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勇者という存在がもたらすもの
僕と勇者のお披露目会 中
しおりを挟む王様は赤茶の髪に黒いろの瞳のまあまあのイケメンだ。兄上やシス兄を見てしまうと三下の様に感じでしまうがしかたがない。そんな王様は綺羅びやかな装いで見上げるようなところに出てくる。
会場の形はステージというか城の塔の中腹あたりから王様と控えるように勇者が見えて、僕たちのいる広場みたいなのがある。そこからしばらく遠くに招待状もない一般人が眺めていると言う形だ。そんなところなので勇者の言葉も何も聞こえはしないだろう。勇者が例えこの城の悪事を叫んだとしても。
城の方でお披露目をして後は勇者をまた隠したあとに下に降りて来るつもりの筈だ。勇者とあまり外部と接しないようにしているあたり勇者が思い通りにならなくてイライラしている事だろう。
それでも勇者は傍目からはちゃんとした装いをしてじっとしているようだけど、僕の目からは殴られたような少し紫く変色している口元が見えている。こういうときのセオリーは家族について脅されるという事だけど、ラウルス侯爵家がすでに保護をしているので確認できない勇者に嘘をついたということか。
勇者はあの謁見の間で見た聖剣のを空高くに翳す。
そこで僕からの悪戯発動する。
聖剣エクスカリバーの周りに風が巻き起こり王と勇者の目の前に風の高位精霊が現れる。きっと勇者を印象づけるために聖剣と共に登場させると思っていけどまさにドンピシャだ。聖剣に精霊の召喚の加護を付加しておいたのだ。勇者が剣に力を込めたら発動するようにしておいた。
なんでそんな王が喜びそうな事をするのかって?
言っておくが庶民の勇者がどんどんと加護をもらったりしても王は自分の事ではないので喜ばない。むしろ何故にこの者がと妬むだろ。だから彼は剣が抜けなかったのだから。
「な、なんと精霊まで祝してくれるとは。」
悔しそうな感情を隠し精霊の出現に驚いた表情をしている。
精霊は勇者に風の加護を渡し聖剣にある僕の気配を感じたのかこちらに視線を向けて微笑んだ。そして自らも加護を得ようとする王を無視して風と共に消えてゆく。
これで勇者の箔がつくし王の怒りも上がるだろう。
周りはその光景に絶賛しているが王はそのなか勇者を下がらせようとしていた。だけども観客からのその行動がブーイングが起こる。
ブーイングに一瞬顔を歪めるが何かを勇者に囁くと勇者は何かを言い返しているようだ。だけど言い込まれたのか頷く動きと共に王とともに城の中に消えていく。
ここまでしてお披露目会を開いたのは勇者の後ろ盾があるという宣言と獣人街を掌握するための思惑にあとあの鈴に思惑がある気がする。実のところ城のとある部屋でとんでもないものは見つけていたりする。それは何なのか僕にはわからないけど人の手に負えない存在であることはわかる。あれを見たからこそここの王を敬意も持って見ることは出来なかった。
「勇者にもっと会いたいようですからね。連れてきましたよ。」
「‥…。」
僕らのいる会場に王とともに勇者が現れた。しかしその周りには王の息のかかった兵士が待機していて、よく見ると勇者の首に似合わない首輪が嵌められている。それは見るものが見ればこの場に相応しくないものであるとわかるものだ。
周りの招待客を見てみれば、その悪趣味さに眉をひそめるものや逆に楽しそうにニヤついているものもいる。
「顔が怖いぞ。」
「人間のこういうところが嫌い。」
「俺らも人だけどな。」
「これは神の国の代行人殿。」
反吐が出そうな気持ちをコウにぃに見透かされて注意される。そんな僕らの元に音の国の王が近づいてきた。赤茶の髪は書き上げるような形でセットされていてカリナがここにいればキャーキャー言いそうだ。自分自身に自信があるようでその動きもその性格が出てウザげふんげふん。
服装も目立つ赤色を基調に金やエメラルドで飾り付けがされている。だがせっかくの赤茶色の髪が目立つことはなく残念だとわかっているのだろうか。
「おや、神の国は獣人を護衛にするのですか?」
「獣人の技術力でもっている国が何をいう。」
「はは。今度からそんな事はなくなりますよ。」
「奴隷だろうとその者が支えているには変わりないさ。まあ、ちゃんと契約は完了したようだがな。」
コウにぃに絡んで話しているとその違和感に気がついたのだろう。兵士の一人が王に何かを伝えているようだ。唇を読むまでもない。職人たちがちゃんと納品が出来たことを知らせている。
王は小さく馬鹿なとつぶやいたあと見られていることに気が付きニコニコて笑顔を貼り付けて今度は僕にはなしかけてきた。
「お美しいお嬢さん。席を用意しましょう。」
「いえ。結構です。」
こいつは僕の服が見えないのか。
話しかけてきた王を交わしていると勇者と目があった。グレイは僕の姿に驚いた顔をしているがその首輪で言葉を制限されているのだろうか何も言わなかった。
前にあったときより少し痩せてはいるがこの日のために整えられた髪や服装はちゃんとしていてほっとする。その小さな身体に不釣り合いな聖剣はパチパチと光を迸っていて神秘的だ。あの謁見の間にあったときとは大違いである。
「そうだ。聖剣に触って見ますか?」
「勇者しか触れないのでは?」
「触れますよ(痛いですが。)。」
何処からかサブ音声が聞こえて来た気がしたが軽く笑みを浮かべながら手に持ってやった。あまり虐めるなよなんて呆れた声が聞こえて来た気がしたが気にしない。何せ僕は魔神の愛し子。これぐらいの制約の剣ならリスク無しで触れるよ。
「いい剣ですね。勇者様ありがとうございます。」
「‥…。」
「な、なんでです。」
「どうかしましたか王様。」
「勇者でもない貴女が何故触れるのですか。」
「さっき触れるっていっていたじゃないですか。」
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