86 / 91
願い
2. ※
「はぁっ……はぁっ……」
たまらずユリスが抱きつくと、ひどく懐かしいアルファのフェロモンの香りがした。
この香り。
この身体。
ユリスが他の人のそれと間違えるはずがない。
頭がクラクラする中、薄目を開けてみると、ユリスの思ったとおりの人だった。
「どうしてここに……?」
ユリスの目の前にいるのはカイルだ。信じられなくてペタペタとカイルの頬に触れてみるが、幻じゃない。きちんと感触があるし、そこに存在している。
「さっきからずっとここにいた。お前を庭からここまで連れてきたのも俺だ。気がつかなかったのか?」
眩暈のするユリスを抱き上げ、連れてきてくれたのはローランではなかった……?
「ローランは……?」
「今さっき『失礼します』と言って部屋を出ていったじゃないか。ユリスは物が見えていなかったのか……?」
いい匂いのアルファのフェロモンだとは思ったが、まさかそれがカイルだとは想像すらしなかった。
だってカイルはダラートに来るはずがないし、城にいるものとばかり思っていたから。
「カイル様は私のことをお嫌いになったのでは……? 優しくして下さった恩を忘れて黙って消えた私に怒り、気持ちもすっかり冷めてしまったのでは……?」
「俺がユリスを嫌いになるはずがないだろう? あれだけ何度も言ったのにまだわからないのか?」
カイルはユリスの身体を引き寄せた。ふわっとアルファのフェロモンの香りがして、熱ったユリスの身体が楽になっていく。
「ユリスの身体がやけに熱い……辛いか……?」
カイルはユリスの背中を撫でる。
「はい……すぐに楽にして……」
ずっとヒートの熱い身体でカイルと交わりたいと思っていた。そして今、目の前にカイルがいる。
ユリスはなにも考えられなくなってカイルに抱きついた。
「はぁっ……ん……っ……」
部屋中にアルファとオメガのフェロモンを充満させて、カイルと抱き合い続ける。
何度キスをしても足りなくて、何度オメガの最奥に放たれても、ユリスの欲望が頭もたげてくる。
「あぁっ……! カイル様、すごくいいです……そこっ……気持ちいい……」
恥も外聞もなくなって、自ら腰を振ってカイルのものを受け入れる。
カイルのものがユリスの感じるところに触れるたび、ビクビク身体を震わせ、その快感でまたユリスは達して白濁を放った。
「ユリスっ……俺もイく……っ! また中に出すぞ」
「あぁぁぁっ……!」
もう何度もカイルに放たれているのに、カイルのものを受け入れる瞬間、オメガの身体が悦んでいる。
この身体が欲しいのはアルファの精液だ。放たれるたびにきゅうっと閉まってそれを離さまいと身体が反応する。
「もっと犯してぇ……」
自分も達して、カイルにも放たれたのに身体の熱が収まらない。でもそれはカイルも同じことのようで、達したばかりのカイルのそれはユリスの中で再び硬さを帯びてくる。
「あっ……あぁぁんっ……!」
ユリスはまた達してしまった。今度は中イキだ。
「はぁっ……はぁっ……ユリスっ……!」
イッたばかりの身体をカイルに攻められて、快感で頭がおかしくなった。
「あっ……赤ちゃん……赤ちゃん欲し……っ……せーえき……お腹いっぱいにしてぇ……」
精液が欲しくてたまらない。カイルに何度でも最奥に放ってもらいたい。
「おねがい……もっとしてぇ……! あっ、気持ちいいっ……またイッちゃう……」
ユリスが前で達すると、カイルはユリスの身体を抱き締め、激しいキスをする。
「んっ……はぁっ……はぁっ……!」
すっかり息が上がっているから、唇を塞がれると呼吸が苦しくなる。
それでも上でも下でもカイルと繋がっていることに幸せを感じた。
「ユリス。俺の願いを叶えて欲しい」
激しいキスのあと、カイルはユリスの耳元で囁いた。
「お前と番になりたい。ずっとずっとお前を俺だけのオメガにしたかった……」
情事の間は目をつぶってばかりだったが、ゆっくり目を開けると目の前には当然カイルがいる。
「ユリス。お前だけを一生愛すると誓う。何があってもお前を守り、必ず幸せにする。だから俺の番として一生を添い遂げてくれないか?」
カイルの言葉が嬉しい。ユリスもずっとカイルのそばにいたいと願っている。
「はい。カイル様と強く結ばれたいです……」
ユリスはカイルにうなじを差し出す。カイルは敏感なそこに口づけした。
「は……ぁ…ん……っ」
ヒート中のオメガのうなじを舌で唇で弄ばれてしまってはひとたまりもない。
再び熱をもつ身体と闘っていたとき、ズキンとうなじに鋭い痛みがはしった。
「ああっ!!」
発情した獣に咬まれたみたいだ。痛みと快楽がユリスの身体を支配し、与えられるものに敏感になって感じるだけ。
——今、番になったんだ……。
これはきっと悪魔の契約などではない。カイルの強い愛情の最果ての行為だ。
「あぁんっ……! カイルさま、カイルさまぁ……っ」
ずっとこのままカイルとこうして繋がっていたい。
番のアルファに抱かれることは、オメガの最高の快楽だ。
たまらずユリスが抱きつくと、ひどく懐かしいアルファのフェロモンの香りがした。
この香り。
この身体。
ユリスが他の人のそれと間違えるはずがない。
頭がクラクラする中、薄目を開けてみると、ユリスの思ったとおりの人だった。
「どうしてここに……?」
ユリスの目の前にいるのはカイルだ。信じられなくてペタペタとカイルの頬に触れてみるが、幻じゃない。きちんと感触があるし、そこに存在している。
「さっきからずっとここにいた。お前を庭からここまで連れてきたのも俺だ。気がつかなかったのか?」
眩暈のするユリスを抱き上げ、連れてきてくれたのはローランではなかった……?
「ローランは……?」
「今さっき『失礼します』と言って部屋を出ていったじゃないか。ユリスは物が見えていなかったのか……?」
いい匂いのアルファのフェロモンだとは思ったが、まさかそれがカイルだとは想像すらしなかった。
だってカイルはダラートに来るはずがないし、城にいるものとばかり思っていたから。
「カイル様は私のことをお嫌いになったのでは……? 優しくして下さった恩を忘れて黙って消えた私に怒り、気持ちもすっかり冷めてしまったのでは……?」
「俺がユリスを嫌いになるはずがないだろう? あれだけ何度も言ったのにまだわからないのか?」
カイルはユリスの身体を引き寄せた。ふわっとアルファのフェロモンの香りがして、熱ったユリスの身体が楽になっていく。
「ユリスの身体がやけに熱い……辛いか……?」
カイルはユリスの背中を撫でる。
「はい……すぐに楽にして……」
ずっとヒートの熱い身体でカイルと交わりたいと思っていた。そして今、目の前にカイルがいる。
ユリスはなにも考えられなくなってカイルに抱きついた。
「はぁっ……ん……っ……」
部屋中にアルファとオメガのフェロモンを充満させて、カイルと抱き合い続ける。
何度キスをしても足りなくて、何度オメガの最奥に放たれても、ユリスの欲望が頭もたげてくる。
「あぁっ……! カイル様、すごくいいです……そこっ……気持ちいい……」
恥も外聞もなくなって、自ら腰を振ってカイルのものを受け入れる。
カイルのものがユリスの感じるところに触れるたび、ビクビク身体を震わせ、その快感でまたユリスは達して白濁を放った。
「ユリスっ……俺もイく……っ! また中に出すぞ」
「あぁぁぁっ……!」
もう何度もカイルに放たれているのに、カイルのものを受け入れる瞬間、オメガの身体が悦んでいる。
この身体が欲しいのはアルファの精液だ。放たれるたびにきゅうっと閉まってそれを離さまいと身体が反応する。
「もっと犯してぇ……」
自分も達して、カイルにも放たれたのに身体の熱が収まらない。でもそれはカイルも同じことのようで、達したばかりのカイルのそれはユリスの中で再び硬さを帯びてくる。
「あっ……あぁぁんっ……!」
ユリスはまた達してしまった。今度は中イキだ。
「はぁっ……はぁっ……ユリスっ……!」
イッたばかりの身体をカイルに攻められて、快感で頭がおかしくなった。
「あっ……赤ちゃん……赤ちゃん欲し……っ……せーえき……お腹いっぱいにしてぇ……」
精液が欲しくてたまらない。カイルに何度でも最奥に放ってもらいたい。
「おねがい……もっとしてぇ……! あっ、気持ちいいっ……またイッちゃう……」
ユリスが前で達すると、カイルはユリスの身体を抱き締め、激しいキスをする。
「んっ……はぁっ……はぁっ……!」
すっかり息が上がっているから、唇を塞がれると呼吸が苦しくなる。
それでも上でも下でもカイルと繋がっていることに幸せを感じた。
「ユリス。俺の願いを叶えて欲しい」
激しいキスのあと、カイルはユリスの耳元で囁いた。
「お前と番になりたい。ずっとずっとお前を俺だけのオメガにしたかった……」
情事の間は目をつぶってばかりだったが、ゆっくり目を開けると目の前には当然カイルがいる。
「ユリス。お前だけを一生愛すると誓う。何があってもお前を守り、必ず幸せにする。だから俺の番として一生を添い遂げてくれないか?」
カイルの言葉が嬉しい。ユリスもずっとカイルのそばにいたいと願っている。
