11 / 52
第1章「悪役令嬢の無双」
第11話「竜のブレスレッド」
しおりを挟む
それにしても、この人混みでは警護も大変そうだ。そう思っていると、急に混雑具合が減る。不思議に思って周りを見ると、さっきの護衛さんがミラ達の周りを囲んでいた。ミラは苦笑せざるを得なかった。
……まあ、そうなるよねー。
こういう風に護衛するとなって実際に出来るのはすごいというか、苦労しているなというか。
「どうした?」
「んーん、なんでもなーい。あ、あれ見たい」
「え? あ、おいっ」
ジャン王子は特に気付いた様子はなかった。それも可愛らしい。ジャン王子を引き摺るようにミラはアクセサリーを売っている場所に向かった。
他の店に比べて客も少ない。どちらかというと、ここは飲食系が多いから客層もそっちが多いのだろう。
「あら、可愛らしいお客さんね」
二人を――警護の人間を含めて出迎えたのは、綺麗な猫耳の女性だった。シャラ、と彼女の両耳に付けられてるイヤリングが揺れる。自分のお店のものだろうか。
わあ、可愛いー。スタイルもすごくいい……。
この世界で獣人は初めて見た。ミラはいること自体は知っていたのだが、使用人の中にもいなかったので、今まで話す機会がなかったのだ。よく見ると尻尾が二つある。黒い耳に、黒い尻尾。長い黒髪はキューティクルで美しい。
ふと、隣が静かなのに気付いて見てみると、ジャン王子がその店主を見てぼーっとしていた。イラっとして思わず彼の脇腹を肘打ちしてしまう。忘れてた。ジャン王子はチョロインなのだから、自分に完全に惚れるまでは、誰彼構わず惚れてしまう可能性があるのだ。……今後は気を付けないと。
「ぐっ……。何するんだよ、ミラ」
「知りませーん」
「なんなんだ……?」
まったく、周りの護衛に笑われてるじゃない。
「ふふっ、そこの坊ちゃん。あまり彼女さんを怒らせたらダメよ」
「彼女……」
「ジャン?」
「あ、そうです。彼女ですね」
「あははっ、君たち面白いねえ」
何がツボに入ったのか、店主のお姉さんはころころと笑う。実に楽しそうである。元凶でもあるというのに。
「ああ、彼女さん。そんなに睨まないで。ほら、沢山アクセサリーあるから、そこの坊ちゃんにおねだりするといい。今なら買ってくれると思うよ」
「え?」
なるほど。それも悪くないかもしれない。
「ほら、これとかどう?」
店主のお姉さんが見せてきたのは二つあった。一つは可愛らしい白のネックレス。正直、今身に付けているものと似ている。さすがにまったく同じものではないけど。
もう一つはイヤリングだった。穴を空けないタイプで気軽に装着できる。琥珀色をしている。というか、中になにかある?
