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自分の想い…亜耶
しおりを挟む「私は、鞠山財閥の唯一の孫娘で、元会長の言いつけで、社交界にも出ていないので、隠された存在。お兄ちゃん……鞠山雅斗の友達の間では、知られている。私と婚約する事、即ちバックの影響も計り知れない。その利益を手にしようとする人が、後を絶たないと予測できたため、普通に過ごせる環境を整えられた。遥さんは、利益関係無しに私自身を受け入れてくれた、唯一の人。それを元会長が目に止めてくれ、婚約者として、ずっと傍に居てくれたの。」
遥さんが居るから、私らしく居れるわけで……。
自分を偽ること無く過ごせたのも、遥さんのお陰だと思ってる。
「つい最近、私の為に海外出張にまで行ってくれてた、遥さんは私の一言で、教師の手伝いを引き受ける程で、私達の家庭の事でも迷惑かけてるのに、笑顔で引き受けてくれて、そんな遥さんの傍で支えたいって思うようになった。私達の事で、いろんな想いや迷惑をかけてしまうかもしれないけど、今後ともよろしくお願いします。」
私は、頭を下げた。
これが、私の精一杯で、何て言えばいいのか、浮かばなかった。
遥さんを見れば、ニコニコ嬉しそうな顔をしている。
「と言うことだ。この事は、他言無用で頼むな。っても、話したい奴は話しても構わないぞ。就職が難しくなるだけだからな。その覚悟をして言えよ。因みに、上級生で三人出てるから。」
遥さん、それ完全に脅しですから。
「職権濫用だぞ!」
って、声が上がる。
「何とでも言えよ。それから、鞠山財閥だけじゃないからな。高橋コーポレーションも加担するからな。」
ニッコリと口許を上げて言う。
遥さん、自分の実家まで取り上げて、大丈夫なのかなぁ……。
「はぁ? 何で、そんな大企業が……。」
って、声が上がる。
まぁ、不思議に思うのも無理ないだろうな。
「俺の実家だからな。」
何でもないように言う遥さん。
あ~あ、もうどうなっても知らないよ。
悪戯が、成功した時のような顔してるし……。
「あのー。高橋先生。授業を始めたいのですが……。」
奈津先生が、入り口に立って待ち構えていた。
声は、オドオドしてたけど、目はギラギラと獲物を狙っている目だ。
ロックオンしてるみたいだけど、どうしたものか……。
「あっ、すみません。今日の連絡事項は……。」
慌てて言う遥さんを横目に自分の席に戻る。
遥さんは、他の女性に目をくれることはないけど、あれはどうにかしなければならないよね。
頭、痛くなってきた。
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