僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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記憶を求めて奥底に

僕とドロップの素材

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 いつまでも、入口付近にウロウロするわけには行かないので、草原をのんびりと歩き出す。
 ダンジョンなのでどこかしらに下に降りる階段があるはずなのでそれを探さなくてはならない。


「だけど、見渡す限り草原なんだよね。」
「だよね。オレもこんなダンジョンは初めて見るわ。」
「モンスターってどうやって遭遇するの?」
「ダンジョンに彷徨いててばったり遭ったり、気配で見つけて奇襲したりされたり。」


 そこらへんも、よくやっていたRPGと似ている。
 もっとも某ゲームは草むらからモンスターが現れて来るんだけど、普通は草むらの隙間から見えるよね。

 右を向いても草原、左を向いても草原。コウにぃを見るとちょっとガッカリしているように見えた。
 ダンジョンに潜る時楽しみにしてたもんね。


「実は幻術に掛かっていたりして。」
「3人の意識は繋げて?それってとてつもない高等テクニックだよ。」


 そもそも、意識を繋げる利点はないし幻術なら僕が分からないわけがない。

 てくてくとに歩いていく内にこのフロアには太陽が無いことが分かる。ということは、夜が来ないのかもしれない。
 休憩を挟むにしても時間を目安として行わないと。気付いたら長時間行動していたとかありそうだし。


「シンリ、フラフラ歩いてどうした?」
「ん?」
「オレも思った。まっすぐじゃなくてくねくね歩いてた。先頭にいるからオレらもつられてくねくね歩いているけど。」
「あれ?」


 振り返るとカルガモの親子もといRPG行列の様に僕、コウにぃ、ウォルターの順番で歩いていた様だ。そして、その後に通ってきた道筋が出来ていて、確かに何かを避ける様にジグザグして歩いている。
 無意識だった。


「あ、ここの地面トラップらしきものがあるんだ。」
「ほう。」
「無意識に避けていたみたい。」


 よく見たらそこら中にトラップが派生している。どうやらだいぶ身体が魂に馴染んできているようだ。前世でもまるで息をするように肌で雰囲気で感覚で罠を避けていた。どうやるんだと聞かれても説明できない特能なんだよな。

 何も無い草原エリアに多数のトラップ。それが意味するのは一つだけ。

 目の前にあるトラップに足を伸ばす。
 それを兄上が止めてくる。そして目線でウォルターを動かすと、ウォルターがトラップに足を踏み入れた。


「あ、反応した。」


 足を踏み入れると同時に魔法陣が展開された。
 光ががやく魔法陣は5つ展開されている。そしてそれぞれからゴブリンと呼ばれる種族のモンスターが現れた。本来なら目がきょろんとしていて可愛らしいのですが、モンスターのゴブリンは白目で唸る、理性の無い野獣である。

 出てきた5体はそれぞれ弓や棍棒をもっていて、こちらにいつでもかかってきそうだ。

 早々にアーチャーは退出してもらおうかな。


 しゅるりと暗器を一瞬だけ発動して命を奪う。
 そして、くるくると双剣を鞘から引き抜き構えた。それは傍目からは双剣を抜いたと同時にモンスターが倒れたように見えただろう。

 驚いた様子のウォルターだが、直ぐに我を取り戻し得物を兄上は長剣、ウォルターは大剣を取り出す。



「実地の時も思いましたが動きに迷いが無い。慣れています?」
「いやだなぁ。言わなくても分かるでしょ?」


 残り、4体。

 残りのゴブリンは接近戦の武器ばかり持っていて、今の攻撃で何が起こったのか分からないで戸惑っているようだ。

 そのすきに鑑定をさせていただきましょう。


***

ゴブリン(召喚モンスター)

Level:15
 
***


「モンスターのレベルが15あるけど他のダンジョンと比べてどうなの?」
「鑑定持ちなんだ。シシリー様ってば本当に凄いね。ダンジョンの一階でレベル15は下の上かな。何階あるかはわからないけどなかなかの難易度だよ。普通の学生じゃ死んじゃうよ。」


 いままであまり、レベル概念が無かったけどこういうところではレベルが出るんだ。前の時は自分のレベルは出なかったし。
 ふと自分と兄上を鑑定するもやはりレベルが表示されずに首をかしげた。
 
 あれ、レベルが出ないんだけど。

 次にウォルターを鑑定する。


***

ウォルター・エスメラルダ (20歳)

性別 男
種族 ハーフエルフ
魔力 20000
Level 50

称号 騎士団第5部隊 お調子者 老けた学生 大剣遣い

魔法属性 風 水 火
 

*** 


 あ、レベルが出た。
 と言うことは僕とコウにぃだけ何かしらの事情で出ないと言うことなのかな。
 
 それよりも気になってしまったのは


「ウォルターってハーフエルフだったんだ。」
「あ、勝手に見ましたね。駄目だよプライベート侵害だ!」
「ごめんね。」
「うっ、可愛いから許す!」
「よそ見してないでヤレ。」


 この顔はやっぱり便利だな。
 さて、兄上に呆れられる前に倒してしまおうか。


「僕、後ろのヤツ2体殺ります。」
「じゃあ、俺は前の左な。」
「では、残りはオレと。」


 掛け声もなく三人三様に動き出す。
 僕は前の2体の間を抜け後ろの2体の首をその勢いのままに掻き切る。
 血が1、2秒ほど吹き出したあとに身体が地面に倒れてどくどくと血の海が広がる。
 背後を振り返れば、コウにぃも首を跳ね飛ばし、ウォルターは胴を真っ二つにしていた。

 モンスターの遺体がしばらくするとエフェクトに包まれて後には2つの水晶の様な石と3枚の緑色の皮が残されていた。

 これがドロップされた素材かな。


「珍しい。この宝石はレア素材だよ。」
「へぇ。」
「意外と簡単に倒せるな。」
「それは、お二人だからだと思う。規格外だよね。」


 それは自分たちも感じているよ







 
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