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記憶を求めて奥底に
僕のダンジョン体験
しおりを挟む学園長に案内された門から入ったら、そこは異世界でした。
なんて言葉が当てはまりそうな場所が目の前に広がっている。門までは普通の学園の敷地だったのに、門を開けたらそこには緑豊かな草原が広がっていたのだ。
想像していたのは洞窟の様なダンジョンだったのに、そこはまるで外に繋がっているように広がる草原と青空。
授業で習ったのも洞窟が多いと書いてあったけど、森のようなものもあるとも書いてあったしこんな草原もあるか。
ダンジョンってこんな感じなのかとちょっと驚きと予想外のがっかりと感動を噛み締めていたら、僕以上に驚きをしているのが一人。
「こんなのダンジョンじゃない、ですよ!」
「どうしたのさウォルター。」
「こんな晴れやかなお外の様なダンジョンなんて聞いたことがないです。大体は薄暗い洞窟で、たまにフロアに森があるだけなんだよでございます。」
お空なんて普通は無いですから!
そんな叫びをして頭を抱えているのはウォルター。初めてのダンジョンなのでこんなこんな感じのものなのだと思っていたけどやはり違うのか。
まさに異世界に来てしまった感がある開放感だが、一応学園の地下であっているよね。
「転移した感じはしないから地下で間違い無いだろう。」
「地下に青空って不思議な感じだね。」
「お二人共、場所を見る限りここのダンジョン核はどうやら特殊のようです。気をつけないといけませんよ。」
ウォルターの言葉は御尤もなんだけど、その核は僕の記憶何だけどね。特殊は特殊か。まさかダンジョンを生成するとは思わなかったし。
「では、ダンジョン初心者のお二人にダンジョンの説明をしましょうか。」
ダンジョンとは一説に魔神様が人々にドロップという祝福を与えてくれるための試練である。ダンジョンによって特色が異なり、火の素材がが多く出たり何かしらの強力な素材が出たりなど様々である。
しかし、共通点があり地下に進むほど敵が強くなっていき、ドロップするものも良いものが多い事やドロップにも確率がありレアな物がたまに出たりなど。
そして、何より核を破壊すると消滅する。
以前、とある国境の境目にダンジョンができてしまい争奪戦になった事があった。それにより戦争にまで発展してしまった為に、嘆いた魔神様が遣わした勇者によって核を破壊し消滅させた。それ以来、ダンジョンが国境の境目に出来た時は共同で管理をする事に決めてからは消滅する事はほぼなくなったらしい。
因みにドロップしたものはドロップさせたパーティーの物になる。一定時間取らずに放置するとダンジョンが吸収してそのものが消えてしまうなどもわかっているが、まだまだ謎多き場所がダンジョンなのだとか。
今までで最も長かったダンジョンは999階であり、短い時は5階も無いとの事である。ドロップの系統は決まっているが、稀に系統が混ざったダンジョンも現れる事もある。
古く、人があまり寄り付かないダンジョンは核を壊さなくても消える事がある。恐らく魔神様が不要だと判断されたのではないかな。
「とまあ、こんなものです。ここは何階まであるかは分からないけど、未だに誰も入ってなさそうだし、慎重になるべきでしょ。」
「取り敢えず、ウォルターの話によるとこの階層はモンスターが弱いはず。慣れるには丁度良いんじゃないの?」
「弱いと言ってもこのダンジョンではですよ。ダンジョンにもピンからキリまでありますから。」
ウォルター曰く、ダンジョンにも初心者向けやベテラン向けの物など多彩だそうだ。
初心者で有名なところは北の方にあるダンジョンで、ベテランでも攻略が難しい、ギルドのマスタークラスが修行で入る様な場所は本物の魔王様の領土にあるのだとか。
特に魔王領土のダンジョンはドロップアイテムが、良いものばかりらしく、無謀に挑んでくる愚か者もいるらしいが困った様子の魔王様に届けられて来るのだそうだ。
いや、魔王様よ。そこは部下にやらせれば良いじゃん。
え、魔王様しか長距離を飛んでこれるのがいない?
確かに長距離を飛ぶということは僕や兄上でも難しい。なぜなら見知らぬ地の情報が少なすぎるからだ。座標や状態、距離計算などを頭でして飛ぼうと思えば飛べるのだが結構難しい。一度行ったことが有れば大丈夫だと思うのだけど。初めての場所に行くのは想像がつかない。今度、魔王様にお会いする機会があれば詳しい話でも聞きたいな。
でも魔王様は本当に人間より優しすぎないか?
わざわざ、ダンジョンを見回る係でもいて、回収して送ってきてくれるんでしょう。
「確かに、帰ってきた者達は健康状態がすこぶる良かったと聞いております。まあ、纏めて返して来ますけどね、です。」
「それだけ無謀な人がいるんだね。」
「そうでございますね。」
「‥…ウォルター、なんか言葉が胡散臭いよ。」
僕の言葉にうグッと言いよどむウォルター。
「‥…て‥…ですよ。」
「はい?」
「不真面目だったのバレてアキ先輩にフルボッコされたんですよ!」
「アキさんに?」
どうやら、ウォルターはシアさんが団長を勤める第5部隊のメンバーらしく、あのおちゃらけた感じで接してるのを、どこからか(たぶんシアさん。)聞いたアキさんが演習場に呼び出してボコボコにしたらしい。
確かにアキさん、僕達に対して雲のような人の扱いだもんね。そんな存在にチャラいやつが自分より仲よさげに居たのが気に食わなかったのかな。
「帰ったら、アキさんに伝えとくから、言葉遣いをもどして。」
「マジで?」
ウォルターも普通になったのでそろそろダンジョンの攻略といきますか。
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