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お祝いの言葉が嬉しくて…亜耶
しおりを挟む遥さん達が出て行った後、教室内が騒がしくなる。
龍哉くんが振り向いたと思ったら。
「結婚、おめでとう。」
小声で言ってきた。
まさか、おめでとうって言ってくれるクラスメートが居るなんて、思わなかった。
「あ、ありがとう。何で私だって、わかったの?」
私の質問に。
「えっ、あぁ。一様、俺もセレブになるんだよ。末端だけど……。亜耶ちゃんと高橋さんの事知ってはいたんだ。ただ、余り口外してないことだろ? だから、言えなかったってのが本音。」
龍哉くんが、照れ臭そうに言う。
えっ、それって、まさか……。
「じゃあ、新年会とか行ったことある?」
私は、何気に聞いていた。
「うん。小学校の高学年ぐらいからかなぁ。“上の人に顔を売っておけ”って、親に言われて、それから毎年の様に行ってる。雅斗さんにも声掛けてもらえるぐらいには、ね。」
龍哉くんが、苦笑して言う。
龍哉くんの口から、お兄ちゃんの名前が出てくるとは……。
「へぇ~毎年出てるんだ。私は、出してもらえなくて、ホテルに監禁状態だよ。両親もお兄ちゃんも出てるのにさ。未だに出させてもらえない。まぁ途中から、遥さんがお爺様に挨拶を終えてから、私の所に来て、一緒に出掛けれるようになったんだけどね。遥さんが居ないと出ることも出来ないし……。」
今年は、監禁状態だったんだよね。
遥さんと絶交してたし……。
遥さん自信が忙しくて、新年会出てなかったみたいだし、まぁそれだけじゃないと思うけど。
今思えば、遥さんと出会った翌年から、許可が出たんだよね。その時から、新年会は遥さんとのデートの日になったんだよね。
「亜耶ちゃんって、毎年来てるのに出ないの?」
不思議がる龍哉くんに。
「うん。お爺様が、"亜耶は出なくていい" と言うからね。今なら、その理由も理解できてるけどね。」
私の言葉に龍哉くんが頷いた。
「じゃあ、社交界デビューは未だ?」
「うん。その時は、彼の妻としてなのか、婚約者としてなのかはわからないけどね。」
苦笑してそう言う私。
だって、婚約をすっ飛ばして結婚しちゃったもの。
「授業、始めるぞ」
教科担任が入ってきて、雑談は打ち止めになった。
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