僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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王道?邪道?乙女なアレ

私と愉快なお食事

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「シシリー、カリナ様を虐めましたの?」
「虐め?してないですよ。」
「そうですよね。」


 待ち合わせの約束をしていたアンナ達より早く着いてしまったので、コウにぃを引き剥がして食堂の厨房を借りれないか相談してみた。初めてみる料理が見れるということで料理長は心良く受け入れてくれて、要望のホットクを大量生産して皿に載せれる物は載せて他を空間魔法で保管する。
 きっと朱冥や白夜も食べたがるだろうし、惶麟も羨ましそうに見ていたからな。

  少しだけ厨房を借りたお礼として残して、待合せ場所に行けば、出会いざまにアンナはそんな話をしてきた。

 私が素直にそう話せば、『そうですよね。シシリーがそんなことするわけないわ。』と信じてくれる。
 取りあえずホットクをテーブルの上に置いて自由に食べて貰うようにしたあと、食事を注文して待つ間にその虐めという経緯を聞いてみよう。


「ちょうど私達はテストの結果を見に行きましたの。」
「うん。」
「そしたらカリナ様が‥…。」


 カリナは私に負けたような感じになったのが許せなかったようだ。コウにぃに差し出そうとしたクッキーの入っと袋を手に持って身体を震わせてホロホロと涙を溢したそうだ。
 それに慌てたのは攻略者達。
 慰め、目を少し離したすきに何があったのか尋ねる彼等にシシリーが殿下にクッキーを渡そうとしたら阻止して、挙句の果てに男爵風情がと罵ったと。慰めようとしてくれた殿下の邪魔をして連れて行ってしまった。
 その話を聞いて『何と我儘な女だ。』と憤慨した攻略者達は私が下位貴族に対して虐めをしていると喚いていたらしい。

 それを聞いて白ける者も彼らと同じく憤慨する者も、私ごそんな行動をすることに驚く者もいて少しだけ掲示板前がカオスになっていたとアンナが言う。

 というか、攻略者共よ目と鼻の先の出来事を見逃すなよ。


「私は何もしてないわ。」
「そうですよね。寧ろそんな事を言っている方が居たら怒るはずですもの。」
「大丈夫。カリナ様の話しを信じている人はほんの一割も居ないから。」
「多少は居るのですね。」


 カリナを信じているのは彼女の虜の奴らや私を追いやってコウにぃの隣に居座りたい令嬢かな。

 食事、本日はグラタンを目の前に運んでもらい美味しそうな湯気と匂いに手を合わせる。
 スプーンを焦げ目の程よい白いチーズに突き刺せば、更に濃い目の湯気が上がる。

 マカロニとソースを共にスプーンを乗せて、フーフーと湯気を吹き飛ばすように吹いて、程よく冷ましたら口に入れる。トロトロで玉ねぎの甘さも丁度いい。


「はあ。ほいひい。」
「美味しそうに食べますわね。次は、私もグラタンにしようかしら。」
「コウ様もどうぞ。」
「ああ。」


 スプーンに乗せたグラタンを今度はコウにぃに差し出せば、ホットクにかぶりついていたコウにぃがパクリとスプーンを咥えた。周りからきゃあと黄色い声が上がる。
 こういうときって餌付けしているようで楽しいよね。


「仲が宜しいようで良かったですわ。」
「うん。一時期、コウラン皇子がカリナ様に落ちたって噂が出たよね。」
「ブローチのせいかな。」
「そうそう。カリナ様にだけ高そうなプレゼントをわたして、とうとう、我らが皇子も墜ちたかっ。ってなっていたね。」


 その話に、コウにぃの眉間のシワが深くなる。だから嫌だったんだとでも言いたげな目線に、今思えば渡すだけなら徨麟でもよかったかも。
 そっと視線をそらす。


「最近のカリナ様は何か焦っているように見えますわね。」
「そうだね。しかも、周りに居る男性って結構良いとこの跡取り息子でしょ?」
「ええ。なので人によっては見え見えの玉の輿狙いだなんて事を言われてました。」


 周りから見ても彼女は焦って見えているのか。
 流石に男爵が皇帝陛下に目をつけられていることは出回ってはないようだけど、もう少し皇帝陛下が活発に動くようになったら最期だわ。
 カリナはそれまでに行動を起こす気なんだろうか。

 こんなときまでもなんでかコウにぃにご執心しているけかあるのがちょっと気になる。男爵がいつ皇帝陛下に暴かれるか分からないなら早々に自分の身を守るために後ろ盾になる人を見つけた方がいいに決まっているのだけど。

 早々に動いているのだから彼女は男爵を自分の父親を見捨てる予定なのか。


「難しい顔してどうしましたの?」
「えっ、いえ。なんでカリナ様は慌ててるのか気になって。」
「もしかしたら‥…。」
「アンナは何か知っているの?」
「いえ。もしかしたらの話ですけど秋の聖女の集いを狙っているのかなって。」
「聖女の集い?」


 何それと兄上を見れば、『そんなのもあったな』と呟いた。

 『聖女の集い』

 それは選ばれた女子生徒が3日間、聖女という称号を受けるための戦いがあるのだとか。あれか、ミスコンみたいなものか。

 聖女の称号を受けると皇帝陛下に一つだけお願いする事が出来るのだとか。

 参加条件は推薦形式で貴族、平民、魔法、騎士の学園関係者からの推薦が必要になる。


「皇帝陛下はだいたいのお願いは叶えてくださいますから。」
「へぇ。」


 それで、何を願うのかは知らないけど、それを狙っているのは確かかもしれない。兄上に急接近したのも王族と仲良いのが審査的にプラスに働くかもしれないからかな。
 
 もしも、コウラン皇子の婚約者を‥…とかの願いだったら困る。

 ちらりとコウにぃを見たら同じことを思っていたようで頷いている。幸い、貴族アンナ平民タオシャン騎士ウォルター魔法バルスさんがいるのだし。
 
 最後の二人を含めて良いのかは不明だけど、学園関係者との事だから大丈夫だろう。


「お願いしたいことがあるのだけど。」


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