僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~

SHIN

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春の訪れと新入生

僕と冒険者ギルド

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「ふぁあ。」


 とても暖かい陽気に昨夜の騒動にその後始末。いくら若い身体とはいえ疲れが残っていてのこの陽気にあくびが押し込めることが出来ずに出てしまう。

 せめてもの抵抗で手で覆い人に口の中が見えないようにしていたら生暖かな微笑みを頂いてしまった。
 ギルドの前で待ちあわせをしていたのだが周りからの視線はつい最近も来たからかなぜ子供がと言うような感じではなくどちらかといえば興味津々な物が多い。

 ギルトが建っているのは人通りの多い大通りの場所だ。普通の建物の約3倍はあるのではという大きさに拘っているのか全てが木で出来た木造だ。
 兄上がその建築の方に興味があるみたいでふむふむ言っていると背後から声がかかる。どうやらアキさんが来たようだ。
 

「お待たせしました。」


 息をきらせてこちらに走ってくるアキさん。我々の姿をみつけて急いで走ってきたのか、良い笑顔の頬には煌めく汗が滴っている。
 休日のため服装はいつもの騎士の姿ではなくフード付シャツににズボンの軽装に、騎士団配給のデザインが派手な剣納装備ではなく機能重視のものに変わっていた。
  防具をつけていないのは今日が受付だけだからなのかこの場に怪我を負わせられる相手がいないからなのだろうか。


「早めに来たと思っていたのですが。」
「僕達が早かっただけだよ。」
「ここの建物をじっくり見ていなかったからな。」
「ああ。珍しい木造ですよね。冒険者同士で喧嘩して壊しても直しやすいからだそうですよ。」


 言われて見れば確かに所々の壁が新しく見える。てっきり劣化して交換しているのかなと思っていたけどまさかの喧嘩で壊れたからだとは。
 流石は冒険者ギルドだわ。血気盛んな人がいるんだね。


「では、まずは冒険者の登録しに行きましょうか。」
「はい。」
「私の旧友の副ギルドマスターのタリスです。」
「やっぱり。」


 ギルドの中に入ると待機していたのは見たことのある顔ぶれだった。その中でアキさんが紹介してくれたのは副ギルドマスターのタリスさんだった。想像していたけど、副ギルドマスターが旧友とは。
 銀糸の髪が輝いているのは相変わらずで表情はこの間に比べたら少し穏やかになっているだろうか。

 アキさんの旧友が副ギルドマスターで驚いていたのは僕達だけでなくギルドマスターのクロスさんものようだ。
 アキさんとタリスさんが仲よさげにしている姿をみてこちらに抜き足差し足忍び足しながら寄ってきた。


あの男はアキンドは知り合いか?」
「うん。今回冒険者登録するのに付き合ってくれているんだ。」
「なんだぁ?冒険者になるのか。」
「そう。だから手続きとか教わるのにアキンドさんに頼んだんだ。」
「アキンド‥…あのアキンドか?」


 なにか心当たりでもあるらしいのでヒソヒソと3人で情報交換。
 
 そしたらなんとアキンドさんは冒険者ギルドの若きS級なのだとか。経験はまだ浅い様だがその実力は竜型モンスターをソロで倒す程だという。どうやって倒したかは不明だが確かに討伐履歴に竜が居るとの事だ。

 その実力がありながら突如消えた幻のS級は今は騎士団の一人になっている。その転職の理由は不明だがユーシアさんを始め騎士団が信頼して背を預けている存在だ。


「まさかタリスの知り合いとはしらなかったな。」
「そうですね。教えませんでしたし。」
「うぉっ。もうお話は終わったのかよ。」
「ええ。コウラン様、シンリ様。冒険者登録をするそうですね。こちらにどうぞ。」
「普通の人達と同じ様にしてくれて構いませんよ。」
「駄目です。」

 
にこ。


 きっぱりと断られてしまった。
 そして案内されるのは前も通された2階の部屋だ。ギルドマスターも一緒に部屋に入り以前と同じくソファーに僕達が片側の方に座り対面する形で職員二人が座る。
 書類を記載をする都合があるためお茶は断っている。
 僕が左側に座って眼の前にはギルマスがいる。背後にアキさんが書類を指さして色々とアドバイスを言ってくれているので、迷うことなく書き込めた。

 じっと見てくるギルマスに居心地が悪いが見ても顔をそらされるだけだ。なんだと思っていたらその様子を見て副ギルマスが兄上に記入方法を教えながら笑っている。


「シンリ様位の子供には彼は泣かれて怯えられるのでこんなに堂々とされているのが嬉しいのでしょう。」
「へえ。」
「シンリ様は特別ですから。」


 アキさんがなぜか自慢気に胸を張る。
 
 書類が終わり、何かしらの装置が用意された。カードのおける凹みとその上に拳大の水晶のようなものが置かれている。
 水晶のようなものは液状の球体でありそこに自分の血を垂らして登録をするのだという。

 針で指に血を出して水晶のようなものに手を付けると、血が液状のものに混ざり下へと降りてゆく底まで付いたらカードに液が流れ込み文字などが浮かび上がる。


「この球体を大元に戻すことで全世界の冒険者ギルドに登録されるのです。」
「面白い機能だね。」
「スライムが協力してくれているのですよ。」
「ああ。これはスライムの一部って事か。」
「御名答です。」


 出来上がったカードをそれぞれ渡してもらう。初めてのギルドカードを手に入れた。
 カードには種族と名前とギルドランクが書かれているシンプルなものだ。

  昔は鑑定師が居てステータスを載せていたようだがその際にパーティーを組む時にいざこざがあったために簡略化して、本人達に説明をさせたほうがトラブルが少ないとなったのだという。


 こうしたファンタジー的な物を手に入れるとうれしいね。









 
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