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15、一緒に暮らして
③
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「正直引いただろ…男のくせに抵抗しないで…さ…しかも最初尊くんを信じられなかった…あんなところ見られたら、落胆するって、勝手に決めつけた…でもさ、信じてくれてて嬉しかった…ありがとう」
「僕は信じることに決めたんです、あの日来てくれた時から。今度は信じようって思えたから。拓真さんは、どうですか?」
「尊くんは信じられるよ。でも信じられなかった自分が嫌なんだ…そんな自分が、君のそばにいるのが許せない…さっきから付きまとって離れないんだ、お前がそこにいていいのかって…」
「何それ…だったら僕が言いますよ。そばにいてください。拓真さんしかダメです。他の誰とか考えられません。僕の言葉は信じられるんですよね。拓真さんが不安に思うたびに言います」
その瞬間、僕の腕を持っていた拓真さんの手から力が抜けた。僕は丁寧に彼の手を剥がし、頭に乗っているタオルを取った。泣き過ぎて腫れた目は真っ赤で痛々しかった。それよりさらに痛々しかったのは、あの男にキスマークを付けられた首筋だった。真っ赤に腫れて、無数の引っかき傷があった。
「どうしてこんな…」
「目に入るたびにさっきのことを鮮明に思い出して…」
そう言いながら目を逸らして傷を手で覆った。
「そんなことする前に、僕を頼ってよ」
怖い思いをした拓真さんを傷付けないために、過剰な触れ合いは我慢していたけれど、そんなの言ってられないくらい拓真さんは脆く崩れそうだった。だから僕はそんな気遣いに構わず、彼を抱きしめた。
「頼って…そのキスマークが嫌悪の象徴なら、僕が上書きしてあげるから…幸せの象徴として、いっぱいしてあげる。身体もいっぱい優しく温めてあげるから…だから頼って」
「そんなの…」
「申し訳ないとか、罪悪感とか、もう抱けないくらい僕でいっぱいにしてあげるよ?」
「俺にそんな権利…」
「あるよ。それを決めるのはする側の僕だから…だからあるよ、拓真さんにはその権利が」
自分なんか愛される資格ないって心のどこかで思っているから否定的なんだよね。僕もそうだから分かるよ。だからちゃんと言葉で伝えなきゃ、話さなきゃ分からないことってあるよね。それを僕は先に知っていた。ただそれだけ僕のが先輩で、奥底にあるものは同じなのかもしれない。
「言えないなら、僕がしてあげたいこと…してもいい?」
拓真さんは少し迷った末、ゆっくりと頷いてくれた。急に言われても「それなら」と受け入れることなんて難しい。今の状況は特にそうだ。少しずつ昨日みたいになれたらいいなと思う。
「じゃあとりあえず髪の毛乾かそ?僕がやってあげるから、フルシティと遊んでて」
拓真さんを床に座らせてフルシティを拓真さんの上に乗せた。髪を乾かしていると、拓真さんの身体が上下に揺れ始めた。安心してくれたのか、温かさのせいかわからないけれど、僕に対しての警戒心はもうないようだ。
「拓真さん、終わりましたよ」
「あ、ありがとう」
「首筋の傷も手当しましょう」
僕もこの傷は見たくなかった。正直責められている気分だった。だから傷だけじゃなくて首ごと包帯で巻いた。首全体が見えないように。
「大袈裟じゃない?」
「そうですか?さぁ今日はもう寝ましょう」
「あ、うん」
「拓真さんはベッド使ってください。僕はソファで寝るので」
「いや家主をソファで寝かせるのは…」
「申し訳なくない、ですよ」
僕は一緒に寝たい気持ちを抑えて、拓真さんをベッドに寝かせようと彼の背中を押して寝室に向かった。
「何かあったらいつでもリビングに来てください、おやすみなさい」
キスしたい気持ちを抑えて僕は拓真さんを自分のベッドに寝かせた。拓真さんは促されるまま、大人しくベッドに入ってくれた。
僕が寝室を出ると同時にフルシティが寝室に入って行った。この子猫、最初に助けてくれた人間が分かるんじゃないかってくらい拓真さんに懐いている。今日だって本当は僕が一緒に寝られる予定だったのに。だけどフルシティが拓真さんの癒しになるなら今は譲るしかない。今だけは飼い猫のポジションが羨ましかった。
「猫に嫉妬って格好わる」
色々なことがたった数時間のうちに起こり、疲れ切っていた僕は脱力するようにソファに腰掛けた。
