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記憶を求めて奥底に
僕の楽しい修行 ダンジョンver
しおりを挟む「僕はフォローに回るね。」
美味しいエッグタルトを堪能しちょっとお昼休憩の後、手紙の内容通りにウォルターに修行をつけようか。
まずは何処までの実力を持っているか見ないとどう修行するか変わってきてしまう。
たぶん、先程の戦闘を見ている限り接近戦のパワー型だと思うからスピード、隠密型の僕より兄上が指導したほうが良いね。
皇子から直々のご指導なんて名誉なことだな。
大丈夫。怪我しても治してあげるから。
「そういうわけだから、今から5つぐらいのトラップ発動してモンスターを倒してこい。」
「え、あの。心の準備が‥…。」
「行ってらっしゃい。」
どーんとウォルターの背中を押すとウォルターがよろめき近くの罠に足を踏み入れた。直ぐに光りだす魔法陣は3つ。
出てきたモンスターはゴブリンのみ。
体制を崩していたウォルターが出てきたモンスターを見て、気を引き締めた様だ。大剣を構えて相手の動きを観察している。
ゴブリンがクキャクキャと何か鳴いているが、動かない。それを隙きだと感じたのか、ウォルターの大剣が横に凪ぐ。
その攻撃にモンスター1体が真っ二つになった。しかし、残りの2体が大きく凪いだ攻撃の合間に襲いかかる。
剣は大振りの攻撃でそのまま振りすぎた位置で止まっている。
だが、ウォルターは慌てた様子は見られない。襲いかかる2体の内1体に口から何かを吐き出して怯ませた。それはよく見ると、細かい針の様な物。
一緒に襲いかかった仲間がやられたのに気を持ってかれたもう一体は返し斬りで真っ二つに斬り伏せた。
最後に怯んでいたモンスターにたいしてとどめを刺す。
なんとなく危なげのある戦い方である。
「あの吹き付けたのはなんだ?」
「針ですよ。防具の手甲に仕込んであるんで、対峙する前に口に含んどいたんです。良い考えでしょう?」
戦いに卑怯も何も無いけど、暗器を使う僕でもやらないやり方だな。
なぜなら激しい戦いの中でそんなの保護器具無しに口に含んでいたら‥…。
パンッ
「いっへぇ!」
口元に攻撃を食らうと刺さるよね。
兄上の容赦ない平手打ちに口に残っていたらしき針が口内に刺さったのだろう悲鳴を上げるウォルター。
平手打ちで勘弁してくれているからそんなにダメージ無いんだよ。良かったね。
針、特に今使った細い針は全て吐き出すのは大変なんだから。拷問にはいいかもだけど。
「思いつきで仕込んどいたの?」
「格闘漫画が好きだという転生者の友人に聞いたんです。」
両頬を抑えて、シクシク言っているウォルターの所に行き、口の中を見せてもらい針を回収する。
これ良く見たら金属じゃん。
回復魔法をかけながら、まだ消えていないゴブリンの口に針を仕込む。
「もし敵が電気系統なら顔がハリセンボンになるよ?」
そう言ってゴブリンに向って電磁波を放つと剣山の様に頬から飛び出す針。
それを見て、もしかしたら起こっていたかもしれない可能性にウォルターが青ざめる。
有難うモンスターよ。危険性を分かりやすく示すことが出来たよ。彼は二度と針を口に含まないだろう。
「もうちょい考えるか、シアさんとかアキさんに相談しなよ。」
「と言われても、途中入隊のハグレモノなオレが皆の憧れシア隊長とか麗しのアキ先輩に話しかけると、周りの殺気が凄いんだよ。」
「じゃあ、そんな殺気が気にならないよう鍛えてやる。ほら、あと4回だ。」
そんな事情も想像通り。
治療完了の合図をするとコウにぃからの軽い殺気が飛ばされ次の罠の場所を指さされた。
次のトラップは2つ並んでいる。片方を踏んで驚いてもう一つ踏めばさらに敵が出てくると言うわけだ。
取り敢えず片方だけ踏んで戦ってもらおうか。
兄上の殺気も相まって青白い顔のままトラップを踏むウォルター。
トラップから出てきたのは4匹の角ウサギ。素早い動きにどうやって対応するのかな。
実地体験のときはウォルターなんて構っていられなかったし。
先に動いたのは角ウサギ。その瞬発力を発揮して素早く距離を詰める。それをウォルターは大剣を盾にして防いだ。
だけど、防ぐだけじゃ倒せないぞ。
と思っていたら素早い動きで角ウサギの首を掴みポキリ。懐に入られた角ウサギは全てポキリされてしまった。これは、ちょっと考え物だぞ。
僕と同じ考えなのか、コウにぃもため息をついた。
「ウォルター、何も言わないからあと3つ続けてやれ。」
「はい。」
「シンリは鑑定で様子を見ておけ。」
「わかった。」
まあ、その後は言わずもわかると思うけど、大振りな太刀筋と、困った時に出る素手。早く言えば剣に遊ばれていると言うことだ。
シアさんやアキさんは指導しないのかな。
たった5回を終えた時点で肩から息をして、顔中汗がびっしより。先の1回目は治療で少し休んだから実際は4回で息切れ。体力が無さすぎる。
騎士団は体力育成もしていたよな。父様が鬼事だって追いかけっこをしていたの知っているし。
大剣が合っていない?
でも大剣遣いってみたし。
***
ウォルター・エスメラルダ (20歳)
性別 男
種族 ハーフエルフ
魔力 20000
Level 56
称号 騎士団第5部隊 お調子者 老けた学生 大剣遣い(能力不足)
魔法属性 風 水 火
***
あ、能力不足って出てる。
さっきは出てなかったのか気づかなかったのか。
「兄上、ウォルターは能力不足です。」
「だろうな。大剣を使う筋力も体力も無さすぎる。」
「えええ。」
「筋力がないと振り切っちゃうからね。」
さあて、鍛えるべき物がみえたから鍛えようかね。
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