好きだから傍に居たい

麻沙綺

文字の大きさ
上 下
6 / 179

お祝いの言葉が嬉しくて…亜耶

しおりを挟む


 遥さん達が出て行った後、教室内が騒がしくなる。
 龍哉くんが振り向いたと思ったら。
「結婚、おめでとう。」
 小声で言ってきた。
 まさか、おめでとうって言ってくれるクラスメートが居るなんて、思わなかった。
「あ、ありがとう。何で私だって、わかったの?」
 私の質問に。
「えっ、あぁ。一様、俺もセレブになるんだよ。末端だけど……。亜耶ちゃんと高橋さんの事知ってはいたんだ。ただ、余り口外してないことだろ? だから、言えなかったってのが本音。」
 龍哉くんが、照れ臭そうに言う。
 えっ、それって、まさか……。
「じゃあ、新年会とか行ったことある?」
 私は、何気に聞いていた。
「うん。小学校の高学年ぐらいからかなぁ。“上の人に顔を売っておけ”って、親に言われて、それから毎年の様に行ってる。雅斗さんにも声掛けてもらえるぐらいには、ね。」
 龍哉くんが、苦笑して言う。
 龍哉くんの口から、お兄ちゃんの名前が出てくるとは……。
「へぇ~毎年出てるんだ。私は、出してもらえなくて、ホテルに監禁状態だよ。両親もお兄ちゃんも出てるのにさ。未だに出させてもらえない。まぁ途中から、遥さんがお爺様に挨拶を終えてから、私の所に来て、一緒に出掛けれるようになったんだけどね。遥さんが居ないと出ることも出来ないし……。」
 今年は、監禁状態だったんだよね。
 遥さんと絶交してたし……。
 遥さん自信が忙しくて、新年会出てなかったみたいだし、まぁそれだけじゃないと思うけど。
 今思えば、遥さんと出会った翌年から、許可が出たんだよね。その時から、新年会は遥さんとのデートの日になったんだよね。

「亜耶ちゃんって、毎年来てるのに出ないの?」
 不思議がる龍哉くんに。
「うん。お爺様が、"亜耶は出なくていい" と言うからね。今なら、その理由も理解できてるけどね。」
 私の言葉に龍哉くんが頷いた。
「じゃあ、社交界デビューは未だ?」
「うん。その時は、彼の妻としてなのか、婚約者としてなのかはわからないけどね。」
 苦笑してそう言う私。
 だって、婚約をすっ飛ばして結婚しちゃったもの。
「授業、始めるぞ」

 教科担任が入ってきて、雑談は打ち止めになった。











しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

毒花令嬢の逆襲 ~良い子のふりはもうやめました~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:98,335pt お気に入り:3,152

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:1,331

好きになって貰う努力、やめました。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,593pt お気に入り:2,186

初恋の成就のためなら神をも使う

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:9

処理中です...