今日の男は拓真さんとどういう関係なんだ?先輩か後輩か同僚か、一緒の仕事でもしているのか?気になったら仕方がなかった。寝ようと思ったけど今日は寝られそうにないくらい考え事で頭が冴えてしまった。
「よし、こういう時はコーヒーの配合を考えるか」
真実が分からない以上あれこれ考えてもただ時間を無駄にするだけだ。疑問はいつか拓真さんに聞けばいいわけだし、今は仕事のことを考えることにした。
「僕は信じることに決めたんです、あの日来てくれた時から。今度は信じようって思えたから。拓真さんは、どうですか?」
「尊くんは信じられるよ。でも信じられなかった自分が嫌なんだ…そんな自分が、君のそばにいるのが許せない…さっきから付きまとって離れないんだ、お前がそこにいていいのかって…」
「何それ…だったら僕が言いますよ。そばにいてください。拓真さんしかダメです。他の誰とか考えられません。僕の言葉は信じられるんですよね。拓真さんが不安に思うたびに言います」
その瞬間、僕の腕を持っていた拓真さんの手から力が抜けた。僕は丁寧に彼の手を剥がし、頭に乗っているタオルを取った。泣き過ぎて腫れた目は真っ赤で痛々しかった。それよりさらに痛々しかったのは、あの男にキスマークを付けられた首筋だった。真っ赤に腫れて、無数の引っかき傷があった。
「どうしてこんな…」
「目に入るたびにさっきのことを鮮明に思い出して…」
そう言いながら目を逸らして傷を手で覆った。
「そんなことする前に、僕を頼ってよ」
怖い思いをした拓真さんを傷付けないために、過剰な触れ合いは我慢していたけれど、そんなの言ってられないくらい拓真さんは脆く崩れそうだった。だから僕はそんな気遣いに構わず、彼を抱きしめた。
「頼って…そのキスマークが嫌悪の象徴なら、僕が上書きしてあげるから…幸せの象徴として、いっぱいしてあげる。身体もいっぱい優しく温めてあげるから…だから頼って」
「そんなの…」
「申し訳ないとか、罪悪感とか、もう抱けないくらい僕でいっぱいにしてあげるよ?」
「俺にそんな権利…」
「あるよ。それを決めるのはする側の僕だから…だからあるよ、拓真さんにはその権利が」
自分なんか愛される資格ないって心のどこかで思っているから否定的なんだよね。僕もそうだから分かるよ。だからちゃんと言葉で伝えなきゃ、話さなきゃ分からないことってあるよね。それを僕は先に知っていた。ただそれだけ僕のが先輩で、奥底にあるものは同じなのかもしれない。
「言えないなら、僕がしてあげたいこと…してもいい?」
拓真さんは少し迷った末、ゆっくりと頷いてくれた。急に言われても「それなら」と受け入れることなんて難しい。今の状況は特にそうだ。少しずつ昨日みたいになれたらいいなと思う。
「じゃあとりあえず髪の毛乾かそ?僕がやってあげるから、フルシティと遊んでて」
拓真さんを床に座らせてフルシティを拓真さんの上に乗せた。髪を乾かしていると、拓真さんの身体が上下に揺れ始めた。安心してくれたのか、温かさのせいかわからないけれど、僕に対しての警戒心はもうないようだ。
「拓真さん、終わりましたよ」
「あ、ありがとう」
「首筋の傷も手当しましょう」
僕もこの傷は見たくなかった。正直責められている気分だった。だから傷だけじゃなくて首ごと包帯で巻いた。首全体が見えないように。
「大袈裟じゃない?」
「そうですか?さぁ今日はもう寝ましょう」
「あ、うん」
「拓真さんはベッド使ってください。僕はソファで寝るので」
「いや家主をソファで寝かせるのは…」
「申し訳なくない、ですよ」
僕は一緒に寝たい気持ちを抑えて、拓真さんをベッドに寝かせようと彼の背中を押して寝室に向かった。
「何かあったらいつでもリビングに来てください、おやすみなさい」
キスしたい気持ちを抑えて僕は拓真さんを自分のベッドに寝かせた。拓真さんは促されるまま、大人しくベッドに入ってくれた。
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「猫に嫉妬って格好わる」
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今日の男は拓真さんとどういう関係なんだ?先輩か後輩か同僚か、一緒の仕事でもしているのか?気になったら仕方がなかった。寝ようと思ったけど今日は寝られそうにないくらい考え事で頭が冴えてしまった。
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