68 / 76
番外編『その罰ゲームは無効です』
番外編-1
しおりを挟む
それは本当に軽いノリだった。
佐久間もいけないんだけど、俺も悪かった。
「負けたほうが勝ったほうの言うこときくって約束だろっ?」
佐久間は有馬にドヤ顔で迫る。
ある日の放課後、教室の窓際で有馬たちのグループが話をしている。
裕太たちと、まったりすごしている俺は、その内容を聞いてないふりをして実はがっつり聞いている。だって気になって仕方がない。
俺の盗み聞き情報によると、テニスの男女ダブルス戦で、有馬と佐久間が対決して、佐久間ペアが勝ったらしい。で、その勝負に負けたほうは勝ったほうの指示に従う約束をしたみたいだ。
罰ゲームを受けるのは有馬でもペアになった女子でも、どちらでもいいみたいなんだけど、まさか有馬がそれを女子にやらせるわけがない。有馬とペアになった女子が「有馬くんごめんね」と謝るのに対して、有馬は「大丈夫だ」と優しく応じている。
「んー。有馬に何してもらおうかな」
勝ったほうの佐久間は上機嫌だ。佐久間がニヤニヤしながら何かを考えているとき、佐久間とペアだった女子が「私、有馬くんにハグしてもらいたい」と、とんでもないことを言いだした。
それを聞いた俺は気が気じゃない。
ダメだ。ダメに決まってる!
俺の有馬に何させようとしてるんだよっ。
「えーっ。キスしてもらったら?」
うわ、最悪だ。グループ内の女子がさらに余計なことを言いだしてる!
キスはダメ。絶対に許せない。
さすがにそれは断れよ、有馬!
「いいね、それ」
佐久間の大バカ野郎が膝を打つ。
絶対にクソ罰ゲームだろ、そんなこと有馬にさせるなよ。
全然関係ない俺だけど、さすがに黙っていられなくて、ついに佐久間のほうを向く。
だって佐久間は俺の気持ちを知っているはずだ。ひと睨みして、黙らせてやろうと思った。
「でもさ、さすがに女子にするのはよろしくない!」
「うぁっ!」
急に佐久間に腕を引かれた俺は、突然のことに身体が反応できずによろめいた。そして、そのまま有馬たちのグループに引き込まれる。
「七沢にしよう」
「は……?」
「男ならいいだろ。有馬。決めた! お前、七沢にハグしてキスしろ」
佐久間はいきなり何を言い出すんだ……?
有馬が、罰ゲームで、俺にハグとキスをするのかっ?
「ちょっ……! おい佐久間っ」
俺は佐久間にくってかかる。
これは黙っていられない。そんなこと有馬にさせちゃダメだ。
「えー、七沢が嫌なら他のやつにしてもらうかぁ……」
「え……?」
佐久間の言葉に俺はぴたりと動きを止めた。
俺が嫌がったら、有馬は他の誰かとキスすることになる。それはもっと嫌だ。そんなことになるくらいなら俺が相手になりたい。
佐久間は俺に意味深な視線を向けてくる。
こいつ、なにもかもわかってて俺を選んだな。
有馬のキスの相手が女子だったらマジで笑えない。でも男の俺なら周りは笑って終わる。
そして、俺と有馬の関係性を知っている佐久間は、俺を相手として引き合わせても嫌がらないと思ったんだろう。
でも、みんなが見ている前で、有馬とそんなことするなんて!
でもでも、俺が断ったら、有馬が俺以外の誰かと……。
佐久間もいけないんだけど、俺も悪かった。
「負けたほうが勝ったほうの言うこときくって約束だろっ?」
佐久間は有馬にドヤ顔で迫る。
ある日の放課後、教室の窓際で有馬たちのグループが話をしている。
裕太たちと、まったりすごしている俺は、その内容を聞いてないふりをして実はがっつり聞いている。だって気になって仕方がない。
俺の盗み聞き情報によると、テニスの男女ダブルス戦で、有馬と佐久間が対決して、佐久間ペアが勝ったらしい。で、その勝負に負けたほうは勝ったほうの指示に従う約束をしたみたいだ。
罰ゲームを受けるのは有馬でもペアになった女子でも、どちらでもいいみたいなんだけど、まさか有馬がそれを女子にやらせるわけがない。有馬とペアになった女子が「有馬くんごめんね」と謝るのに対して、有馬は「大丈夫だ」と優しく応じている。
「んー。有馬に何してもらおうかな」
勝ったほうの佐久間は上機嫌だ。佐久間がニヤニヤしながら何かを考えているとき、佐久間とペアだった女子が「私、有馬くんにハグしてもらいたい」と、とんでもないことを言いだした。
それを聞いた俺は気が気じゃない。
ダメだ。ダメに決まってる!
俺の有馬に何させようとしてるんだよっ。
「えーっ。キスしてもらったら?」
うわ、最悪だ。グループ内の女子がさらに余計なことを言いだしてる!
キスはダメ。絶対に許せない。
さすがにそれは断れよ、有馬!
「いいね、それ」
佐久間の大バカ野郎が膝を打つ。
絶対にクソ罰ゲームだろ、そんなこと有馬にさせるなよ。
全然関係ない俺だけど、さすがに黙っていられなくて、ついに佐久間のほうを向く。
だって佐久間は俺の気持ちを知っているはずだ。ひと睨みして、黙らせてやろうと思った。
「でもさ、さすがに女子にするのはよろしくない!」
「うぁっ!」
急に佐久間に腕を引かれた俺は、突然のことに身体が反応できずによろめいた。そして、そのまま有馬たちのグループに引き込まれる。
「七沢にしよう」
「は……?」
「男ならいいだろ。有馬。決めた! お前、七沢にハグしてキスしろ」
佐久間はいきなり何を言い出すんだ……?
有馬が、罰ゲームで、俺にハグとキスをするのかっ?
「ちょっ……! おい佐久間っ」
俺は佐久間にくってかかる。
これは黙っていられない。そんなこと有馬にさせちゃダメだ。
「えー、七沢が嫌なら他のやつにしてもらうかぁ……」
「え……?」
佐久間の言葉に俺はぴたりと動きを止めた。
俺が嫌がったら、有馬は他の誰かとキスすることになる。それはもっと嫌だ。そんなことになるくらいなら俺が相手になりたい。
佐久間は俺に意味深な視線を向けてくる。
こいつ、なにもかもわかってて俺を選んだな。
有馬のキスの相手が女子だったらマジで笑えない。でも男の俺なら周りは笑って終わる。
そして、俺と有馬の関係性を知っている佐久間は、俺を相手として引き合わせても嫌がらないと思ったんだろう。
でも、みんなが見ている前で、有馬とそんなことするなんて!
でもでも、俺が断ったら、有馬が俺以外の誰かと……。
576
あなたにおすすめの小説
彼氏の優先順位[本編完結]
セイ
BL
一目惚れした彼に告白されて晴れて恋人になったというのに彼と彼の幼馴染との距離が気になりすぎる!恋人の僕より一緒にいるんじゃない?は…!!もしかして恋人になったのは夢だった?と悩みまくる受けのお話。
メインの青衣×青空の話、幼馴染の茜の話、友人倉橋の数話ずつの短編構成です。それぞれの恋愛をお楽しみください。
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
本気になった幼なじみがメロすぎます!
文月あお
BL
同じマンションに住む年下の幼なじみ・玲央は、イケメンで、生意気だけど根はいいやつだし、とてもモテる。
俺は失恋するたびに「玲央みたいな男に生まれたかったなぁ」なんて思う。
いいなぁ玲央は。きっと俺より経験豊富なんだろうな――と、つい出来心で聞いてしまったんだ。
「やっぱ唇ってさ、やわらけーの?」
その軽率な質問が、俺と玲央の幼なじみライフを、まるっと変えてしまった。
「忘れないでよ、今日のこと」
「唯くんは俺の隣しかだめだから」
「なんで邪魔してたか、わかんねーの?」
俺と玲央は幼なじみで。男同士で。生まれたときからずっと一緒で。
俺の恋の相手は女の子のはずだし、玲央の恋の相手は、もっと素敵な人であるはずなのに。
「素数でも数えてなきゃ、俺はふつーにこうなんだよ、唯くんといたら」
そんな必死な顔で迫ってくんなよ……メロすぎんだろーが……!
【攻め】倉田玲央(高一)×【受け】五十嵐唯(高三)
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
俺の親友のことが好きだったんじゃなかったのかよ
雨宮里玖
BL
《あらすじ》放課後、三倉は浅宮に呼び出された。浅宮は三倉の親友・有栖のことを訊ねてくる。三倉はまたこのパターンかとすぐに合点がいく。きっと浅宮も有栖のことが好きで、三倉から有栖の情報を聞き出そうとしているんだなと思い、浅宮の恋を応援すべく協力を申し出る。
浅宮は三倉に「協力して欲しい。だからデートの練習に付き合ってくれ」と言い——。
攻め:浅宮(16)
高校二年生。ビジュアル最強男。
どんな口実でもいいから三倉と一緒にいたいと思っている。
受け:三倉(16)
高校二年生。平凡。
自分じゃなくて俺の親友のことが好きなんだと勘違いしている。
天使から美形へと成長した幼馴染から、放課後の美術室に呼ばれたら
たけむら
BL
美形で天才肌の幼馴染✕ちょっと鈍感な高校生
海野想は、保育園の頃からの幼馴染である、朝川唯斗と同じ高校に進学した。かつて天使のような可愛さを持っていた唯斗は、立派な美形へと変貌し、今は絵の勉強を進めている。
そんなある日、数学の補習を終えた想が唯斗を美術室へと迎えに行くと、唯斗はひどく驚いた顔をしていて…?
※1話から4話までは別タイトルでpixivに掲載しております。続きも書きたくなったので、ゆっくりではありますが更新していきますね。
※第4話の冒頭が消えておりましたので直しました。
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
真面目学級委員がファッティ男子を徹底管理した結果⁉
小池 月
BL
☆ファッティ高校生男子<酒井俊>×几帳面しっかり者高校男子<風見凛太朗>のダイエットBL☆
晴青高校二年五組の風見凛太朗は、初めて任された学級委員の仕事を責任を持ってこなすために日々頑張っている。
そんなある日、ホームルームで「若者のメタボ」を注意喚起するプリントが配られた。するとクラス内に「これって酒井の事じゃん」と嘲笑が起きる。
クラスで一番のメタボ男子(ファッティ男子)である酒井俊は気にした風でもないが、これがイジメに発展するのではないかと心配する凛太朗は、彼のダイエットを手伝う決意をする。だが、どうやら酒井が太っているのには事情がありーー。
高校生活の貴重なひと時の中に、自分を変える出会いがある。輝く高校青春BL☆
青春BLカップ参加作品です!ぜひお読みくださいませ(^^♪
お気に入り登録・感想・イイネ・投票(BETボタンをポチ)などの応援をいただけると大変嬉しいです。
9/7番外編完結しました☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる