チョコレートのきみ

nanomaru

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ひとくちで君を想う。

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ぜいぜいと足早に、息をきらして急いで店をあとにした。
手にはチョコレートとケーキがたんまりとある。

戦利品を手にし、彼と話せたことが頭のなかを駆け巡り、曖昧な吐息が甘く僕を包みこんだ。

どうしよう、変な客だと思われてないかな?
そんな不安も吹き飛ぶくらい、彼の微笑みが僕の胸のなかを熱くさせた。
何度も何度も反芻する。
彼の一言一句も逃したくない。

駅の近くまで戻ってきた。駅の東口あたりに、小さな公園があった。
そこで、一息つき、手にしたチョコレートを再度確かめる。

「これ、どうしよう。」
と、手にしたチョコレートを1つ頬張ってみた。

甘い、ほろ苦い、口のなかで優しく溶けていく。
チョコレートが今ほど美味しいと思ったことがなかった僕は、彼の言葉が体温でとろけるチョコレートのように、身体に染みていく。

「美味しい・・・・・・。」
彼の言葉は嘘じゃなかった。

こんなところで味わうものじゃない、だけど彼をいち早く感じたい。
そんな矛盾に満ちた想いが、チョコレートに手を出させる。
もう1つ頬張ってみた。

こっちは、甘く、甘く、オレンジピューレが効いたフルーティーで、すっきりしている。
「これも美味しい。」

後は帰ってから食べよう。
彼の言葉をまた噛み締めて、電車に乗るべく、駅に向かった。
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