ハイスペックな彼が地味子の私を構ってきます

麻沙綺

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「珠稀ちゃん、大丈夫?」
 教室に戻ると、瑞歩が私たちに気付き声をかけてきた。
「うん。心配かけてごめんね。」
 私が言うと。
「本当だよ。珠稀は、もっと自信を持った方が良いよ。」
 星香のぶっきらぼうな言い方とは裏腹に顔にはしっかりと心配したんだぞっと出ていた。
 自信か……。
 そう簡単には持てないよ。
 何て、自分の事で誠意一杯でいた私だったけど、横にいた彼が。
「クラス全員居るか?」
 唐突に声を上げたから、それどころではなくなった。
「さっき、珠稀と話していたのだが、文化祭・体育祭の各々の準備で、人手が欲しい時は俺から声をかけるから、その時は宜しくな。それから準備に対して判らない所があれば、随時聞いてくれ。で、取り敢えずだが、暗幕とベニヤ板の確保をして貰いたい。暗幕は教室の三分の二を覆い隠せれれば良い。ベニヤ板はビー紙十枚分が貼れる分なんだが、これは男子に頼むな。それから、体育祭のクラス旗なんだが、図案を井上と坂井に頼みたい。」
 一気に話し出す彼にポカンとする一同だったが。
「わかった。」
 との返答と一同の頷きが返ってくる。
「木崎くん。旗の図案はどうするの?」
 図案を頼まれた二人が彼の前に来て聞いている。
「それなんだが、二人には今のクラスのイメージで一枚ずつ描いて貰って、もう一枚は二人共同で ”絆” をテーマに描いて貰いたい。計三枚なんだが、頼めるか?その中から多数決で決めたいと思ってる。」
 彼の話を聞いた二人は顔を見合わせてから。
「期限は?」
 と声にして。
「なるべく早めの方がいいだろうから、三日で出きるか?」
 彼が考えながら口にした事に二人が頷いたことで了承したととり。
「後、旗の製作は二人が中心になってやってくれるか。下絵を模写してからの色の指示とかをな。勝手に塗られるのはイヤだろうからな。」
 彼が二人に言えば首を縦に頷いたのだった。

 全て彼が指示してくれたお陰で、私は何も言う事が無くクラス全員が彼の指示に黙って従って行くのを見て、やはり彼はリーダーなんだなって思ってしまった。
「珠稀、後何か伝える事はあるか?」
 突然私に振ってくる彼。
 確かに今伝えておいた方がいいことは、有るけど口に出しても皆に聞こえるか不安だが。
「えっと、暗幕と旗の布は生徒会室に有るので、そちらに。あ、後クラスの鉢巻きも。それから、ベニヤ板は、普段使われていない倉庫に有るそうなのですが、先生に一度場所を確認してからの方が良いと思います。後、今私がしていることなんですが、資料本の関係で人手が増やせないので、申し訳ないのですが、ご了承していただきたいと思います。」
 パッと思い付いた事を口に出したけど、小声だった為に、クラスに伝わったか不安になる。
「今の聞こえたか? もう一度言うな。暗幕と旗の布・鉢巻きは、生徒会室に。ベニヤ板は先生に有る場所を確認してから取りに行く。後、今作業していることに関して、資料の本が手元に有るだけなので、人数は増やせないって事だ。」
 彼が、私が言った事を簡潔的に言ってくれて、何だか申し訳なくて縮こまって居ると。
「大丈夫だ。ちゃんと周りを見てみろ。皆真剣に聞いてくれてる。」
 彼の言葉に顔を上げれば、真剣に聞いてくれていて頷いてる人も居る。
「流石委員長。ちゃんと把握してるじゃん。」
 って声が聞こえてきて、ホッと安心したのと同時に涙が浮かんだ。
 自分の事を認めてくれている事が、こんなに嬉しいとは思わなかった。
「ちょっ、珠稀。」
 彼が慌てふためき、私の後頭部を押さえて自分の胸に押し付けてきた。
 どうしたのだろうと不思議に思っていれば。
「泣き顔は俺以外の誰にも見せたくないから、暫くこのままな。」
 って困った声が頭上から聞こえてきて、思わず笑みが込み上げてきて ”クスクス” と声に出して笑う。
「何笑ってるんだ。こっちは心配してるのに……。」
 戸惑った顔をして私の顔を覗き込む。
「だって……。」
 それしか言葉が出てこなかった。
 
 私の一喜一憂で動揺する彼が愛しいなんて、口が裂けても言えない。

 って、私がこんなこと思うなんて……。
 どうやら彼に毒されてたみたいだ。
 まだ、この事を彼に伝えるのは先になるだろう。 
 だって、自信が持てないから……。
 
 その時、授業の始まるチャイムが鳴った。




 
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