僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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記憶を求めて奥底に

僕とダンジョンめし

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あれからしばらくは罠を踏んではモンスターを出して、それを倒してはまた罠を踏んでを繰り返した。

 その結果、ここのフロアは罠を絶妙な位置に配置されている場所だとわかった。
 出没するモンスターはゴブリンと角ウサギ。
 ドロップはレアな白水晶を始め、ゴブリンの皮、ゴブリンの爪、角ウサギの角、角ウサギの毛皮の5種類。レアが共通なのがちょっと信じられなくて狩りまくったけど両方出てきたのは白水晶と呼ばれるものだった。

 このフロアにもし冒険者が入ったのなら階段を探すのに罠を踏んでモンスターを出して戦っていただろう。いやらしいところはその戦いの最中に別の罠を踏むときがあること。
 そういう場所に罠が仕掛けてあるのだ。



「でも、わかっちゃうと簡単なエリアだね。」
「そうだよね。踏まないとモンスター出現しないし修行としては便利かな。」
「これ、マップ屋はいくらで売るんだ?」
「マップ屋?」
「あれ、シシリー様は知らない感じ?」




 地図マップ屋はその名の通り、地図を作り売る仕事だ。ほら、ゲームとかで何でか誰も行ったことの無い場所の地図が手に入るのか疑問じゃない?
 実はこの世界では彼らマップ屋が活躍していた。誰も行かない所まで探索し地図を作る。新しい情報やダンジョンの情報を買い取り売り出す。

 このマップ屋のお陰で、造りたい武器防具の素材の場所が分かるので助かっているのだとか。

 ただし、マップ屋の信条として隠し通路などを知ってしまったら記憶を消すという事をしているらしい。


「それでも、闇堕ちする者も居るから王城の地図はが。透視も出来ないようにされている。」
「へえ。そんな職業があるんだ。」
「そんなマップ屋はこのダンジョン1階の情報は5万位払うと思うよ。」
「結構高いね。」
「モンスターを倒せるかは別として、罠の事を知ることで難易度がだいぶ下るからね。探査系のスキル持っていない限り引っかかるだろうし。」


 確かに、ゲームと違って死んだらそのまま終わりだから金でそれを回避できるに越したことはない。


「売るなら小出しで儲けてくるでしょうが、一年たったら冒険者ギルドで安く情報が聞けるようになるんで新人さんも安心ってね。」


 なんか特許みたいだね。


「おい。お腹が空かないか?」
「兄上ってば唐突ですね。でも、そうですね。もうお昼は過ぎてますからちょうどいいかな。」
「待ってました!」


 時計を見たらもうすでに昼の時間は過ぎていた。常に明るいからやっぱり感覚が鈍るな。
 空間魔法でじゃが芋とベーコン、ミルクとチーズ、調味料や器具を取り出すとファイアーボールを宙に浮かせて鍋をセット。

 シャガ芋を太めの千切りにしてバターを敷いた鍋に、入れ軽く炒める軽く透き通ったらベーコンを入れてお好みに炒めたらミルクを入れる。
 じゃが芋のデンプンでとろみがついたらチーズを載せて、別に作ったファイアーボールで炙りフランスパン を切り分ければ完成。

グラタンもどきとパンと言う簡単だけど美味しく腹に貯まるメニューの出来上り。

 じゃが芋のホクホク感にベーコンの塩気、ミルクとバターのコクがちょうどよくて、チーズの焦がしもちょうど良いな。
 下手に調味料を使わないから失敗もないしね。あえて足すなら胡椒でピリとした締りを入れても良いかも。

 美味しくもぐもぐしていると、なんか輝くしずくが落ちるのを見た気がする。


「まさかダンジョンでこんな美味しい物が食べれるなんて。」
「ウォルター、もしかして泣いてる?」
「大袈裟な。」
「コウラン皇子は分かってないな。ダンジョンはモンスターが消えてドロップが現れるから現地調達が出来ない。だから、長持ちする干し肉と硬いパンばかり、先を考えて食べないときもあるからこんな温かい料理が遠慮なく食べられるのは幸せなんですよ。」


 そういうものなのか。
 人形の国ではバルスさんが食材を持ってきてくれたし、隣国には各自空間魔法を持っていたからな。
 そうか、持ってない人や容量が少ない人が結構いるんだね。それは大変だな。


「もしかして運び屋とか儲かるかな。」
「冒険者がてらか?」
「うん。こうやってダンジョンの攻略の人にお弁当売るのもいいよね。」
「何の話ですか?」
「王族からぬけた後の話し。」
「えっ?」


 『王族から抜けるの?』という叫びに、もうすぐその発表が有ることも含めて教えてあげる。まだ秘密ダヨ?
 今の所唯一継承されると思われる第三皇子に様々なヘイトが行かないようにと、年齢的に皇帝陛下が養われておけという事でまだしばらくは王族ではいるけどね。


「学園の皇子狙いの女子のショックな顔が今から楽しみ。」
「悪趣味。」
「最低ぇ。」
「だって、護衛オレを利用して皇子に近づこうとしている奴が多くてさ。」


 ウォルター本人狙いも多いと思うけど。


「オレだって、貴族だったので下心はわかるつもりです。」
「貴族だった?」
「オレ、別の国から身一つでこっちに来たんですよね。それで、寮もあって給金の出る騎士団に入ったんです。」
「へえ。」


 じゃあ、その別の国の貴族だったんだ。
 そういえば、バルスさんにデザート貰っていたんだよな。

 ウォルターの話を聞きながら、空間魔法に納めてあったバルスさんお手製エッグタルトを取り出す。その際に一緒に入っていたと思われる手紙が、落ちた。エッグタルトを安全な場所に置いて手紙を見る。


「コウにぃ、なんか面白い手紙があるけど。」


___

 コウラン皇子様、シンリ様


 ウォルター・エスメラルダは騎士団に諸事情で二年前途中入隊した変わり者です。
 なので経験も浅いですし、技能も突破しているわけではございません。
 なのでこの機会に鍛えてやってください。

 護衛?
 お二人のほうが遥かに強いのですから大丈夫です。コウラン皇子が彼を連れて行ったのも数合わせでしょうし、お願いします。

 
 ユーシア、  アキンドより

_____


「ほう。」
「このお願いは叶えなくちゃね。」


 僕とコウにぃの目がウォルターを捕らえる。



 

 
 
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