僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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精霊たちの秋祭り

僕と変わった日常

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 華やかな飾り付けが街を彩り、蕪で出来たランタンが軒先で輝く今日こんにち
 人々は今年も豊富に取れた野菜や果物を祭壇に捧げてこの地を豊かに保っている神や精霊達に感謝し、歌い踊り、美味しいものを食べて騒ぎ出す。
 そう、只今収穫祭です。

 実は精霊界に行ってもうすでに数日という時間が流れています。

 あの後も何度か話し合い、人々はフェアリーリングを見かけたら手を出さない、緊急事態があれば見えなくても声を出して知らせる。精霊達はいきなり呪いなどは掛けないで様子をまず確認する。せっかく念話みたいな能力があるのだから中位以上の精霊に伝える。等など。色々と決まり事を決めた。
 そう話していく内に、ノアさんと精霊王のわだかまりも無くなってきたように思える。一応、二回目に合った時に思いきり殴っていた。

 甘んじて受けていた精霊王だったが流石は元冒険者。帰る頃には精霊王の頬は腫れ上がっていた。
 その潔さというかなんかがノアさんのなにかに触れた様で、最近は『後をついでも良いかな。』と苦笑いで話している。

 高位精霊等は寿命が近づいて次代を生むけど、精霊王もそれについては同じような物である。精霊王がノアさんを生んだのは自分の寿命がというより、世代交代したいと言うことが有るみたいだ。もしも、ノアさんが次代精霊王にならなくても、高位精霊の中の誰かに任せる予定らしい。


 前に高位精霊は属性事に居ると言ったが、グランデは何の精霊なのかと聞かれたら実は四季の精霊らしい。四季という時を司る精霊なのにマイペースとは、これからクロノスに頑張ってもらおう。

 四季の精霊は女神カトレアから作られた特別な精霊らしくその力も強い。  
 

 そういえば、ノアさんが精霊なのに人と同じ様に子が出来たのは障りのせいで死を感じていたからでは無いかと言うことだ。



「また、なんやかんや考えているのか。」
「う~ん。だって、色々と気にならない?」
「わかる気もするが。今はこっちに注目だ。」


 兄上が両手で俺の顔を挟み込んで向かせた先には、皇帝陛下とノアさんの姿。

 ノアさんの新緑の髪は陽の光を受けてキラキラと光り、健康的になった身体つきは以前の面影からは考えられない。


 今日は収穫祭で祭りだ。皇帝陛下のお言葉が開催の開始になる。その際に国民に伝えることがあれば発表することもある。今回はそれがお察しの通り、ノアさんの事だったと言うわけだ。


「今年も色々な作物が豊作だったと聞くこれも、皆の努力のおかげだ。感謝する。そして今年は更に喜ばしい事があった。」


 皇帝陛下がそう言って、ノアさんを前面に出してきた。ノアさんを知る人たちはざわめき出す。特にノアさんを育てたダリオさんから知っているだろうギルドマスターが何やらギャアギャア騒いでいるようだ。

 顔色が悪いから良くない想像をしているのはわかる。
 大丈夫だから落ち着けよと心で思っていると副ギルドマスターが頭を叩いて鎮めてた。恐らく副ギルドマスターは種族的に察しがついたのだろう。


「30年前に精霊王の御子が行方不明になった。先日、その御子が我が城下街で見つかった。人として育てられたこの者が無事に精霊王の元に戻り、次代の王となる事に感謝を。そして、この縁に感謝してこの国での身分を受け取って欲しい。」
「有り難く受け取ります。」
「では、この場で次期精霊王ノア様に『フェアリア』を。」
「なんか、皇帝陛下はしゃいでるね。」
「恥ずかしい。」


 ノア・フェアリア、タオシャン・フェアリア

 それがノアさん達の新たな名前。
 まあ、これがすべてアンナとタオシャンのためだなんて誰が思うだろうか。

 タオシャンから聞いた話だと明日にでもアンナの家に婚約を持ちかけるのだとか。そこも、皇帝陛下を絡ませようかと聞いたら『これは僕の戦いだから。』と最初に会った時に比べてとてもたくましくなったとおもう。

 新たな家名、しかも精霊族である一族。
 街中が歓喜する。

 そんな歓喜の中で収穫祭が開催されたのだが。




「あ、シンリ様見つけましたよ。」
「やあ、アンナ嬢。」
「今日もお会いできて光栄です。」
「こちらこそ。」


 流石は名門のお嬢様。
 こんな時にも綺麗な挨拶をくれたのでこちらも返す。
 今日は髪をすべてまとめて、宝石を散りばめた状態。そこに違和感を感じるガラス石の簪がつけられていた。

 さてはタオシャンの手作りと見た。


「タオシャン殿と一緒ではないのですね。」
「タオシャンは色々と忙しそうですから。」


 ノアさんの息子であるタオシャンも精霊王の血筋だと誰もが理解したであろう。その影響は凄まじい。気に入られればもしかしたら‥…。そう思う人も出てきているみたいで、着飾った令嬢たちに取り込まれているのがみえる。

 少し寂しそうなアンナの視線に気が付くこと無く困った表情で囲まれている。せっかくのお祭りデートなのにもったいない。


「タオシャン、こっちに来い。」
「あ、コウラン様も来ていたのですか。」


 流石は魔王様。
 皇子も現れて色めき立つ令嬢がこちらに来ようとしていたのを目で制して動きを止め、タオシャンだけを僕達の元に連れてくる。
 そして、そっとアンナの元に押しやる。
 なんだかんだで優しい兄上だ。


「ほら、二人で楽しんできなよ。」


 

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