73 / 245
記憶を求めて奥底に
僕の楽しい修行 2階だよ
しおりを挟む「コウラン皇子、ヘルプです!」
「傷一つ付けるなよ。」
皆さんこんにちは。ウォルターの修行中のシンリだよ。ただいま、ウォルターにお姫様抱っこされて敵の攻撃を避けている所です。
どうしてお姫様抱っこ中なのかって?
それはだね、ウォルターの筋力の無さと体力の無さがわかったのでそれの特訓だよ。
お姫様抱っこしたことがある人ならわかると思うけど、結構腕力と腰を反らない様に体幹?腹筋?も鍛えられるんだよ。
僕という重りもあるからただ攻撃を避けるより体力、兄上の睨みによる精神力も削られて大変な修行さ。
ただお姫様抱っこ中の僕があまりの揺れに気分が悪くなりそうなのが欠点だけどね。
あまりの居心地の悪さに腕にいた宵月は早々に兄上の腕に移動していた。
何度も落とされそうになるけどそのたびにコウにぃのドスの利いた声がかかり持ち直される。その上下の揺れに、攻撃を避ける左右の揺れ。突発に起こる飛びよけの振動。
ああ、気持ち悪い。
そうそう、我々はあの後地下への階段を見つけて、次のフロアに来ています。次のフロアはまさにイメージ通りのダンジョン。坑道の様な入り組んだ場所だ。
出てくるモンスターは今の所ゴーレムとカエルの様な姿のモノ。ドロップはまだ倒していないためわからないが、今兄上がカエル型のモンスターを始末していて、ウォルターが僕をお姫様抱っこしながらゴーレムの注意を引きつけながら、石礫の攻撃を避けている。
結構な重労働だろうに兄上の言葉に必死になっているウォルター。別に傷の1つや2つ気にしないけどそれはコウにぃが嫌なのだろう。
おっと、避けきれてない石がこっちに来るぞ。暗器で軌道をかえておこう。
コウにぃがカエル型のモンスターを始末し終えて、ゴーレムを一瞬で始末した。
その一瞬が終わるとウォルターが僕を地に降ろして、息を整える。その間に回復をかけて筋肉の超回復を促ことで筋肉を前より強化する。
「少しずつだけど筋肉と体力が増えて来たんじゃない?」
「そ、そう、です?」
「うん。安定性は最初に比べたらだいぶ良いし。」
「最初、吐いてたもんな。」
「吐いてないよ。吐きかけただけ。」
上の階で試した時は、すごい揺れに慣れないお姫様抱っこで我慢できずに吐きそうになった。その途中で下への階段を見つけたので降りてきたのだけど、その時とよりはマシになっている。
回復を終えたあと、あたりに散らばるドロップの品を拾う。カエルからは毒腺と皮、ゴーレムからはゴーレムの核が落ちた様だ。
「このダンジョンは上級防具の素材が落ちるようですね。」
回復したウォルターがそう考察した。
身体中汗だらけだが、エルフの血のおかげかキラキラとしている姿に、なんかイラァとくるな。
宵月はこのあとも同じ状況が続くからか戻ってこないので可愛らしい召喚獣に癒やされることも叶わないのが悲しい。
うじうじとしながら、ウォルターの考察を考えた。
確かに皮は防具に使う一般的な素材であり、核や水晶も防具に使われる。毒腺と角は属性と飾りかな。
それが上級なのかは僕では分からないが、防具だと言う意見は合っていそうなので、僕も賛成な感じだ。
「これらの防具の材料が揃えられるダンジョンなら、エリアボスと中ボスの予想はできる?」
「エリアボスはむずかしいですが、中ボスはユニコーンかと。」
「根拠は?」
ダンジョンには一定の階の場所にエリアボスがいる。そのボスは他のモンスターに比べて遥かに強く、倒さないと転移が出来ない結界も張られているときもある。その代わりドロップは破格のものが出るとか。
そしてさらに強いのが中ボスでダンジョンの中で最強なのがダンジョンボスとなっている。
エリアボスはダンジョンの階層によっては現れない事もあるのでいきなり強いモンスターと当たるといったことになったりする。
予想なんて立てる確証も無いのだが。
「うーん。根拠は無いけど、なんかこのダンジョン清浄な雰囲気を持っているんですよね。ということは聖なる乙女の味方のユニコーンかなって。」
清浄な空気ね。
魔神の愛子の記憶がダンジョンの核だからとかじゃないよね。
他のダンジョンに入ったことが無いのでどう雰囲気が違うのかなんて説明されても分からないし、ウォルターの意見は参考にさせて貰おう。
でも、ユニコーンってモンスターでも清らかな乙女に懐くのだろうか。
「シンリ、次のモンスターはどこだ。」
「ん~と。この先の左に曲った所にゴーレム2体居るよ。」
「じゃあ、次はそれを退治するぞ。さあ、シンリを運べ。」
ウォルターに指示を出してまたお姫様抱っこされると走りながらモンスターの元に向う。
僕はお姫様抱っこ中だからさほど疲れないけど、兄上はずっと走ったり戦ったりしてて疲れが見えないけど流石チートだなぁ。
次は立場を交換してもいいかな?
「それだけは勘弁して。」
「あれ、呟いてた?」
「俺も嫌だ。」
どうやら、心の呟きだったのに口から出てしまったようです。だけど、なんか僕も少しは戦いたい気分なんだよな。
べ、別に揺れが凄くて休みたい訳じゃないんだからね。
「ボスで思い切り発散していいぞ。」
「本当に?じゃあ、もう少し頑張る。」
ボスは僕が倒して良いらしい。
早く、ボスが現れないかな。
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる