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3、愛を教えてくれた君へ side拓真
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「今日は暑いから赤いんだよ。」
「はいはい、そういうことにしておきましょう。それで実際恋なの?どうなの?」
「はい、おっしゃる通りです……」
「やっぱり!」と佐藤は目をキラキラさせてこちらを見てくる。しかしその目線は、全てを白状しろという圧力を感じるくらいに鋭い。
「実は一目惚れで、なぜかその日のうちに付き合うことに?なったのか…そういえば……」
話しながら思い返せば「付き合ってください」って俺言ってなくね?さっきまで熱かった体は、一気に血の気が引いたかのように冷えていった。
「気になることがあるなら、この際吐き出したら?」
俺の様子を見た佐藤は手を止めて、真剣な目で俺の肩に手を置く。
「相手も俺を好きだと言ってくれたんだ。だけど、「付き合ってください」って言ってないから多分付き合ってなくて…でもキス……はしたし、付き合ってるものだと……」
自分で言っていて悲しくて勘違いしていることが恥ずかしくなり、声は段々と小さくなっていった。
佐藤の方をチラッと見ると、真剣な目から哀れみの目に変わっていた。その目は誰に向けた目なんだ?「付き合って」と言わなかった俺へか?それとも言わずにキスされた尊くんへの目なのか?お願いだ何か言ってくれ佐藤!
終始穏やかではない思考回路を読まれたかの様に、佐藤はため息を吐く。
「別に「付き合ってください」なんて言わなくてもキスまでしたなら付き合ってるでしょ。同意したってことよ。」
「「付き合ってください」って大切じゃないか?そんなフワッとした感じで付き合うなんて…イテッ」
「あんたは純情か!」
そう突っ込まれて、思い切り背中を叩かれた。ヒリヒリと激しい痛みのする背中を摩りながら、意味が分からないという顔で佐藤を見る。だって大事だろ?言葉にしないと不安になるだろうし、これって付き合ってるの?なんて、時間が経つにつれて聞き辛くなるだろうし。男同士なら尚更、不安になるだろうし…
「というか、普通に連絡して休日に会えばいいんじゃない?」
「いやぁ、連絡先聞いてなくて…イィッ!」
バシンッと、さっきよりも凄まじい勢いで叩かれた。今度のはオフィスに音が響いているのでは?というくらい良い音がした。痛すぎるぞ佐藤…
「何それ、仕事より恋人でしょ!なんで残業なんてしてるの、バカなの?仕事バカなの?」
「いや、それは人それぞれだろ…」
「いーや今は付き合いたての恋人だね。連絡取れなくて、しかも会いに来ないなんて、相手は絶対弄ばれたって思ってるよ。なんで出会った日だけは残業やめなかったのか、理解に苦しむわ。というか、早朝出勤にしたら良かったんじゃない?。」
「あっ…全然思いつかなかったわ。」
佐藤の言う通りだ。どうして俺はそんなことに気付かなかったのかと、頭を抱えた。
尊くんはきっと心から俺のことを好き…そうだった…キスまでしたのに、それから会いに来ないなんて、心を弄ばれたと思うに違いない。すごく傷付けたに違いない。俺は本当に馬鹿過ぎる。
項垂れていると、佐藤がやれやれという顔で話しかけてきた。
「今日は定時に上がって、プレゼントでも買って謝りに行ったら。それでもう1回ちゃんと言えばいいんじゃない?」
「こんなに放置したのに会ってくれるかな?嫌な顔されたりして…」
尊くんは優しい俺が好きって感じだったしな。幻滅したかも……
「うじうじするなんて二階堂らしくないわ、気持ち悪い!」
「イッッテっ!今度は脚!?」
今度は佐藤に脚を蹴られた。佐藤さんちょっと今日いつもより暴力的ですね?と言うように目線を送るが、逆に鋭い視線で睨み返された。しかし悪いのは俺だ。確かにうじうじしてても時間の無駄だし今日こそは会いに行こう、何がなんでも。
「ありがとう佐藤。俺今日行って来るよ。」
「そうした方がいいわ。じゃあさっさとこの書類終わらせましょ。」
「あぁ、絶対今度奢るからな。」
「期待してるわ。ま、振られたら今日でもいいけど」
「縁起でもないこと言わないでくれ…」
ケラケラ笑いながら冗談を言うが、目線は「大丈夫」と言っているようにも見えた。佐藤なりに励ましてくれているのだろう。本当にいい同僚に恵まれた。
よし、定時まであと数時間、何がなんでも終わらせるぞと意気込み、俺と佐藤は猛スピード書類を捌いていった。
定時まであと1時間。佐藤の助けもあり、定時に帰れる目処が立った。これでようやく尊くんに会いに行ける。どんなプレゼントを買って行こうか考えながらラストの資料に目を通す。
「ふぅ、なんとか終わりそうね。」
「本当に助かったよ、ありがとな佐藤。」
「こういうのはお互い様だから。私が困った時もよろしく。」
「もちろんだとも。」
「あ、これ四乃が作成したやつか、チェック遅くなっちまったな。」
「じゃあ、私が四乃に渡してくるよ。問題なかったんでしょ?」
「いや、1箇所間違いがあるな…」
「へぇ珍しい。でも間違い直して再チェックしてたら時間過ぎちゃうよ。期日まだなら明日再提出してもらったら?」
「そうするか…今日は四乃も早めに返すか。」
「それがいいんじゃない?」
四乃1人だけ残業させるのも忍びないので、今日は無理矢理にでも定時で上がらせよう。そう思い、四乃のデスクまで佐藤と行くことにした。
「はいはい、そういうことにしておきましょう。それで実際恋なの?どうなの?」
「はい、おっしゃる通りです……」
「やっぱり!」と佐藤は目をキラキラさせてこちらを見てくる。しかしその目線は、全てを白状しろという圧力を感じるくらいに鋭い。
「実は一目惚れで、なぜかその日のうちに付き合うことに?なったのか…そういえば……」
話しながら思い返せば「付き合ってください」って俺言ってなくね?さっきまで熱かった体は、一気に血の気が引いたかのように冷えていった。
「気になることがあるなら、この際吐き出したら?」
俺の様子を見た佐藤は手を止めて、真剣な目で俺の肩に手を置く。
「相手も俺を好きだと言ってくれたんだ。だけど、「付き合ってください」って言ってないから多分付き合ってなくて…でもキス……はしたし、付き合ってるものだと……」
自分で言っていて悲しくて勘違いしていることが恥ずかしくなり、声は段々と小さくなっていった。
佐藤の方をチラッと見ると、真剣な目から哀れみの目に変わっていた。その目は誰に向けた目なんだ?「付き合って」と言わなかった俺へか?それとも言わずにキスされた尊くんへの目なのか?お願いだ何か言ってくれ佐藤!
