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精霊たちの秋祭り
僕と闇の精霊
しおりを挟む自らが出来ることをと考えた結果が、加護と言うことになったようだ。
精霊王の加護を持つ者は滅多に現れず加護を持ったものは幸福になると言われている。が実際の効果はエグいものだ。
魔法力のアップに運のアップ、全体的身体能力のアップ等など‥…。
幸福になると言うのは能力がアップしてやりたいことが出来るようになったから。確かに、運も上がっているけど。
「ダリオさんに家族は?」
「アリッサという歳の離れた妹さんが居たはずです。優しい人ですよ。ずっと気に掛けてくれていましたし。」
「じゃあ、この加護はもらっておいたら?ダリオさんも喜ぶよ。」
「あと、精霊の後ろ盾がついたことは国で公表させてもらう。」
ああ。精霊の後ろ盾が付いているのが分かればそこらの貴族はこぞってタオシャンを見る目が変わるだろう。むしろ取り込もうとするはずだ。
だけど、アンナと一緒になるのならそれぐらいの存在でないと険しい壁が立ちふさがるだろうな。
しかも、精霊達の王の孫というとてつもない存在は、魔術師家庭のクロチアゼパムにとっては喉から手が出るほど欲しい存在だろう。
「そんな。立場を利用するなんて‥…。」
「相手がそう考えてくれるアンナ嬢だからこその提案です。」
アンナだったら、タオシャンがどんな存在でも変わらずにいてくれる。そんな二人をめんどくさい平民だ貴族だで離れさせたくない。なら、何かしらの後ろ盾を作れば良い。今回はそれが精霊王の加護であり、孫である事だったのだ。
アンナは大好きな人と一緒に居られるのねラッキー。ぐらいに思っていれば良いとおもう。
「『お話し途中に失礼します。人間を黄泉の道に落とした精霊を連れて来ました。』」
色々な内容は一週間掛けて話し合うことにしよう。となったときにベストタイミングなのか雷の高位精霊が、何もない空間から現れた。
よしよし、数日待たされるなんて事にならなかったぞ。
稲妻の様に逆立った光る金というか銀というかの髪に鷲の様に鋭い目、バチバチと火花が散る筋肉質な身体から伸びる腕にはジタバタと暴れまわる、黒い存在。
髪も目の色も真っ黒で肌も褐色。黒いモヤの様なものを身に纏う青年は恐らくは闇の中位精霊。
恐らくとつけたのは月の精霊も似た姿で気配も似ているらしい。雷は一目でバチバチしているから分かる。
「彼がアンナ嬢を誘拐したのか。」
「『オレは悪くない。人間が精霊王様の子を誘拐して閉じ込めてたから大切な者を奪われる苦しみを。』」
「アンナ嬢を誘拐する前に誤解があった等を女神から伝えて貰ったはずだが?」
「『そんなの聞いていない!』」
「聞いていない?知識は共有されるのでは?」
「シンリ様何をはなしているのですか?」
おっと、精霊王と普通に会話していたから他も会話できると、思っていたけど僕と兄上以外は何を言っているのかわからないらしい。
とりあえず、今の会話を通訳してタオシャンがお怒りになる。
精霊王の血を汲むノアさん達もわからないのは蛹だからなのか幼少期から人間の所にいたからなのか。
「コヤツは昔から問題児でな。他の闇の精霊が可愛そうなことに悪いイメージを持たれる。」
「人間もそんな人が結構いますよ。」
「幼稚で恥ずかしい。」
種族が違えど頭を悩ませるのは同じと言うことなのだろう。
僕達も貴族の一人が問題を起こすと同じように敵対される事がある。ちゃんと普段から行動を気をつけていたりする垣根の無い貴族達はすぐにとその敵対から外されるけど、辺境伯な普段は王都にいないから国民から何やっている人なんて言われることもある。父様と母様は名声があるからまだ大丈夫だけど、他の辺境伯はよくわからんアイツ偉そうな貴族と一緒だなんて敵意を向けられたりしているらしい。
なんで知っているかって?
父様と酒飲み友達が実際そうだから。おつまみ持っていったら絡まれて愚痴を色々聞いたのさ。
『彼奴等のせいで』って今にも人を殺しそうだったよ。
特に今回は普通の人は見えない存在だ。闇の精霊が悪さしたは全体に風評被害がかかる。大変だね。
「しかも、聞いていなくても人があそこに行くのは危険だというのは知っているだろう?しかも、生まれる準備をしている精霊を脅してまでとは。」
「『別に狂うだけだ。なんで、あの女は狂ってないんだよ。』」
「あの闇に居たのに何で狂っていないのか疑問に感じてますね。」
「確かに、掌も見えない暗闇でしたね。だけど、バルス先生のまじないをしたら光る玉がいっぱいで明るかったですわ。それに、この御守もありましたし。」
そっとハーフアップの髪に飾ってあるビーズで出来た髪飾りを嬉しそうに撫でる。その姿にタオシャンの顔に赤味を帯びるのを見る限り、その送り主はタオシャンか。
精霊の光を感じたおかげでその精神が守られたと言うのならいいタイミングで精霊の授業をしたバルスさんにはボーナスをあげてもらおう。
なんたって一人の令嬢を救ったのだしね。
闇の精霊はまだ腑に落ちない様な顔をしている。さて、このまま開放するのは宜しくないよね。
「僕達はこの者の存在を否定します。自分の過ちに気付くまで申し訳ないけど精霊とは関わりは必要最低限にしてもらう。」
てな事はどうだろうか。
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