僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

文字の大きさ
92 / 245
王道?邪道?乙女なアレ

私は当然の結果にただ微笑む

しおりを挟む



  総合1位:コウラン・A・フェーレス
          同位:シシリー・ディーレクトゥス



 先日のテストの結果がテストから3日後の昼に掲示板に張り出された。前世の記憶を持っているので当然ながら予想通りの順位に少しつまんなくも感じるが、頑張っている生徒もいるので無言を貫いていると、遠くの方からがやがやと騒がしい団体さんが現れたようだ。

 そう、カリナとその攻略者達である。前とは少しメンバーが変わっているが相変わらずカリナをニコニコとさせているようだ。団体の後ろの方で惶麟がウィンクして挨拶をしてくるも、カリナに見られる位置で返すわけには行かないので無視をする。

 カリナは私を見かけると、せっかくの可愛らしい顔を歪め笑いブローチを自慢気にこっちに見せつけてくる。

 そのブローチの石のが何となくくすんでいるように見えて、顔を曇らせるとその行動が別の何かと勘違いしたカリナが勝ち誇ったように鼻を鳴らした。



「カリナ嬢は今回何位かな。君は優秀だから飛び級制度で僕と同じ学年になれば良いのに。」
「一緒のクラスならそれは楽しそうですね。」
「え~、先輩になっちゃヤダ。」
「あら、ハイネも飛び級しちゃえば変わらないわよ。」


 あそこの集団だけ花が飛んでいそうな感じで他の生徒も引いている。カリナは転生者と分かっているのでテストでも上位に入ってきているのに不思議はない。
 彼女に飛び級を薦めているのは、優しい先輩のルイス・リチャード・カルロ。
 前に婚約者を泣かせていた下衆です。
 
 飛び級に文句を言っているのはハイネ・クロア・テクノ。
 一応、クラスメートです。

 他にも何人か連れてはいるが、この二人は常に一緒に居る気がします。
 

「あ、コウラン殿下が1位ですよ。凄い!」
「王族なんですからそれぐらい当然だろ。」
「カリナも5位なんてすごいじゃん。」
「そうかしら。」


  先頭にコウにぃの名前を見つけたカリナは大はしゃぎ。そんな彼女の姿にむっとしたような不機嫌な雰囲気を撒き散らす不良ワンコが居る。
 彼も最近、彼女とつるんでいるのを良く目撃されている。
 どうやら、夏休みの時に助けてくれた男の様だ。

 ノエル・ベリア・アーカイブなんて顔に似合わず可愛らしい名前の男です。


 彼女達の三文芝居は、特に興味は無いので今日の護衛として付いてきた玄樹と共にコウにぃの所に向かおうとしたら、カリナが話し掛けて来た。


「シシリー様も1位なんて凄いですね。」
「ええ。」
「そういえば。最近、様を借りてごめんなさいね。」


 まさか惶麟は名前を呼ばれるのが嫌だからとを使うとは。これはカリナへのヒントだったりするのかな。でもユダは優しいけど裏切りの象徴だからね。

 惶麟が最近護衛対象の私よりもカリナを優先しているのがお気に入りのようだ。名前の意味合いもそれで飛んじゃったかな。

 きっと1位である事で話しかけるのもこの状態の優越感を感じたいのでしょうね。


「いえ。他の者たちが護ってくれますし、私にはコウ様がおりますので。」
「なっ。そうやって独占欲が強いと嫌われますよ。」
「ふふ。独占欲が強いのはコウ様ですから。」
「遅い。」
「ほら。」


 惶麟がいなくても別に平気だよ。
みたいな態度でコウにぃの事を話しに出せば突っかかってくるわ突っかかってくる。惶麟もショボン顔しているし思わず笑いそうになってしまった。
 タイミングよく視界の端にいたので更に煽れば、兄上は心得たとばかりに私の背後から抱きしめる様に擦り寄って来た。
 うーん。同年代の男達より良い身体しているし、いい匂いもするし、様になってるわ。
 突然現れたコウにぃに、周りが一瞬で空気が変わる。人によっては礼をしている者もいる。


「順位見たのなら行くぞ。」
「コウ様は見ないのですか?」
「どうせ1位だ。」


 その通りなんだけどね。
 どうせと言うのは駄目ですけど。


「ほら、昼食に行くぞ。」
「今日は食堂で食べる予定なんですけど。」
「彼奴等とか。」


 新人歓迎会で貰った学園長特性のお食事券があるので、今日はアンナ達と食堂の予定である。
 兄上なら別に有料だろうと気にしないのでよくついてくる事も多い。だけど、今日のこの顔は何か食べたいものがある顔だ。しかも、食堂に無いものねだりする気だ。


「甘い物が食べたい。」
「あ、でしたら私のクッキーが‥…。」 
「ホットクが食べたい。」
「はぁ?」


 後ろから抱きしめる形のまま、体重を掛けてくるコウにぃを支えて、カリナを無視して明らかに普通に手に入らない物を注文してくる。
 カリナの素っ頓狂な声が聞けたのでしょうがないので作ってあげよう。
 
 材料はどうにかなるけど少しだけ食堂の厨房を借りることになりそうだな。

 じっとこちらを見てくる玄樹も食べたそうだ。



「分かりましたわ。では、食堂に行きましょう。」
「おう。」
「あ、あの。」



 私も一緒にと言おうとでもしたのか一歩進んだカリナを、目で制しとめれば先程までの優越感はどこに行ったのか、ギッと音でもしそうな目つきでこちらを睨みつけてくる。
 その後ろでただ彼女を心配するような男達はこの顔は見ていないのだろうか。
 あんな怖い顔。千年の恋も一気に醒めるわよ。


 ここまで怒らすのも計画通りだったりする。
 フフとくちびるが自然と弧を描く。

 これで、他の女の子には手出ししないで私にだけやるでしょう?






 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!

ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」 ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。 「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」 そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。 (やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。 ※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシェリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

気絶した婚約者を置き去りにする男の踏み台になんてならない!

ひづき
恋愛
ヒロインにタックルされて気絶した。しかも婚約者は気絶した私を放置してヒロインと共に去りやがった。 え、コイツらを幸せにする為に私が悪役令嬢!?やってられるか!! それより気絶した私を運んでくれた恩人は誰だろう?

ねえ、今どんな気持ち?

かぜかおる
ファンタジー
アンナという1人の少女によって、私は第三王子の婚約者という地位も聖女の称号も奪われた 彼女はこの世界がゲームの世界と知っていて、裏ルートの攻略のために第三王子とその側近達を落としたみたい。 でも、あなたは真実を知らないみたいね ふんわり設定、口調迷子は許してください・・・

処理中です...