮は防具に使う一般的な素材であり、核や水晶も防具に使われる。毒腺と角は属性と飾りかな。

 それが上級なのかは僕では分からないが、防具だと言う意見は合っていそうなので、僕も賛成な感じだ。


「これらの防具の材料が揃えられるダンジョンなら、エリアボスと中ボスの予想はできる?」
「エリアボスはむずかしいですが、中ボスはユニコーンかと。」
「根拠は?」


 ダンジョンには一定の階の場所にエリアボスがいる。そのボスは他のモンスターに比べて遥かに強く、倒さないと転移が出来ない結界も張られているときもある。その代わりドロップは破格のものが出るとか。
そしてさらに強いのが中ボスでダンジョンの中で最強なのがダンジョンボスとなっている。

 エリアボスはダンジョンの階層によっては現れない事もあるのでいきなり強いモンスターと当たるといったことになったりする。

 予想なんて立てる確証も無いのだが。


「うーん。根拠は無いけど、なんかこのダンジョン清浄な雰囲気を持っているんですよね。ということは聖なる乙女の味方のユニコーンかなって。」


 清浄な空気ね。
 魔神の愛子の記憶がダンジョンの核だからとかじゃないよね。
 他のダンジョンに入ったことが無いのでどう雰囲気が違うのかなんて説明されても分からないし、ウォルターの意見は参考にさせて貰おう。

 でも、ユニコーンってモンスターでも清らかな乙女に懐くのだろうか。



「シンリ、次のモンスターはどこだ。」
「ん~と。この先の左に曲った所にゴーレム2体居るよ。」
「じゃあ、次はそれを退治するぞ。さあ、シンリを運べ。」


 ウォルターに指示を出してまたお姫様抱っこされると走りながらモンスターの元に向う。
 僕はお姫様抱っこ中だからさほど疲れないけど、兄上はずっと走ったり戦ったりしてて疲れが見えないけど流石チートだなぁ。

 次は立場を交換してもいいかな?


「それだけは勘弁して。」
「あれ、呟いてた?」
「俺も嫌だ。」


 どうやら、心の呟きだったのに口から出てしまったようです。だけど、なんか僕も少しは戦いたい気分なんだよな。
 べ、別に揺れが凄くて休みたい訳じゃないんだからね。


「ボスで思い切り発散していいぞ。」
「本当に?じゃあ、もう少し頑張る。」


 ボスは僕が倒して良いらしい。
 早く、ボスが現れないかな。



 
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