終始穏やかではない思考回路を読まれたかの様に、佐藤はため息を吐く。
「別に「付き合ってください」なんて言わなくてもキスまでしたなら付き合ってるでしょ。同意したってことよ。」
「「付き合ってください」って大切じゃないか?そんなフワッとした感じで付き合うなんて…イテッ」
「あんたは純情か!」
そう突っ込まれて、思い切り背中を叩かれた。ヒリヒリと激しい痛みのする背中を摩りながら、意味が分からないという顔で佐藤を見る。だって大事だろ?言葉にしないと不安になるだろうし、これって付き合ってるの?なんて、時間が経つにつれて聞き辛くなるだろうし。男同士なら尚更、不安になるだろうし…
「というか、普通に連絡して休日に会えばいいんじゃない?」
「いやぁ、連絡先聞いてなくて…イィッ!」
バシンッと、さっきよりも凄まじい勢いで叩かれた。今度のはオフィスに音が響いているのでは?というくらい良い音がした。痛すぎるぞ佐藤…
「何それ、仕事より恋人でしょ!なんで残業なんてしてるの、バカなの?仕事バカなの?」
「いや、それは人それぞれだろ…」
「いーや今は付き合いたての恋人だね。連絡取れなくて、しかも会いに来ないなんて、相手は絶対弄ばれたって思ってるよ。なんで出会った日だけは残業やめなかったのか、理解に苦しむわ。というか、早朝出勤にしたら良かったんじゃない?。」
「あっ…全然思いつかなかったわ。」
佐藤の言う通りだ。どうして俺はそんなことに気付かなかったのかと、頭を抱えた。
尊くんはきっと心から俺のことを好き…そうだった…キスまでしたのに、それから会いに来ないなんて、心を弄ばれたと思うに違いない。すごく傷付けたに違いない。俺は本当に馬鹿過ぎる。
項垂れていると、佐藤がやれやれという顔で話しかけてきた。
「今日は定時に上がって、プレゼントでも買って謝りに行ったら。それでもう1回ちゃんと言えばいいんじゃない?」
「こんなに放置したのに会ってくれるかな?嫌な顔されたりして…」
尊くんは優しい俺が好きって感じだったしな。幻滅したかも……
「うじうじするなんて二階堂らしくないわ、気持ち悪い!」
「イッッテっ!今度は脚!?」
今度は佐藤に脚を蹴られた。佐藤さんちょっと今日いつもより暴力的ですね?と言うように目線を送るが、逆に鋭い視線で睨み返された。しかし悪いのは俺だ。確かにうじうじしてても時間の無駄だし今日こそは会いに行こう、何がなんでも。
「ありがとう佐藤。俺今日行って来るよ。」
「そうした方がいいわ。じゃあさっさとこの書類終わらせましょ。」
「あぁ、絶対今度奢るからな。」
「期待してるわ。ま、振られたら今日でもいいけど」
「縁起でもないこと言わないでくれ…」
ケラケラ笑いながら冗談を言うが、目線は「大丈夫」と言っているようにも見えた。佐藤なりに励ましてくれているのだろう。本当にいい同僚に恵まれた。
よし、定時まであと数時間、何がなんでも終わらせるぞと意気込み、俺と佐藤は猛スピード書類を捌いていった。
定時まであと1時間。佐藤の助けもあり、定時に帰れる目処が立った。これでようやく尊くんに会いに行ける。どんなプレゼントを買って行こうか考えながらラストの資料に目を通す。
「ふぅ、なんとか終わりそうね。」
「本当に助かったよ、ありがとな佐藤。」
「こういうのはお互い様だから。私が困った時もよろしく。」
「もちろんだとも。」
「あ、これ四乃が作成したやつか、チェック遅くなっちまったな。」
「じゃあ、私が四乃に渡してくるよ。問題なかったんでしょ?」
「いや、1箇所間違いがあるな…」
「へぇ珍しい。でも間違い直して再チェックしてたら時間過ぎちゃうよ。期日まだなら明日再提出してもらったら?」
「そうするか…今日は四乃も早めに返すか。」
「それがいいんじゃない?」
四乃1人だけ残業させるのも忍びないので、今日は無理矢理にでも定時で上がらせよう。そう思い、四乃のデスクまで佐藤と行くことにした。
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