「これ……」
「気になる? この中には魔法が込められているんだよ。これを付けると炎系の魔法が強くなる……、はずだよ」
「はず? おい、こんなんで本当に強くなるのか?」
店主のお姉さんの説明に、ジャン王子が不審感を強めた。まるで、警戒している子犬のようで可愛らしい。
「んー、これは中古品だからね。見た目はともかく、その力までは確約できないんだ。一応私の方でも確認しているけど、あなた達に渡った後は分からない。すぐ壊れてしまう可能性もあるのよ」
「……なんで、そんな中古品を勧めるんだよ」
「え? だって、あなた達子供じゃない。アクセサリー類は高いわよ。大人でも尻込みする値段もあるんだから」
「そうかよ」
ふいっとジャン王子が顔を背けた。まさか、ここで金は問題ないとは言えないだろう。子供が大金をぽんと出せたら、それはそれで怪しい。しかも、お姉さんは善意から言ってくれているように思える。
小さい出店には店主の膝ほどの高さに並んでいるものから、横の壁にまでびっしり商品が並んでいる。値札がついてないのは、この世界の慣習なのかもしれないが、少々怖くはある。
見るからに高そうなのは店主の手元に並べられていた。大粒の宝石を使用したもの、細かい細工がしてあるもの、趣向はバラバラだがどれもこれも凝っている。ミラは本格的に悩み始めた。
んー……、なにかいいものないかなー。
値段が分からない以上、必然的にデザインで選ぶしかない。
「これ、触ってもいいですか?」
「ん? ああ、いいよ。でも、ちょっと高めのものだから気を付けてね」
「は、はい」
ちょっととはどのくらいなのだろう。おそらく他の客に対する宣伝も兼ねているのだろうが、そう言われると怖くなる。
「ミラ、それがいいのか?」
そんな躊躇をするミラをよそに、ジャン王子はひょいとそれを持ち上げた。
ブレスレット。気になったのは、ゲームで見かけたことがある代物だったからだった。入手方法は忘れてしまったが、かなりいいアイテムだったと思う。いや、そうだ。いいどころか、たしか、身代わりに出来るはずだ。確か、回数は一回ぽっきりだったはず。
「ほら」
「ありがとう」
「うーん、まだ君たちのものじゃないから、慎重にね」
ジャン王子の扱いにひやひやしたのか、店主が尻尾をピンと立たせて忠告してきた。心なしか唇の端がヒクついている。
自分がしたわけでもないのに、申し訳ない気持ちになってくる。
「はい……」
ブレスレットは銀で出来ていた。一見すると通常の細いリングだが、中央に竜の顔が細く入っている。ご丁寧に目の部分は宝石が入っているらしい。ピンク色の目は可愛らしく、ゲームの通りだった。
これは、欲しい。ゲーム通りの効果はあるか分からない。だが、今の所違う部分はないのだから、身代わりの効果は備わっている可能性はある。
「これ、可愛い……」
「ミラ、こういうのが趣味なのか」
「そういうわけじゃないけど……。ちょっと気になっただけ」
「ふーん、お姉さん。これどのくらいなの?」
ジャン王子が店主に訊く。他の客の相手をしていた彼女はブレスレットを見て「あー……」とどこか困ったように笑った。
どうしたんだろ。まさか売れないとかだろうか。
店主はジャン王子を手招きした。彼が身を寄せ、店主が耳に口を寄せる。ぼそっとなにかを呟いたのは分かったが、具体的な内容は分からなかった。ただ、ジャン王子は苦い顔をしている。
店主が離れると、ジャン王子は腕を組み、さらに訊く。
「……それ、絶対なのか?」
「ごめんね。彼女に買ってあげたいと思うけど、それはちょっと特別なの」
この人のちょっとは、そうではない気がする。ジャン王子だって、今お金が無いわけではないだろうに。
「んん……。ミラ、悪いけど、今はそれ諦めてくれ」
「なんかごめんね、ジャン」
「ミラが謝ることじゃない」
「うん」
ミラはブレスレットを店主に戻す。名残惜しくて、ついつい目で追ってしまう。身代わり効果のこともあるが、シンプルに可愛くて欲しかった。しかし、今の王子の手元でも買えないとなると、自分で買うのは不可能だろう。そんなものが市場の出店の一つにあるのも驚きだが。
ここ、本当にただのアクセサリーショップなのだろうか。
店主はミラの視線に気付いたらしい。くすくすと笑い始める。
「……なんですか?」
「ああ、ごめんね。あまりにも熱心だから。そうだなー、彼氏君」
店主がジャン王子を見る。目の前にブレスレットを掲げた。
「君が良ければ、キープも出来るよ。彼女さんが随分欲しいみたいだからね」
「お願いします。そのブレスレットのキープ」
「おお、前のめりだね」
ニコニコと店主は愉快そうだった。彼女はブレスレットを持ったまま、ジャン王子とミラの頭を撫でる。
「お二人とも、また買いにくるの楽しみにしているよ」
「絶対売るなよ」
ジャン王子はしつこくも念押ししていた。そこまでしてくれることに喜んでいいのか、恥ずかしいのか感情がごちゃ混ぜになる。
「もちろん。……やっぱり、可愛らしいお客さんだね」
ミラは自分の今の表情を思い浮かべ、否定できなかった。
……まあ、そうなるよねー。
こういう風に護衛するとなって実際に出来るのはすごいというか、苦労しているなというか。
「どうした?」
「んーん、なんでもなーい。あ、あれ見たい」
「え? あ、おいっ」
ジャン王子は特に気付いた様子はなかった。それも可愛らしい。ジャン王子を引き摺るようにミラはアクセサリーを売っている場所に向かった。
他の店に比べて客も少ない。どちらかというと、ここは飲食系が多いから客層もそっちが多いのだろう。
「あら、可愛らしいお客さんね」
二人を――警護の人間を含めて出迎えたのは、綺麗な猫耳の女性だった。シャラ、と彼女の両耳に付けられてるイヤリングが揺れる。自分のお店のものだろうか。
わあ、可愛いー。スタイルもすごくいい……。
この世界で獣人は初めて見た。ミラはいること自体は知っていたのだが、使用人の中にもいなかったので、今まで話す機会がなかったのだ。よく見ると尻尾が二つある。黒い耳に、黒い尻尾。長い黒髪はキューティクルで美しい。
ふと、隣が静かなのに気付いて見てみると、ジャン王子がその店主を見てぼーっとしていた。イラっとして思わず彼の脇腹を肘打ちしてしまう。忘れてた。ジャン王子はチョロインなのだから、自分に完全に惚れるまでは、誰彼構わず惚れてしまう可能性があるのだ。……今後は気を付けないと。
「ぐっ……。何するんだよ、ミラ」
「知りませーん」
「なんなんだ……?」
まったく、周りの護衛に笑われてるじゃない。
「ふふっ、そこの坊ちゃん。あまり彼女さんを怒らせたらダメよ」
「彼女……」
「ジャン?」
「あ、そうです。彼女ですね」
「あははっ、君たち面白いねえ」
何がツボに入ったのか、店主のお姉さんはころころと笑う。実に楽しそうである。元凶でもあるというのに。
「ああ、彼女さん。そんなに睨まないで。ほら、沢山アクセサリーあるから、そこの坊ちゃんにおねだりするといい。今なら買ってくれると思うよ」
「え?」
なるほど。それも悪くないかもしれない。
「ほら、これとかどう?」
店主のお姉さんが見せてきたのは二つあった。一つは可愛らしい白のネックレス。正直、今身に付けているものと似ている。さすがにまったく同じものではないけど。
もう一つはイヤリングだった。穴を空けないタイプで気軽に装着できる。琥珀色をしている。というか、中になにかある?
