57 / 76
7 一緒にいたいから
7-2
しおりを挟む
「今村くんたち、いらっしゃい!」
店番係の同クラの女子たちが、俺たちをにこにこと歓迎してくれる。
裕太たちは知ってる顔と楽しげに話しながら炭酸飲料を購入してる。
そして俺の接客をしてくれたのは有馬だ。
「七沢、おはよう」
「ん、お、おはよう」
やっば、有馬、すげぇ嬉しそう。あまりの笑顔に俺が直視できないよ!
「どれにする?」
「え……んーと、サイダーにしよっかな」
「サイダーね」
俺は有馬に支払いをする。そして有馬は俺に冷えたサイダーのペットボトルを手渡してくれるんだけど。
「はい」
有馬はサイダーを手渡しながら、俺の手まで握ってきた。
だからダメだって、そういう態度!
すっかり動揺している俺に対して有馬は俺の耳元に顔を寄せてくる。
「十四時になったら時間空くから、第二校舎の裏に来て」
「……っ!」
バカ、なんで今こんなところで言うんだって思って周りをキョロキョロしたけど、騒がしくてみんな特に気にしていない様子でホッとした。
有馬は慌てる俺を見てニコニコしてるからタチが悪い。
バレたらどうするんだって!
有馬、お前が「趣味が悪い」って笑われるんだぞ。こんな俺なんか選んじゃってさ。
「ありがとうございました。文化祭、楽しんで」
有馬はクッソ爽やかな笑顔で俺に対応してくる。はぁもう、そんな顔されたら文句も言えないよ。
俺が第二校舎の裏に着いたとき、すでに有馬がひとりスマホをいじりながら待っていた。
相変わらずかっこいいな。普通に立ってスマホ触ってるだけでかっこいいんだからやばいって。
有馬って、ホント足長っ。スタイル異次元だよ、俺なんて夏休みのあいだ、ほぼほぼ身長伸びなかったのに。
「あ」
俺はふと気がついた。
有馬はいつものブレザーにシャツを着ているんだけど、シャツの第一ボタンが外れてる。ネクタイも緩め。もう優等生有馬じゃないみたいだ。
変わったよな、有馬も。
メガネもなくなって、髪型もいい感じに変わって、なんかさ、以前みたいな窮屈な雰囲気がなくなった。
文化祭準備のときもさ、当日のシフトを勝手に決めようとした先生に向かって、「生徒自身で決めるべきです」って有馬が自己主張したんだ。
あの自分を出さない有馬がだよ? 先生に対抗するのを初めて見た。先生も驚いて、「有馬がそう言うなら」って有馬の意見が通ったんだ。
「七沢。俺のこと見過ぎ」
有馬を眺めながらボーッと突っ立ってた俺に、有馬が呆れた顔をして、近づいてきた。
「来たなら声かけてよ」
「ごめん、見惚れてた」
本当に見惚れてたんだ。
不思議だな。ずっと見てても飽きないんだよなぁ。
「七沢ってさぁ。それ無自覚なの? それとも俺を煽ってる?」
「えっ?」
なんのこと……?
店番係の同クラの女子たちが、俺たちをにこにこと歓迎してくれる。
裕太たちは知ってる顔と楽しげに話しながら炭酸飲料を購入してる。
そして俺の接客をしてくれたのは有馬だ。
「七沢、おはよう」
「ん、お、おはよう」
やっば、有馬、すげぇ嬉しそう。あまりの笑顔に俺が直視できないよ!
「どれにする?」
「え……んーと、サイダーにしよっかな」
「サイダーね」
俺は有馬に支払いをする。そして有馬は俺に冷えたサイダーのペットボトルを手渡してくれるんだけど。
「はい」
有馬はサイダーを手渡しながら、俺の手まで握ってきた。
だからダメだって、そういう態度!
すっかり動揺している俺に対して有馬は俺の耳元に顔を寄せてくる。
「十四時になったら時間空くから、第二校舎の裏に来て」
「……っ!」
バカ、なんで今こんなところで言うんだって思って周りをキョロキョロしたけど、騒がしくてみんな特に気にしていない様子でホッとした。
有馬は慌てる俺を見てニコニコしてるからタチが悪い。
バレたらどうするんだって!
有馬、お前が「趣味が悪い」って笑われるんだぞ。こんな俺なんか選んじゃってさ。
「ありがとうございました。文化祭、楽しんで」
有馬はクッソ爽やかな笑顔で俺に対応してくる。はぁもう、そんな顔されたら文句も言えないよ。
俺が第二校舎の裏に着いたとき、すでに有馬がひとりスマホをいじりながら待っていた。
相変わらずかっこいいな。普通に立ってスマホ触ってるだけでかっこいいんだからやばいって。
有馬って、ホント足長っ。スタイル異次元だよ、俺なんて夏休みのあいだ、ほぼほぼ身長伸びなかったのに。
「あ」
俺はふと気がついた。
有馬はいつものブレザーにシャツを着ているんだけど、シャツの第一ボタンが外れてる。ネクタイも緩め。もう優等生有馬じゃないみたいだ。
変わったよな、有馬も。
メガネもなくなって、髪型もいい感じに変わって、なんかさ、以前みたいな窮屈な雰囲気がなくなった。
文化祭準備のときもさ、当日のシフトを勝手に決めようとした先生に向かって、「生徒自身で決めるべきです」って有馬が自己主張したんだ。
あの自分を出さない有馬がだよ? 先生に対抗するのを初めて見た。先生も驚いて、「有馬がそう言うなら」って有馬の意見が通ったんだ。
「七沢。俺のこと見過ぎ」
有馬を眺めながらボーッと突っ立ってた俺に、有馬が呆れた顔をして、近づいてきた。
「来たなら声かけてよ」
「ごめん、見惚れてた」
本当に見惚れてたんだ。
不思議だな。ずっと見てても飽きないんだよなぁ。
「七沢ってさぁ。それ無自覚なの? それとも俺を煽ってる?」
「えっ?」
なんのこと……?
783
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
彼氏の優先順位[本編完結]
セイ
BL
一目惚れした彼に告白されて晴れて恋人になったというのに彼と彼の幼馴染との距離が気になりすぎる!恋人の僕より一緒にいるんじゃない?は…!!もしかして恋人になったのは夢だった?と悩みまくる受けのお話。
メインの青衣×青空の話、幼馴染の茜の話、友人倉橋の数話ずつの短編構成です。それぞれの恋愛をお楽しみください。
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
美澄の顔には抗えない。
米奏よぞら
BL
スパダリ美形攻め×流され面食い受け
高校時代に一目惚れした相手と勢いで付き合ったはいいものの、徐々に相手の熱が冷めていっていることに限界を感じた主人公のお話です。
※なろう、カクヨムでも掲載中です。
付き合って一年マンネリ化してたから振られたと思っていたがどうやら違うようなので猛烈に引き止めた話
雨宮里玖
BL
恋人の神尾が突然連絡を経って二週間。神尾のことが諦められない樋口は神尾との思い出のカフェに行く。そこで神尾と一緒にいた山本から「神尾はお前と別れたって言ってたぞ」と言われ——。
樋口(27)サラリーマン。
神尾裕二(27)サラリーマン。
佐上果穂(26)社長令嬢。会社幹部。
山本(27)樋口と神尾の大学時代の同級生。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる