4 / 76
1 告白したつもりはない
1-4
しおりを挟む
それから二日後。
「……あいつ、俺を無視しやがったな」
俺は昼休みにスマホを見て舌打ちする。
クラス内SNSグループから有馬の連絡先を見つけてメッセージを送ったのに、既読がついたきり、まったく返信がない。
別に変なメッセージは送ってない。ただ『昼休みにちょっと話せない?』みたいな感じで聞いただけだ。
「有馬の野郎、俺の決死のDMをなんだと思ってんだよ!」
もちろん有馬とやり取りなんてしたことがない。どうしようどうしようと悩んで悩んで、やっとの思いでドキドキしながらメッセージを送った俺の労力を返せよ。
何? 下々の生徒とは話す気ないってやつ? 前々から鼻につくやつだと思ってたけど、マジでムカつくな。
「返信ないの?」
「ないよ。俺、有馬に完全に無視されてる。俺の存在、あいつの中でなかったことになってるらしい」
俺は有馬の背中に向かって心の中で中指を立てる。
俺だってクラスグループの一員だ。メッセージ読んだら少しは反応しろよ。
「もうダメだ。有馬のことは諦めよう」
声もかけられない。メッセージも既読無視じゃ、他に手の打ちようがない。
有馬は俺にとって高嶺の花だったんだ。
「莉紬、こうなったら最後の手段だ」
裕太は自信ありげに言う。
「最後の手段……? まだなんかあんのかよ」
「もちろん。元気出せよ莉紬。俺が有馬とふたりきりで話せるようにしてやる」
裕太は、落ち込んでいる俺の肩を優しく叩く。
「マジで?」
「あぁ。俺に任せろって。お前は放課後に第二校舎の裏で待ってればいい。そこに有馬を呼び出してやるから」
「すげぇ助かるけどさ、どうやってあいつをおびき出すんだよ」
そんなこと言われても俺は訝しげだ。
裕太は自信満々だけど、裕太だって有馬とまともに話したことなんてないはずだ。どうする気なんだろ。
「何、お前。俺にそんなことできんのみたいな顔すんなよ。大丈夫、大丈夫、大丈夫だって! 莉紬はどうやって有馬を口説き落とすか考えてろよ。呼び出したって断られたら意味ねぇだろ」
「たしかに」
裕太の言うとおりだ。てか呼び出すよりもそっちの方がハードル高いな。
友達でもないのに、どうやったら有馬がそんな面倒なことを引き受けてくれる?
「たしかに!」
とりあえず有馬に声かけることばっか考えてて、そっちを考えてなかった。
「莉紬、なんか考えとけ。有馬の呼び出しは俺がやるから」
「あ、あぁ……ありがと……」
「これくらい気にすんなって。莉紬、俺と一緒に卒業しようぜ!」
そんなことを笑顔で言ってくれる裕太は頼もしい。
でも、俺は内心めっちゃ焦っている。
俺には何もない。
それでどうやってあの有馬を口説き落とすんだ……?
「……あいつ、俺を無視しやがったな」
俺は昼休みにスマホを見て舌打ちする。
クラス内SNSグループから有馬の連絡先を見つけてメッセージを送ったのに、既読がついたきり、まったく返信がない。
別に変なメッセージは送ってない。ただ『昼休みにちょっと話せない?』みたいな感じで聞いただけだ。
「有馬の野郎、俺の決死のDMをなんだと思ってんだよ!」
もちろん有馬とやり取りなんてしたことがない。どうしようどうしようと悩んで悩んで、やっとの思いでドキドキしながらメッセージを送った俺の労力を返せよ。
何? 下々の生徒とは話す気ないってやつ? 前々から鼻につくやつだと思ってたけど、マジでムカつくな。
「返信ないの?」
「ないよ。俺、有馬に完全に無視されてる。俺の存在、あいつの中でなかったことになってるらしい」
俺は有馬の背中に向かって心の中で中指を立てる。
俺だってクラスグループの一員だ。メッセージ読んだら少しは反応しろよ。
「もうダメだ。有馬のことは諦めよう」
声もかけられない。メッセージも既読無視じゃ、他に手の打ちようがない。
有馬は俺にとって高嶺の花だったんだ。
「莉紬、こうなったら最後の手段だ」
裕太は自信ありげに言う。
「最後の手段……? まだなんかあんのかよ」
「もちろん。元気出せよ莉紬。俺が有馬とふたりきりで話せるようにしてやる」
裕太は、落ち込んでいる俺の肩を優しく叩く。
「マジで?」
「あぁ。俺に任せろって。お前は放課後に第二校舎の裏で待ってればいい。そこに有馬を呼び出してやるから」
「すげぇ助かるけどさ、どうやってあいつをおびき出すんだよ」
そんなこと言われても俺は訝しげだ。
裕太は自信満々だけど、裕太だって有馬とまともに話したことなんてないはずだ。どうする気なんだろ。
「何、お前。俺にそんなことできんのみたいな顔すんなよ。大丈夫、大丈夫、大丈夫だって! 莉紬はどうやって有馬を口説き落とすか考えてろよ。呼び出したって断られたら意味ねぇだろ」
「たしかに」
裕太の言うとおりだ。てか呼び出すよりもそっちの方がハードル高いな。
友達でもないのに、どうやったら有馬がそんな面倒なことを引き受けてくれる?
「たしかに!」
とりあえず有馬に声かけることばっか考えてて、そっちを考えてなかった。
「莉紬、なんか考えとけ。有馬の呼び出しは俺がやるから」
「あ、あぁ……ありがと……」
「これくらい気にすんなって。莉紬、俺と一緒に卒業しようぜ!」
そんなことを笑顔で言ってくれる裕太は頼もしい。
でも、俺は内心めっちゃ焦っている。
俺には何もない。
それでどうやってあの有馬を口説き落とすんだ……?
789
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
彼氏の優先順位[本編完結]
セイ
BL
一目惚れした彼に告白されて晴れて恋人になったというのに彼と彼の幼馴染との距離が気になりすぎる!恋人の僕より一緒にいるんじゃない?は…!!もしかして恋人になったのは夢だった?と悩みまくる受けのお話。
メインの青衣×青空の話、幼馴染の茜の話、友人倉橋の数話ずつの短編構成です。それぞれの恋愛をお楽しみください。
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる