おいてけぼりのSubは一途なDomに愛される

雨宮里玖

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番外編『お仕置きされたいSubの和泉くん』

1-3 ※

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「今日のお前はなんかおかしい。言え。何がしたい?」

 ギリ、と佐原に手首を締められ、佐原の足で身体を壁に押さえつけられる。

「別に何も……」
「そんなことはない。言わないと離さない」

 佐原は漆黒の双眼からグレアを発してきた。それをまともに浴びて、和泉は全身総毛立つ。
 佐原が優しいからすっかり忘れていたが、佐原はDomだ。本気を出されたら佐原に敵うはずがない。

「言えよ、白状しろ。それとも尋問にかけられたいか?」
「あぁっ……!」

 股間を佐原の膝で下から突き上げられる。手を上に上げられて、佐原の片手でひとまとめにされ押さえられた。
 佐原は自由になった右手を和泉のスラックスとシャツの間に滑り込ませてきた。

「Domをなめるな。コマンドひとつでお前の口を割らせることもできるが、あえて喋らせてやる。ほら、早く言わないと身体が大変なことになるぞ」

 乱れたシャツの中、佐原の手は和泉の乳首をキュッとつねる。相変わらず責められ続ける股間は佐原の膝だけで、恥ずかしいことに反応を示していく。

Stay動くな

 Domからのコマンドで、和泉は身体を自由に動かせなくなる。佐原は容赦なく和泉のワイシャツのボタンをすべて外し、次に和泉のベルトの金具に手をつけた。

「あっ……! あぁっ!」

 ベルトを外されスラックスが床に落ちたあと、佐原に下着の中に手を入れられ、前を握られ、思わず嬌声が洩れる。だが玄関のドア一枚隔てた向こうは深夜の静まり返った廊下だということに気がつき声を抑える。

「さはっ、さはら……んッ……はぁっ……」

 自分はこんなに変態だったのかと羞恥心が頭をもたげてくるが、玄関でコマンドで縛られて身体を苛められて、悦んでいる自分がいる。
 佐原に強引に身体を暴いてほしい。このまま感じさせてほしい。

 Domにお仕置きされたい——。

「強情だな。もっと乱してやらないと口を割らないつもりか?」

 再びグレアをくらい、腰が砕けそうになった。力の入らない身体を佐原に無理に壁に押さえつけられ、下半身は佐原の膝を跨がされるような格好で、前を扱かれて、絶頂の高みへと強制的に連れて行かれる。

「さはら、ダメだ、あぁっ……出ちゃう、出ちゃうからっ……!」

 和泉は快感を逃そうと身悶えるが、佐原は手をやめない。

「どうする? 白状するか、こんなところでイくか、どっちがいい?」
「あっ、あっ、あぁ……っ!」

 やばい。強引に迫られるプレイに興奮している。
 優しいプレイだって佐原の気持ちが伝わって好きだ。でも、時々こういうのも、いい。

Say言え。今日のお前は何を企んでた?」

 和泉は目を開き瞠目する。Sayと言われたら、口を割るしかない。黙っていられないコマンドだ。
 恥ずかしい。佐原にきっとバカにされる。



「お、お仕置き……」
「お仕置き?」
「お仕置きしてほしい……佐原に怒られて、お仕置きされて、そのあと褒めてほしい……」

 佐原の手がピタと止まった。何事かと佐原は思考が停止している様子だ。

 和泉はSubだ。本来Subはそういう欲求の強い性だということを佐原にも理解してほしい。
 でも、性癖ばっかりはどうしようもない。佐原はいつも優しいノーマルセックスをするから、少し歪んだ性癖は受け入れてもらえないかもしれない。


「和泉。お前……」

 気持ちが悪い奴だと、佐原にドン引きされただろうか……。
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