チョコレートのきみ

nanomaru

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僕はあれから、彼の所に通うようになっていた。
1粒ずつチョコレートを買ってはあの公園で、1人楽しんでいた。
彼は会うたび、気さくに僕に話しかけてくれた。
時に他愛のない話に花を咲かせ、彼のことがもっと知りたくなっていった。
那比隼人と彼の名前も聞けた。

「僕は、大宮誉志っていいます。」

僕も名を明かした。次にこんなことも話してみた。

「僕の住んでいるマンションの隣にメンマ工場があると思っているんです。」

「メンマ工場?なにそれ?そんなのがあるの?」
彼は苦笑したけれど、僕は大真面目だった。

「この話はまだ誰にも言ってはいないんです。不思議でしょ?マンションに帰ると必ずメンマの香りがするんです。だから、これは誰かメンマを炊いてるなと。」
「君は面白いね。僕なら不審に思うよ。」
と、ケタケタと笑ってくれた。

「本当にメンマの香りがするんです!これは本当に!」

「わかったよ。じゃそういうことで。今日はどのチョコレートを持って帰る?」

「信じてない。あ。今日はガトーショコラにします。」

「信じるも信じないも、その香りを実際嗅いでないからわからないよ。なんなら、君の部屋に招待してくれるなら、僕は信じるかもね。」

「えっと、それは、僕の部屋に来たいってことですか?」

「そういう意味以外何があるの?君と話してると凄く楽しいからね。」
と、屈託ない笑顔を見せた。

顔がみるみる熱くなるのが、自分でもわかった。
嬉しさ半分戸惑いが半分、僕は戸惑っていた。

「とりあえず、ガトーショコラをください!」

「はい、はい。かしこまりました。」
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