146 / 245
春の訪れと新入生
終わりの始まりの
しおりを挟む僕は新入生の演舞を見に来ていた。かつてはあそこにシシリーとアンナにタオシャンの3人で演舞をしたなぁなんて感慨に耽りながら、見たことのある少年の姿を見つけた。
腰にはあの時に渡した短剣が刺さっていて、魔法の織りなす芸術的な物に短剣を抜き演舞をする。
あのちょっとした冒険から彼は良い意味でも悪い意味でもだいぶ変わったという。悪い意味ではコウラン殿下と知り合いだとか辺境伯子息を連れ回したなどを同級生に自慢していたようだ。なので勘違いを正すため辺境伯と伯爵の格の違いを見せつけてやった。そしてコウにぃに至っては話しかけてきた弟君を存ぜぬを通していた。コウにぃは本当に覚えていないのだろうが弟君にはショックだろうし同級生もやっぱりなみたいな顔をしていたそうだ。
良い意味では死にかけた経験もあり必死に勉強をしている。ヘタリーチェ伯爵も今回の一見で甘やかすのをやめて修行をつけ始めたと言うことだ。
毎日学園から帰っては血反吐を吐きながら修行をしているらしい。
まあこうした事もあり新入生の中では抜き出て実力があるようだ。
あと変わった事といえばコウラン殿下が殿下でなくなったことくらいだ。それでもコウにぃカリスマ性は健在で色んな意味で慕われている。
皇帝陛下も可愛くないとか言っていたが息子は息子なので発表の日の夜にはおいおいと泣いていたのを目撃されている。
まだ国内でしか発表がされていないが徐々に他国まで情報が伝わってゆくだろう。
公爵の位は名前だけもらっておく事にしたようで今はコウラン・アシュレイと名乗っている。名前だけど言っても公爵としてやることが多いそうでむしろ王族から抜けたため無理難題が増えたように感じられると珍しく愚痴を言っていた。僕はそんなコウにぃの補助をすることになっていて、他にも使えそうな人材を王城から密かに引き抜いていっている。
冒険もしたいから兄上が居なくても公爵家が回るように何だとおもう。
メンバー的には学園とお城の魔術師て公爵家の秘書でトリプルフェイスになりかけたバルスさん。僕達が卒業と共に学園と魔術師は辞めるそうだ。それと護衛騎士としてアキさんの引き抜きを考えているそうだ。
僕としては戦えるメイドさんとか執事さんとか欲しいなと思っている。
「公爵家の事業はどうする?」
「他に真似できないやつでもやるか。」
「兄上なら魔力多いし貸出なんて面白いかもね。」
「‥…詳しく教えろ。」
半分ぐらい冗談で言ったのに食い付いてきて、引くに引けないので僕のゲーマーの知識と中二病発症の知識を駆使してとある商品を創り出した。
それが本当に後々の大ヒットになるとは思いもよらなかったけど。
新入生と言う存在が起こした事件も取り敢えず終わったと言うことで良いかな。ギルドも学園も今回の事で更に新入生の規律が強くなったようだ。そして国としてギルドとある協定みたいなものを話し合いちゅうらしい。ギルドの位が高い人には審査の後で貴族の様な利点を与えるか、貴族が冒険者に依頼を出すときはその爵位で基礎料金をつくるか、貴族が冒険になるときは予め家で鍛えているものもいるのでランクを上がりやすくするかなど色々とはなしあっていた。
僕はそんなことよりもグランドオールにまたムラキの息が掛かっている奴が襲ってなければ良いなと考えている。あんまり悪いやつ食べると砂クジラのお腹が痛むと大変だものね。
今まさにシンリが想いを馳せていたグランドオールでは洞窟で一人の男の命が消えようとしていた。その男はアキンドとシンリが死んだように見せかけて、何者かの巣穴に放置された男だ。
既に放置された男は肉体は死んでいたが、その精神は身体に残りあのとき自らを置いて行った二人の人物を呪い殺さん気持ちでいた。男は自分もかつては色々と人様に言えないことばかりしていたことなどを忘れてひたすら憎しみだけで時を待った。
死ぬことはこの任務を受けた時点で受け入れていたがその任務を失敗のままにしてはおけない。この術さえ終わればいずれはあの二人が自らを放置したのを後悔するだろう。
男はとうとうその機会が訪れた。漆黒の魔獣が洞窟に入ってきたのだ。
本来ならこの森の主に仕掛けたかったが今はそれどころではない。代わりのきかない要を持っているのはこの自分だった。主には及ばないがなかなかの強物の気配を受けながら、アキンドが戻していた宝石に教えられた術式を唱える。
漆黒の魔獣は餌が自分の寝床にあることを燻しんだが、ちょうど空腹だった事もありその喉仏に食らいついた。
何日か経っていると思っていた死体は不思議と生生しく芳しい味がした。
本来なら何日もかけて食べるのだがこの肉はあっという間になくなってゆく。途中ガリッとした物も食べた気がしたが骨の欠片でも食べてしまったのだろう。
しばらく満足気に寝床で寝ていると、お腹の辺りで何か激痛を感じた。ギャッと短い悲鳴を上げると寝床でのたうち回る魔獣。
しばらくして、起き上がった魔獣は人間の様に笑い声をあげた。その声があの男のものとそっくりであることを知るものはここにはいない。
取り敢えず野獣は食べかすである骨の残骸から何かを取り出しそれをこなごなに踏みつけた。その何かは煙となって何処かに飛んでいく。
魔獣は気分も晴れやかに寝床で横になる。
_____
いつも見てくださりありがとうございます。
しばらく.5月23日までお休みしてまた、再開します。
また読んでくださいましたら、嬉しいです。
SHIN
0
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。
柊
ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。
そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。
すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる