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王道?邪道?乙女なアレ
私は当然の結果にただ微笑む
しおりを挟む総合1位:コウラン・A・フェーレス
同位:シシリー・ディーレクトゥス
先日のテストの結果がテストから3日後の昼に掲示板に張り出された。前世の記憶を持っているので当然ながら予想通りの順位に少しつまんなくも感じるが、頑張っている生徒もいるので無言を貫いていると、遠くの方からがやがやと騒がしい団体さんが現れたようだ。
そう、カリナとその攻略者達である。前とは少しメンバーが変わっているが相変わらずカリナをニコニコとさせているようだ。団体の後ろの方で惶麟がウィンクして挨拶をしてくるも、カリナに見られる位置で返すわけには行かないので無視をする。
カリナは私を見かけると、せっかくの可愛らしい顔を歪め笑いブローチを自慢気にこっちに見せつけてくる。
そのブローチの石のが何となくくすんでいるように見えて、顔を曇らせるとその行動が別の何かと勘違いしたカリナが勝ち誇ったように鼻を鳴らした。
「カリナ嬢は今回何位かな。君は優秀だから飛び級制度で僕と同じ学年になれば良いのに。」
「一緒のクラスならそれは楽しそうですね。」
「え~、先輩になっちゃヤダ。」
「あら、ハイネも飛び級しちゃえば変わらないわよ。」
あそこの集団だけ花が飛んでいそうな感じで他の生徒も引いている。カリナは転生者と分かっているのでテストでも上位に入ってきているのに不思議はない。
彼女に飛び級を薦めているのは、優しい先輩のルイス・リチャード・カルロ。
前に婚約者を泣かせていた下衆です。
飛び級に文句を言っているのはハイネ・クロア・テクノ。
一応、クラスメートです。
他にも何人か連れてはいるが、この二人は常に一緒に居る気がします。
「あ、コウラン殿下が1位ですよ。凄い!」
「王族なんですからそれぐらい当然だろ。」
「カリナも5位なんてすごいじゃん。」
「そうかしら。」
先頭にコウにぃの名前を見つけたカリナは大はしゃぎ。そんな彼女の姿にむっとしたような不機嫌な雰囲気を撒き散らす不良ワンコが居る。
彼も最近、彼女とつるんでいるのを良く目撃されている。
どうやら、夏休みの時に助けてくれた男の様だ。
ノエル・ベリア・アーカイブなんて顔に似合わず可愛らしい名前の男です。
彼女達の三文芝居は、特に興味は無いので今日の護衛として付いてきた玄樹と共にコウにぃの所に向かおうとしたら、カリナが話し掛けて来た。
「シシリー様も1位なんて凄いですね。」
「ええ。」
「そういえば。最近、ユダ様を借りてごめんなさいね。」
まさか惶麟は名前を呼ばれるのが嫌だからとユダを使うとは。これはカリナへのヒントだったりするのかな。どの世界でもでもユダは優しいけど裏切りの象徴だからね。
惶麟が最近護衛対象の私よりもカリナを優先しているのがお気に入りのようだ。名前の意味合いもそれで飛んじゃったかな。
きっと1位である事で話しかけるのもこの状態の優越感を感じたいのでしょうね。
「いえ。他の者たちが護ってくれますし、私にはコウ様がおりますので。」
「なっ。そうやって独占欲が強いと嫌われますよ。」
「ふふ。独占欲が強いのはコウ様ですから。」
「遅い。」
「ほら。」
惶麟がいなくても別に平気だよ。
みたいな態度でコウにぃの事を話しに出せば突っかかってくるわ突っかかってくる。惶麟もショボン顔しているし思わず笑いそうになってしまった。
タイミングよく視界の端にいたので更に煽れば、兄上は心得たとばかりに私の背後から抱きしめる様に擦り寄って来た。
うーん。同年代の男達より良い身体しているし、いい匂いもするし、様になってるわ。
突然現れたコウにぃに、周りが一瞬で空気が変わる。人によっては礼をしている者もいる。
「順位見たのなら行くぞ。」
「コウ様は見ないのですか?」
「どうせ1位だ。」
その通りなんだけどね。
どうせと言うのは駄目ですけど。
「ほら、昼食に行くぞ。」
「今日は食堂で食べる予定なんですけど。」
「彼奴等とか。」
新人歓迎会で貰った学園長特性のお食事券があるので、今日はアンナ達と食堂の予定である。
兄上なら別に有料だろうと気にしないのでよくついてくる事も多い。だけど、今日のこの顔は何か食べたいものがある顔だ。しかも、食堂に無いものねだりする気だ。
「甘い物が食べたい。」
「あ、でしたら私のクッキーが‥…。」
「ホットクが食べたい。」
「はぁ?」
後ろから抱きしめる形のまま、体重を掛けてくるコウにぃを支えて、カリナを無視して明らかに普通に手に入らない物を注文してくる。
カリナの素っ頓狂な声が聞けたのでしょうがないので作ってあげよう。
材料はどうにかなるけど少しだけ食堂の厨房を借りることになりそうだな。
じっとこちらを見てくる玄樹も食べたそうだ。
「分かりましたわ。では、食堂に行きましょう。」
「おう。」
「あ、あの。」
私も一緒にと言おうとでもしたのか一歩進んだカリナを、目で制しとめれば先程までの優越感はどこに行ったのか、ギッと音でもしそうな目つきでこちらを睨みつけてくる。
その後ろでただ彼女を心配するような男達はこの顔は見ていないのだろうか。
あんな怖い顔。千年の恋も一気に醒めるわよ。
ここまで怒らすのも計画通りだったりする。
フフとくちびるが自然と弧を描く。
これで、他の女の子には手出ししないで私にだけやるでしょう?
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