付き合っているのに喧嘩ばかり。俺から別れを言わなければならないとさよならを告げたが実は想い合ってた話。

雨宮里玖

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15.ふたりだけのルール ※

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「これからはルールを決めよう。俺たちはお互いに遠慮し過ぎていたんだ。言いたいことはもっと本人にぶつけたほうがいい。疑わしきことは黙っていないですぐに本人に確認する。そうしたらきっと上手くやっていけると思うんだ」
「そうだな……俺たちは変わらなくちゃいけないよな……」

 大河だけじゃない。陸斗にも反省すべき点は多くある。


「早速言わせてもらってもいいか?」

 大河は陸斗にずいっと迫る。大河のあまりの勢いに、陸斗は思わず椅子から立ち上がり後ずさった。

「俺以外の男とあんまり仲良くするな。俺は会社でお前に話しかけることも我慢してるのに、俺が他の男と笑顔で話をしてるのを見るだけでイライラするんだよ!」

 大河は更に陸斗に迫ってくる。「待て待て」と陸斗は大河を抑えるが、大河はムッとした顔のままだ。

 職場の円滑なコミュニケーションには笑顔が大切なのに、職場の半数は男なのに、そんなことは無理なのではないか……。

「お前の身体を他の男に触らせるな。お前には自覚がなさすぎる! 俺が昔、お前のケツを触ったとき、自分がどんな顔してたか知ってんのか?! 恥ずかしがりながらも蕩けた顔しやがって、あんな顔を新井にも見せたのか?! 一歩間違えたらノンケの新井を悩殺してるとこだったんだぞ!」
「はぁっ?! そんな顔してねぇよっ」
「……してる」

 大河はいきなり陸斗の尻を撫で回す。陸斗が「やめろっ」と抵抗したのに、大河は陸斗の身体を抱き締め尻を撫でる手をやめない。

「ほら。男を誘う顔してる。そんなにケツを弄られんのが好きなのかよ、陸斗は普段はエッチなことに興味ない顔してんのに淫乱だな」
「違っ……! これは……!」

 大河の触り方! そんなエロい手で撫で回すなよっ! あ、ほら、そこはダメだ……。

「これから他の男に身体を触らせたら家でお仕置きだ。これも二人のルールにしよう」
「なんだよお仕置きって……あっ……」

 下着の中に手を入れるのは反則だろ!

「わからないのか? こういうのはお仕置きセックスに決まってる」
「うわっ!」
 
 大河はリビングのソファに陸斗の身体を押し倒した。そして陸斗の身体を弄ぶ。

「まずは手っ取り早くソファで喘がせてやる」
「ああぁ……っ!」

 大河は陸斗の下着をずり下げ、性急に陸斗のものに触れてきた。

「ほら。ケツを弄られただけでもう勃ってんじゃん。俺、最初はお前の人柄に惚れたけど、付き合うようになってからはお前のエロい身体に虜になった。陸斗。お前は感度が良すぎる。この身体を一度抱いたらもう離れられねぇよ」
「えっ! おいっ! やめろっ……やぁっ……! あぁぁ…ぁん…!」

 やばい。最近まったくそういうことをしていなかったから、もうイッ……!

「おーおーおー。相変わらず可愛いな。でも今日は俺がイくまでお前をイかせない。これはお仕置きだからな」

 大河は陸斗の前の根元をぎゅっと指で締める。そして陸斗の身体を愛撫し始めた。

「バカッ! そういうのやめ……っ あぁぁっ!」

 大河の愛撫を受けて身体はビクビク痙攣するのに、イけない。イけなくて、そのぶん新たな快感が陸斗の身体を突き抜ける。
 前立腺イキにも似た不思議な感覚で、強すぎるくらいの快感が終わりなく続いている。

「だめ。そこ、あぁ……!」

 根元を締めてるくせに鬼頭をグリグリされるから陸斗はたまらず背中を反らして身体をビクつかせる。

「やらぁ……っ! も……むりぃ……っ」

 陸斗がこんなに身体を震わせ快感に耐え忍んでいるのに、陸斗を苛める大河の手は止まらない。

「大河、許して……俺もうイきたい……身体おかしくなるっ……!」

 陸斗が必死になって訴えると大河に「じゃあ挿れていい?」と言われた。
 陸斗はうんうん頷いた。身体が限界で、こんな状態では大河に従うしかない。


「あぁぁぁっ!!」

 たっぷりのローションを垂らされ、大河に貫かれて陸斗は悶絶する。
 大河は陸斗の前を締めつけたまま、激しく攻めてくる。快感に耐えきれなくて、この激情を発散したくてもイけないし、陸斗は腰を揺らしてあんあん喘ぐしかない。

「だからそれがエロいんだよ。俺を興奮させて早くイかせる気だな」
「違っ……ちがくて、も、限界……っ」

 いつもならイッたらそこが快感のピークなのに、射精できないから、女みたいにいつまでもオーガズムが連続して起きているような状態だ。強い快感も耐えられないし、射精できないもどかしさにも耐えられない。

「ごめん、もう他の男に触らせない……この身体は大河のものだから……お願い、もうイかせて……!」

 陸斗が懇願するとやっと大河が陸斗のものを締め付けていた手を離してくれた。そこから一気に射精感がぐわっと押し寄せてくる。

「あっ、あっ、大河ぁ……っ!」
「陸斗っ、陸斗っ……!」

 もうこの欲望は抑えられない。大河に放たれると同時に陸斗も自らを解き放った。




 それから大河はしつこくて、「もうお仕置きじゃない」と言いながらベッドでもバスルームでも抱かれることになった。

 さらにまた今ベッドで抱かれ、もう陸斗はクタクタだ。
 激しい情交のあと、陸斗はベッドから起き上がる体力もないのに、大河は涼しい顔でベッドのヘッドレストに寄りかかり、スマホを弄っている。それが恨めしくて陸斗は大河にひと言物申してやりたくなった。

「おい大河……俺もお前に言いたいことがある……」
「ん……? なに?」

 大河は余裕の笑みで陸斗の髪を優しく撫でてきた。

「指輪……」
「指輪?」
「今度無くしたら俺にちゃんと話してくれ……。大河の指にそれがないと、俺は大河の気持ちを見失うから……」

 陸斗はそのまま眠りに落ちた。
 朦朧とする中、大河から優しいキスをされた気がするけど、それが夢だったのか現実だったのか、陸斗にはわからなかった。


 ——完。
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