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19話 変な日
しおりを挟む授業が終わると同時に。
「綾小路、ちょっと……。」
体育教諭が、入り口で呼ぶ。
「はい。」
私は、返事をすると先生の方に向かう。
「保健教諭に聞いたんだが、手首怪我したんだって?」
心配そうに聞いてくる。
「えっ、あぁ。ただの捻挫です。こんなのしょっちゅうやっていたので、大したこと無いです。」
私は、笑顔を張り付けて言う。これ以上心配して欲しくないし……。
「しょっちゅうって……。」
顔を歪めて聞き返してくる教諭に。
「柔道や剣道をやってる時にはよく捻っていたので、今日のはまだ軽い方です。」
私が言うと。
「そっか。綾小路は、格闘技方面の有段者だったな。」
思い出すように言う。
「ハイ。」
ニッコリと答える。
「なら良いが、悪化したら直ぐに言うように。」
「はい」
私は、軽く頭を下げて自分の席に戻った。
「綾小路くん。怪我したの?」
今度は、話を聞いていたお嬢様方が私の周りを囲む。
「痛くないですか?」
心配そうな顔で言われるとかえって、恐縮してしまう。
「大丈夫です。ご心配お掛けして申し訳ありません。」
私は、微笑みを浮かべて心配してくれたお礼を言う。
「本当ですね?」
「はい。大事には至っておりませんので、ご迷惑お掛けして申し訳無いです 。」
私の答えに皆さんがホッとした顔を見せ、去って行く。
何なんだ?
今日一日、何か変だ。
ただ、さっきまで引っ付いていた祥が、引っ付かなくなった。
もう、一体何なんだ。
困惑の一日が終わろうとしていた。
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