好きだから傍に居たい

麻沙綺

文字の大きさ
上 下
82 / 179

時間…亜耶

しおりを挟む


 あー、疲れた。
 只今リビングのソファーに座り込んでます。
 時間も二十二時となってます。

 ついさっき帰ってきた所で、制服のままコロンってソファーに転がってもいいよね。
 誰の返事もなく、そのまま横に転がり目を瞑る。
 もう、限界でした。


 目を瞑れば、今日の遭ったことが一気に頭の中にリプレイされて、羞恥心が、沸き起こる。
 何て、恥ずかしいこと言ったんだろう。
 しかも、堂々と全校生徒の前で……。
 明日から、どうしよう……。
 どんな顔をして校内を歩けば良いのやら……。
 何て考えても、仕方ないんだけど……。


「亜耶、亜耶。」
 揺さぶられて、目を開ける。
「シャワーだけでも浴びておいで。」
 遥さんの困ったような顔を見ながら、目元を手でコシコシ擦りながら。
「ん……うん。」
 生返事をして、自分の部屋に着替えを取りに行き、そのままバスルームに足を向けた。


 制服を脱いで、バスルームに入りシャワーのノズルを回すと冷たい水が、頭からかかった。

「つ、冷たい。」
 慌ててそこから離れて、お湯になるのを待つ。


 そう言えば、何で採寸なんかしたんだろう?

 思い出せば、真由ちゃんの誕生日プレゼントの前に一度も入ったことのないブティックに遥さんに連れられて行ったんだけど、訳のわからなくて、気付けばされるまま採寸されてた。

 う~ん、何かあったっけ?
 考えても、わかんないや。
 で、その後は、ショッピングモールで遥さんと二人、真由ちゃんの誕生日プレゼントをあーでもないこうでもないって言い合いながら選らんで(その間女性の視線が痛くて、俯く度に遥さんが気遣ってくれたりしつつ)、フードコート(食べたいものが違ってたから)でご飯を食べてから帰ってきた。

 真由ちゃん、プレゼント喜んでくれるといいなぁ(湯川くんとのペアーの物も買ったしね)。


 夫婦となって、初めてのデートが真由ちゃんの誕生日プレゼントっていうのもんなんだけど、それでも楽しく過ごせたし、これも一つの思い出としていいよね。
 まぁ、遥さんはどこに行ってもモテモテでしたけど(僻んでないよ)。
 旦那様がモテるのって、良いことかもしれないよね。だって、それだけ自分が嫉妬したり、ヤキモチ妬いたりして、どれだけ好きなのか自覚できるんだもん。それに、独占欲までもが出て来ちゃって、ちょっと恥ずかしいなって思ったり……。

 でも、二人で過ごす時間って大切だなって思った。

 今まで過ごしてきた時間は、無駄に終わってないんだってそう思った。













しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

俺を裏切り大切な人を奪った勇者達に復讐するため、俺は魔王の力を取り戻す

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:5,290pt お気に入り:91

婚約破棄されたけど前世が伝説の魔法使いだったので楽勝です

sai
ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:1,810pt お気に入り:4,186

気づいたらなんかすごい事になってました!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:2

攻略対象5の俺が攻略対象1の婚約者になってました

BL / 完結 24h.ポイント:1,480pt お気に入り:2,625

ツチノコのお口からひとりごと

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

異世界迷宮のスナイパー《転生弓士》アルファ版

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:113pt お気に入り:584

処理中です...