「これ……」
「気になる? この中には魔法が込められているんだよ。これを付けると炎系の魔法が強くなる……、はずだよ」
「はず? おい、こんなんで本当に強くなるのか?」
店主のお姉さんの説明に、ジャン王子が不審感を強めた。まるで、警戒している子犬のようで可愛らしい。
「んー、これは中古品だからね。見た目はともかく、その力までは確約できないんだ。一応私の方でも確認しているけど、あなた達に渡った後は分からない。すぐ壊れてしまう可能性もあるのよ」
「……なんで、そんな中古品を勧めるんだよ」
「え? だって、あなた達子供じゃない。アクセサリー類は高いわよ。大人でも尻込みする値段もあるんだから」
「そうかよ」
ふいっとジャン王子が顔を背けた。まさか、ここで金は問題ないとは言えないだろう。子供が大金をぽんと出せたら、それはそれで怪しい。しかも、お姉さんは善意から言ってくれているように思える。
小さい出店には店主の膝ほどの高さに並んでいるものから、横の壁にまでびっしり商品が並んでいる。値札がついてないのは、この世界の慣習なのかもしれないが、少々怖くはある。
見るからに高そうなのは店主の手元に並べられていた。大粒の宝石を使用したもの、細かい細工がしてあるもの、趣向はバラバラだがどれもこれも凝っている。ミラは本格的に悩み始めた。
んー……、なにかいいものないかなー。
値段が分からない以上、必然的にデザインで選ぶしかない。
「これ、触ってもいいですか?」
「ん? ああ、いいよ。でも、ちょっと高めのものだから気を付けてね」
「は、はい」
ちょっととはどのくらいなのだろう。おそらく他の客に対する宣伝も兼ねているのだろうが、そう言われると怖くなる。
「ミラ、それがいいのか?」
そんな躊躇をするミラをよそに、ジャン王子はひょいとそれを持ち上げた。
ブレスレット。気になったのは、ゲームで見かけたことがある代物だったからだった。入手方法は忘れてしまったが、かなりいいアイテムだったと思う。いや、そうだ。いいどころか、たしか、身代わりに出来るはずだ。確か、回数は一回ぽっきりだったはず。
「ほら」
「ありがとう」
「うーん、まだ君たちのものじゃないから、慎重にね」
ジャン王子の扱いにひやひやしたのか、店主が尻尾をピンと立たせて忠告してきた。心なしか唇の端がヒクついている。
自分がしたわけでもないのに、申し訳ない気持ちになってくる。
「はい……」
ブレスレットは銀で出来ていた。一見すると通常の細いリングだが、中央に竜の顔が細く入っている。ご丁寧に目の部分は宝石が入っているらしい。ピンク色の目は可愛らしく、ゲームの通りだった。
これは、欲しい。ゲーム通りの効果はあるか分からない。だが、今の所違う部分はないのだから、身代わりの効果は備わっている可能性はある。
「これ、可愛い……」
「ミラ、こういうのが趣味なのか」
「そういうわけじゃないけど……。ちょっと気になっただけ」
「ふーん、お姉さん。これどのくらいなの?」
ジャン王子が店主に訊く。他の客の相手をしていた彼女はブレスレットを見て「あー……」とどこか困ったように笑った。
どうしたんだろ。まさか売れないとかだろうか。
店主はジャン王子を手招きした。彼が身を寄せ、店主が耳に口を寄せる。ぼそっとなにかを呟いたのは分かったが、具体的な内容は分からなかった。ただ、ジャン王子は苦い顔をしている。
店主が離れると、ジャン王子は腕を組み、さらに訊く。
「……それ、絶対なのか?」
「ごめんね。彼女に買ってあげたいと思うけど、それはちょっと特別なの」
この人のちょっとは、そうではない気がする。ジャン王子だって、今お金が無いわけではないだろうに。
「んん……。ミラ、悪いけど、今はそれ諦めてくれ」
「なんかごめんね、ジャン」
「ミラが謝ることじゃない」
「うん」
ミラはブレスレットを店主に戻す。名残惜しくて、ついつい目で追ってしまう。身代わり効果のこともあるが、シンプルに可愛くて欲しかった。しかし、今の王子の手元でも買えないとなると、自分で買うのは不可能だろう。そんなものが市場の出店の一つにあるのも驚きだが。
ここ、本当にただのアクセサリーショップなのだろうか。
店主はミラの視線に気付いたらしい。くすくすと笑い始める。
「……なんですか?」
「ああ、ごめんね。あまりにも熱心だから。そうだなー、彼氏君」
店主がジャン王子を見る。目の前にブレスレットを掲げた。
「君が良ければ、キープも出来るよ。彼女さんが随分欲しいみたいだからね」
「お願いします。そのブレスレットのキープ」
「おお、前のめりだね」
ニコニコと店主は愉快そうだった。彼女はブレスレットを持ったまま、ジャン王子とミラの頭を撫でる。
「お二人とも、また買いにくるの楽しみにしているよ」
「絶対売るなよ」
ジャン王子はしつこくも念押ししていた。そこまでしてくれることに喜んでいいのか、恥ずかしいのか感情がごちゃ混ぜになる。
「もちろん。……やっぱり、可愛らしいお客さんだね」
ミラは自分の今の表情を思い浮かべ、否定できなかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ゲーム序盤に殺されるモブに転生したのに、黒幕と契約結婚することになりました〜ここまで愛が重いのは聞いていない〜
紅城えりす☆VTuber
恋愛
激甘、重すぎる溺愛ストーリー!
