好きだから傍に居たい

麻沙綺

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緊急会議…遥

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 職員室に入れば、他の先生方も席に着いていた。

 亜耶の緊張が、繋いだ手から伝わってくる。

「全員揃った処で、会議を始めたい。……っても、ここに居る甥っ子の高橋遥と生徒の鞠山亜耶についてだが、ご存知の先生方も多いと思うが、二人は先日結婚したんだが、この二人が居ることで、何か不都合のある奴は居るか?」
 伯父の言葉に信じられないと顔に出てるのが数人、なるほどなと顔をした人が大多数。
 その殆どが、古株の先生で、俺の事を良く知っている。

「遥くんが、きちんと公私分けてくれれば構わないよ。」
 古株の先生が言う。
「都合の悪いって言う先生は?」
 理事長の言葉にさっきの奈津先生も手を挙げる。
 ただ、俺をお飾りにしたいだけなんだろうけど。
 そんな言葉が、俺の頭に浮かぶ。
「そんなの、教育委員会が黙ってないでしょうが!」
 若手の先生が噛み付く。
 まぁ、確かに黙ってないだろうなぁ~。
「それなぁ。なんとかなるんだよ。遥は、元々会社勤めだった。鞠山さんも普通の女子高生。その時点で籍を入れて婚姻関係になった後で、私が無理に教師を頼んだ。期限付きでね。次の先生が見つかり次第遥は、元の職場に戻る事になってるんだ。それを踏まえて先方にお伺いを経てたら、問題さえ起こらなければいいと了承が取れた。これでも何かあるか?」
 伯父の言葉、異論はなさそうだ。
 何時の間に許可を取ったんだ?
 こういうとこ、やりてなんだよね。
 俺は、伯父を見やる。
「無いようだな。亜耶ちゃん、悪かったな。教室に戻っていいよ。」
 伯父は、笑顔を浮かべてそう言う。
 亜耶、ずっと緊張してたからか。
「あっ、はい。」
 って、上擦った固い返事しか出来てない。
 俺は、話してる間、ずっと亜耶の背に手を置いてたから、緊張感が伝わっていた。

「鞠山……ちょっと。」
 担任の宮原が、亜耶を呼び止める。
「何でしょう?」
 亜耶のぎこちない行動に笑いそうになる。
「さっき、河合に渡しそびれた。今から、決めてもらえると助かる。」
 何て言って、何かの用紙を手渡している。
「あっ、はい。わかりました。では、失礼します。」
 亜耶は、そう言って職員室を出て行く。

「先生。今の用紙は?」
 俺が疑問に思って聞けば。
「あぁ。体育祭のメンバーを記入する用紙と文化祭の要項を纏めたものですよ。」
 宮原は、クスクス笑いながら言う。
 あぁもう、そんな時期か……。
「先生は、立ち会わないんですか?」
 俺が聞くと。
「俺が居なくても、あの二人なら直ぐに終わらせる。前回の球技大会もそうだったしな。」
 って、意味ありげに言った。


 本当に大丈夫なのだろうか?
 と心配になった。






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教育委員会云々は現実的には、無理だとは思いますが、お話なので、そこのところはスルーでお願いしますm(__)m

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