「はい。カイル様と強く結ばれたいです……」
ユリスはカイルにうなじを差し出す。カイルは敏感なそこに口づけした。
「は……ぁ…ん……っ」
ヒート中のオメガのうなじを舌で唇で弄ばれてしまってはひとたまりもない。
再び熱をもつ身体と闘っていたとき、ズキンとうなじに鋭い痛みがはしった。
「ああっ!!」
発情した獣に咬まれたみたいだ。痛みと快楽がユリスの身体を支配し、与えられるものに敏感になって感じるだけ。
——今、番になったんだ……。
これはきっと悪魔の契約などではない。カイルの強い愛情の最果ての行為だ。
「あぁんっ……! カイルさま、カイルさまぁ……っ」
ずっとこのままカイルとこうして繋がっていたい。
番のアルファに抱かれることは、オメガの最高の快楽だ。
あなたにおすすめの小説
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
完結しました!ありがとうございました。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
様々な形での応援ありがとうございます!
新年に余り物でおせちを作ったら、冷酷と噂の騎士団長様に「運命の番」だと求婚されました
水凪しおん
BL
料理人だった俺が転生したのは、男性オメガというだけで家族に虐げられる不遇の青年カイ。
新年くらいはと前世の記憶を頼りに作ったのは、この世界にはない『おせち料理』だった。
それを偶然口にしたのは、氷のように冷酷と噂される最強の騎士団長リアム。
「お前は俺の運命の番だ」
彼の屋敷に保護され、俺の作る料理が彼の心を溶かしていく。
不器用で、だけどまっすぐな愛情を注いでくれる彼と、美味しい料理で紡ぐ、甘くて温かい異世界スローライフ。
悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました
水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。
原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。
「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」
破滅フラグを回避するため、俺は決意した。
主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。
しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。
「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」
いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!?
全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ!
小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!
溺愛アルファの完璧なる巣作り
夕凪
BL
【本編完結済】(番外編SSを追加中です)
ユリウスはその日、騎士団の任務のために赴いた異国の山中で、死にかけの子どもを拾った。
抱き上げて、すぐに気づいた。
これは僕のオメガだ、と。
ユリウスはその子どもを大事に大事に世話した。
やがてようやく死の淵から脱した子どもは、ユリウスの下で成長していくが、その子にはある特殊な事情があって……。
こんなに愛してるのにすれ違うことなんてある?というほどに溺愛するアルファと、愛されていることに気づかない薄幸オメガのお話。(になる予定)
※この作品は完全なるフィクションです。登場する人物名や国名、団体名、宗教等はすべて架空のものであり、実在のものと一切の関係はありません。
話の内容上、宗教的な描写も登場するかと思いますが、繰り返しますがフィクションです。特定の宗教に対して批判や肯定をしているわけではありません。
クラウス×エミールのスピンオフあります。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/504363362/542779091
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
※画像は男の子メーカーpicrewさんよりお借りしました。