僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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記憶を求めて奥底に

僕とダンジョンボス

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 ウォルターは嫁入りした姉とその娘さん(姪)のために、シシリーの事を調べていたみたい。結局掴めたのは僕が男と言うことと、兄の様に慕っている(ある意味兄弟なんだけどね。)と言うこと、物凄く強いと言うことだけだったらしい。あまり弱点とは言えないよね。
 しかも恐らく予想するには、このダンジョンから帰る頃にはそこら辺の状況は変わっているはず。

 なぜなら父様と皇帝陛下がとてつもなく張り切っていたし、母様も動くみたいだし。

 それにネイキッドの父親はまともな人だからこの話を聞いたら、どうにかしようとするでしょう。
 親殺し?
 ネイキッドがあの人を殺すなんて無理。実力差があり過ぎるから。



「僕は兄上を危険に晒したウォルターを許さない
「え、コウラン皇子様危険だった?」
「‥…裏切り者が一緒だったろ?」
「いやいや、あの人なら素知らぬ顔して危険を退けるしりぞけるだろ。オレなんか指先一つでどうにでもなる。」



 まあ、その言葉に共感しか沸かないので言葉が詰まってしまった。
 コホンと咳をして変な空気になりそうな所を誤魔化して話を戻そうとしたが、ウォルターが言葉が詰まった僕に『ほら見ろ』と言うような目線を送ってきてウザい。


「とにかく。今回の件は許さないけどこれからの行動次第では考えてあげるよ。」
「行動次第?」
「特訓もだいぶ身についただろうから、その成果を見せてよ。」


 此処と言うときに僕の背後のとあるドアを指差す。その扉は僕達が小人に見えるほど大きく、鉛色に輝いていて重苦しい雰囲気をかもちだしていた。

 この雰囲気を説明しただけでここがどこか分かりやすいだろう。そうダンジョンボスの扉の前です。

 直ぐ側には階段があって上に戻ればセーフティルームだったりします。因みに宵月も人型で側に居ます。
 だけど、ウォルターの僕への行いに憤慨しているようで、とてつもなく殺気立てて睨みつけてた。


 僕としては上でウォルターを一発殴っておいたからそのまま許しても良かったのだが、そんな簡単に許したらその人のウォルターのためにはならないからね。修行成果も見れるし一石二鳥。
 ウォルターに聞こえない所で、兄上にお前は甘すぎるって怒られたけど、兄上も結局許すのでしょうに。



「成果って言っても‥…。」
「最初に比べたらだいぶ変わっている強くなったと思うよ。きっと今なら楽しくなってくるから。」
「だけど‥…。」
「『ぐだぐだとみっともないな。ボスに一撃でも食らわせられたら許す事にしたらどうだ?』」
「オッケー、それで行こう。」



 一撃でも当てられたら許してあげるし、むしろちょっとした褒美もあげるよ。
 大丈夫死なせることはしないから。
 何時までも駄々こねると一人で向かわせるからな。



「‥…はぁ。わかった。」
「じゃあ決まり!さあ、扉を開けようか。」
「おう。」



 緊張のある声で返事をしたウォルターは大剣を両の手で握り、扉の前で構える。
 本当は扉を開けるのもやってほしかったけどそれくらいは僕がやってもいいか。


 よいしょと扉を押しやるとギギィとこのダンジョンに来てから何度も聞いた扉の開く音で、ゆっくりと土埃をたてながら扉が開く。不思議と重いとか出はなく、音に反して簡単に開く。
 
 
 部屋は1階のときの様に青空が広がり、青々とした植物が部屋の中一杯に広がっている。箱庭と言うなが頭をかするがそれにしては広々とした雰囲気をもっていた。


 そんな部屋の中には一人の中年の姿をした人が微笑みながら立っていた。
 それは紛れもなく僕にとってもコウにぃにも懐かしい顔だった。

 なんと目の前に現れたのは前世での僕だった。 



『おやおや、こんなところにお客さんなんて来るとは。』


 とはいっても恐らくは、ダンジョンの核になった僕の記憶の欠片から創られた偽物だと思うけども。

カラスのような黒髪に黒曜石の様な瞳、良く儀式のときに着ていたこれまた漆黒の狩衣を身に纏いその手には弓が、背中には刀が装備されている。
 今更ながらにこの姿を客観的に見ると中二病だよな。開放されているダンジョンじゃなくて本当に良かった。恥ずかしいじゃん。

 不思議なことに前世と今の顔たちがそっくりなのは魂のおかげか。
 成人しているのに少しだけ高い声色は、録音の声に似ているがあのときの僕そのものだ。顔も童顔、可愛らしいから実年齢より若く見られてたな。
 中年だとわかったのもきっと僕だけかも知れない。多分40は超えてたときの姿だよな。
 僕の記憶の欠片から出来ているから記憶の中の場所に、あった中年その姿を作るのは分かる。人形の国でのもそうであったし。



「こんにちは。大切な物記憶を返して貰いに来たよ。」
『まだ、彼らを欲する人が居るのだね。』
「ウォルター!」


 残念だ。
 そう唇が動いたと思ったら、弓が横向きになり矢が数本放たれた。
 その動作には迷いが無いのは彼が記憶からの存在で、核を守っているからだ。記憶だからと僕が弱い訳はないんですけどね。

 

ダンジョンボスはまさかの僕(前世)だとは。とても戦いにくいです。







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