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春の訪れと新入生
終わりの始まりの
しおりを挟む僕は新入生の演舞を見に来ていた。かつてはあそこにシシリーとアンナにタオシャンの3人で演舞をしたなぁなんて感慨に耽りながら、見たことのある少年の姿を見つけた。
腰にはあの時に渡した短剣が刺さっていて、魔法の織りなす芸術的な物に短剣を抜き演舞をする。
あのちょっとした冒険から彼は良い意味でも悪い意味でもだいぶ変わったという。悪い意味ではコウラン殿下と知り合いだとか辺境伯子息を連れ回したなどを同級生に自慢していたようだ。なので勘違いを正すため辺境伯と伯爵の格の違いを見せつけてやった。そしてコウにぃに至っては話しかけてきた弟君を存ぜぬを通していた。コウにぃは本当に覚えていないのだろうが弟君にはショックだろうし同級生もやっぱりなみたいな顔をしていたそうだ。
良い意味では死にかけた経験もあり必死に勉強をしている。ヘタリーチェ伯爵も今回の一見で甘やかすのをやめて修行をつけ始めたと言うことだ。
毎日学園から帰っては血反吐を吐きながら修行をしているらしい。
まあこうした事もあり新入生の中では抜き出て実力があるようだ。
あと変わった事といえばコウラン殿下が殿下でなくなったことくらいだ。それでもコウにぃカリスマ性は健在で色んな意味で慕われている。
皇帝陛下も可愛くないとか言っていたが息子は息子なので発表の日の夜にはおいおいと泣いていたのを目撃されている。
まだ国内でしか発表がされていないが徐々に他国まで情報が伝わってゆくだろう。
公爵の位は名前だけもらっておく事にしたようで今はコウラン・アシュレイと名乗っている。名前だけど言っても公爵としてやることが多いそうでむしろ王族から抜けたため無理難題が増えたように感じられると珍しく愚痴を言っていた。僕はそんなコウにぃの補助をすることになっていて、他にも使えそうな人材を王城から密かに引き抜いていっている。
冒険もしたいから兄上が居なくても公爵家が回るように何だとおもう。
メンバー的には学園とお城の魔術師て公爵家の秘書でトリプルフェイスになりかけたバルスさん。僕達が卒業と共に学園と魔術師は辞めるそうだ。それと護衛騎士としてアキさんの引き抜きを考えているそうだ。
僕としては戦えるメイドさんとか執事さんとか欲しいなと思っている。
「公爵家の事業はどうする?」
「他に真似できないやつでもやるか。」
「兄上なら魔力多いし貸出なんて面白いかもね。」
「‥…詳しく教えろ。」
半分ぐらい冗談で言ったのに食い付いてきて、引くに引けないので僕のゲーマーの知識と中二病発症の知識を駆使してとある商品を創り出した。
それが本当に後々の大ヒットになるとは思いもよらなかったけど。
新入生と言う存在が起こした事件も取り敢えず終わったと言うことで良いかな。ギルドも学園も今回の事で更に新入生の規律が強くなったようだ。そして国としてギルドとある協定みたいなものを話し合いちゅうらしい。ギルドの位が高い人には審査の後で貴族の様な利点を与えるか、貴族が冒険者に依頼を出すときはその爵位で基礎料金をつくるか、貴族が冒険になるときは予め家で鍛えているものもいるのでランクを上がりやすくするかなど色々とはなしあっていた。
僕はそんなことよりもグランドオールにまたムラキの息が掛かっている奴が襲ってなければ良いなと考えている。あんまり悪いやつ食べると砂クジラのお腹が痛むと大変だものね。
今まさにシンリが想いを馳せていたグランドオールでは洞窟で一人の男の命が消えようとしていた。その男はアキンドとシンリが死んだように見せかけて、何者かの巣穴に放置された男だ。
既に放置された男は肉体は死んでいたが、その精神は身体に残りあのとき自らを置いて行った二人の人物を呪い殺さん気持ちでいた。男は自分もかつては色々と人様に言えないことばかりしていたことなどを忘れてひたすら憎しみだけで時を待った。
死ぬことはこの任務を受けた時点で受け入れていたがその任務を失敗のままにしてはおけない。この術さえ終わればいずれはあの二人が自らを放置したのを後悔するだろう。
男はとうとうその機会が訪れた。漆黒の魔獣が洞窟に入ってきたのだ。
本来ならこの森の主に仕掛けたかったが今はそれどころではない。代わりのきかない要を持っているのはこの自分だった。主には及ばないがなかなかの強物の気配を受けながら、アキンドが戻していた宝石に教えられた術式を唱える。
漆黒の魔獣は餌が自分の寝床にあることを燻しんだが、ちょうど空腹だった事もありその喉仏に食らいついた。
何日か経っていると思っていた死体は不思議と生生しく芳しい味がした。
本来なら何日もかけて食べるのだがこの肉はあっという間になくなってゆく。途中ガリッとした物も食べた気がしたが骨の欠片でも食べてしまったのだろう。
しばらく満足気に寝床で寝ていると、お腹の辺りで何か激痛を感じた。ギャッと短い悲鳴を上げると寝床でのたうち回る魔獣。
しばらくして、起き上がった魔獣は人間の様に笑い声をあげた。その声があの男のものとそっくりであることを知るものはここにはいない。
取り敢えず野獣は食べかすである骨の残骸から何かを取り出しそれをこなごなに踏みつけた。その何かは煙となって何処かに飛んでいく。
魔獣は気分も晴れやかに寝床で横になる。
_____
いつも見てくださりありがとうございます。
しばらく.5月23日までお休みしてまた、再開します。
また読んでくださいましたら、嬉しいです。
SHIN
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