主人公は推理ゲームの序盤に殺される悪徳令嬢シータに転生してしまうが――。
「黒幕の侯爵は悪徳貴族しか狙わないじゃない。つまり、清く正しく生きていれば殺されないでしょ!」
本人は全く気にしていなかった。
そのままシータは、前世知識を駆使しながら令嬢ライフをエンジョイすることを決意。
しかし、主人公を待っていたのは、シータを政略結婚の道具としか考えていない両親と暮らす地獄と呼ぶべき生活だった。
ある日シータは舞踏会にて、黒幕であるセシル侯爵と遭遇。
「一つゲームをしましょう。もし、貴方が勝てばご褒美をあげます」
さらに、その『ご褒美』とは彼と『契約結婚』をすることで――。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
もし「続きが読みたい!」「スカッとした」「面白い!」と思って頂けたエピソードがありましたら、♥コメントで反応していただけると嬉しいです。
読者様から頂いた反応は、今後の執筆活動にて参考にさせていただきます。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
断罪フラグをへし折った悪役令嬢は、なぜか冷徹公爵様に溺愛されています ~スローライフはどこへいった?~
放浪人
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢イザベラに転生した私。
来るべき断罪イベントを回避し、辺境の領地で悠々自適なスローライフを送る……はずだった!
卒業パーティーの舞台で、王太子から突きつけられた数々の罪状。
ヒロインを虐げた? 国を傾けようとした?
――全部、覚えがありませんけど?
前世の知識と周到な準備で断罪フラグを木っ端微塵にへし折り、婚約破棄を叩きつけてやったわ!
「さようなら、殿下。どうぞヒロインとお幸せに!」
ああ、これでやっと静かな生活が手に入る!
そう思っていたのに……。
「実に興味深い。――イザベラ、お前は俺が貰い受ける」
なぜか、ゲームではヒロインの攻略対象だったはずの『氷の公爵』アレクシス様が、私に執着し始めたんですけど!?
追いかけてこないでください! 私のスローライフが遠のいていく……!
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
悪役令嬢の名誉を挽回いたします!
みすずメイリン
恋愛
いじめと家庭崩壊に屈して自ら命を経ってしまったけれど、なんとノーブル・プリンセスという選択式の女性向けノベルゲームの中の悪役令嬢リリアンナとして、転生してしまった主人公。
同時に、ノーブル・プリンセスという女性向けノベルゲームの主人公のルイーゼに転生した女の子はまるで女王のようで……?
悪役令嬢リリアンナとして転生してしまった主人公は悪役令嬢を脱却できるのか?!
そして、転生してしまったリリアンナを自分の新たな人生として幸せを掴み取れるのだろうか?
転生悪役令嬢は冒険者になればいいと気が付いた
よーこ
恋愛
物心ついた頃から前世の記憶持ちの悪役令嬢ベルティーア。
国の第一王子との婚約式の時、ここが乙女ゲームの世界だと気が付いた。
自分はメイン攻略対象にくっつく悪役令嬢キャラだった。
はい、詰んだ。
将来は貴族籍を剥奪されて国外追放決定です。
よし、だったら魔法があるこのファンタジーな世界を満喫しよう。
国外に追放されたら冒険者になって生きるぞヒャッホー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる