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2.お前が待っているのは俺じゃないから
国無き王女は国の復興を夢見る②
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明らかに地上に轟いた音は破壊の限りを尽くした音だった。
その音を聞いたドングルは自分の見た天から地上を破壊し尽くすような火の玉に恐れを抱いた。
落ちた辺りが深紅に染まり、少しすると埃とも砂とも識別が付かない水蒸気を含む熱く密度の高い風が襲ってきた。
その真っ赤な大地を恐れて直ぐにゴーズに連絡を入れ引き返すことを打診していた。
「あんな状況で生きている者はおりますまい、神の怒りに違いない。きっと王女も死んだに違いありません。我々も帰途に着きます」
そんな連絡をするドングルを見てブロスはチャンスだと考えていた。
ブロスはカーマインを呼んでひそひそ話始める。
「部隊全滅作戦だ」
「分かりました」
カーマインはそう言うと全員に指令を出した。
STD13全員は胸に付けていた自分たちの生存を知らせるアライバの葉っぱを引きちぎった。
ドングルたちは、信号が途絶えたことで、それに気が付いたがブロス達により瞬殺された。
「これで俺達は全滅したことになった。本当にさっぱりしたな。
俺達はロザリア王女を探しに行く。きっと王女は生きている」
そこに居た全員はロザリア王女が生きていることを確信していた。
再度バリーブに跨り男たちは進みだした。
そのころゴーズの所には派遣したドングル部隊の全滅が知らされる。
「アライバの葉よりの信号が途絶えました、ドングル達は全滅したようです」
「今の振動はこの辺りまであったからな。
しかし神の怒りだと、信じられん話だが奴らが全滅したというのであれば間違いないのか?
少し落ち着いてから調査隊を指揮して調査に迎え!!」
◆ ◆
ジェイはラミアの所に着いた。
着いた時こそラミアの口づけで迎えてもらったジェイだったが、その後はラミアにお小言を食らう羽目になっていた。
「ジェイはおバカさんですか?
あんなやり方はあまり感心しませんね。
もし私達も巻き込まれたらどうするんですか!!」
「いや~、まさかあそこまで効果があるとは思っていなかったからね」
「もう・・・みんなが死にそうな思いをしながら頑張ったというのにあなたは遊び半分で戦っていたのね」
「申し訳ありません」
謝るしかないジェイだった。
「でもロザリア王女もサンクスも、グレス、ミザカ・・・みんな良くやったわ、貴女からも皆にねぎらいの言葉を掛けてあげてね」
「そのようだな、皆の顔を見て驚いたよ。
何か吹っ切れたような、とてもいい顔をしていた」
現在ザガール国の人たちが退避している結界の所まで戻ることにした。
イグルはグレス達に言う。
「さあ、みんなを迎えに行ってダガダへの道を進もう」
イグルはまだロザリア王女に何か返すことが出来ないか考えていた。
そう国の無いロザリア王女を王女として認めているからこそ、自分に何が出来るかを考え始めていた。
「ダガダへの道を進もう」・・・その言葉を聞くと全員で民の待つ結界まで戻って行った。
◆ ◆
砂漠を進むジェイ達。
ラミアが最初に異変に気が付いた。
「何かが追って来るわ」
ジェイも索敵の能力で敵を特定しようとする。
「なんだろう変わった乗り物?だな?動物みたいだダバハではないな?馬かな?敵は13人かな・・・」
イグルが考えられる可能性を考えていた。
「砂漠の乗り物と言えば、ダバハでないとすれば、バリーブとか・・」
ロザリア王女はその言葉に反応した。
「13人でバリーブ・・・まさか・・」
「ロザリアは何か心当たりがあるのか?」
「もし13人でバリーブであれば砂漠の稲妻竜、STD13の可能性が高いです」
「ほうSTD13ね、でも全員で13人なら元セグリア王国の者だけだろ?また蟲に操られているとか?
それでは、とりあえず応戦するかな」
ジェイは敵が来る方向へサンダーボードに乗って行こうとした。
「私も行きます」
ロザリア王女もそう言うとジェイにしがみついた。
「ロザリア、危ないからみんなと居るんだ」
「いえ、これは私の役割です。ブロスたち、元国民の彼らをちゃんと見つめることが元王女としての私の役割です」
「私も行くわ」
ラミアがそう言うと、ロザリア王女を自分のサンダーボードに乗せた。
「俺も行きます」
サンクスも、そう言うと付いて来る気満々だった。
「イグル、すまない先に戻っていてくれ、俺達にはお客さんが来たみたいなんだ」
敵の姿が間近に見えるところまで近づくとロザリア王女が間違いないと確認した。
「では戦闘に行ってくる」
「待ってください、私が最初に話をします」
「ロザリア、いくら何でもそれは危ない」
「彼らはSTD13という昔の名前で隊を作っていますが、多くは国の重鎮で元の王国で大臣をやっていた人達なんです。蟲が彼らの誰かに取り憑いていてもそれ以外の人は大丈夫だと思います」
そう言われて彼らを見ると少し年齢が高いことに気が付いた。
ロザリア王女はさらに付け加えた。
「だから話が出来れば、もしかすると・・・蟲が取り憑いていたとしても全員ではないはずです。話をさせてください」
なる程、前回の話では蟲の数は13匹も準備できないのだからまともな者が多いということになる。
サンダーボードに乗るジェイ、そのジェイにしがみつくロザリア王女。
そのサンダーボードはSTD13の進行方向に止まった。
堂々と立つ二人を見るとSTD13の進行は止まった。
大きな声で叫ぶジェイ。
「お前たちは蟲に侵されているのか?」
「「「いや、そんな奴はここにはいない。傍に居られるのはロザリア王女様ですね、ご無事でしたか」」」
STD13の全員が声をそろえた。
ジェイは再度蟲の話をする。
「よく聞け、もし蟲が混じっているなら、対処方法はある。安心して素直に申し出ろ」
ブロスがジェイの質問に答えた。
「どうやらあなたが王女を守ってくれているのですね。
ありがとうございます。
大丈夫です蟲は混じっていません。
安心ください。我々は命を掛けて王女を守りに来ました」
「命を掛けて?」
「そう既に死んだことになっておるでしょう。そして家族も親族も捨ててきました」
その言葉を聞いて涙ぐむロザリア王女。
「ブロス、そこまでしなくても・・」
「何を言うのですか、王女の御隠れの反乱軍の隠れ家が襲われた時点で我々は王女を守れませんでした。
王女無き隠れ家を見た時の絶望感はありませんでした。
国を再建する夢は全て王女に掛かっている、そんな夢を王女に全て覆いかぶせていた。
そんな重いものを覆いかぶせておきながら守れない自分達が情けなかったのです。
本当によくぞご無事で・・・」
「ここで話をしていてもしようがありません。
ザガール国の皆様も居ますが安全な場所があります。一緒に来てください」
その言葉はブロス達にとって大きな驚きを与えた。
「ザガール国の皆様?ですと?」
「大丈夫です、皆さんお友達ですよ」
その言葉の意味を理解できないままSTD13はロザリア王女に付いて行くのだった。
その音を聞いたドングルは自分の見た天から地上を破壊し尽くすような火の玉に恐れを抱いた。
落ちた辺りが深紅に染まり、少しすると埃とも砂とも識別が付かない水蒸気を含む熱く密度の高い風が襲ってきた。
その真っ赤な大地を恐れて直ぐにゴーズに連絡を入れ引き返すことを打診していた。
「あんな状況で生きている者はおりますまい、神の怒りに違いない。きっと王女も死んだに違いありません。我々も帰途に着きます」
そんな連絡をするドングルを見てブロスはチャンスだと考えていた。
ブロスはカーマインを呼んでひそひそ話始める。
「部隊全滅作戦だ」
「分かりました」
カーマインはそう言うと全員に指令を出した。
STD13全員は胸に付けていた自分たちの生存を知らせるアライバの葉っぱを引きちぎった。
ドングルたちは、信号が途絶えたことで、それに気が付いたがブロス達により瞬殺された。
「これで俺達は全滅したことになった。本当にさっぱりしたな。
俺達はロザリア王女を探しに行く。きっと王女は生きている」
そこに居た全員はロザリア王女が生きていることを確信していた。
再度バリーブに跨り男たちは進みだした。
そのころゴーズの所には派遣したドングル部隊の全滅が知らされる。
「アライバの葉よりの信号が途絶えました、ドングル達は全滅したようです」
「今の振動はこの辺りまであったからな。
しかし神の怒りだと、信じられん話だが奴らが全滅したというのであれば間違いないのか?
少し落ち着いてから調査隊を指揮して調査に迎え!!」
◆ ◆
ジェイはラミアの所に着いた。
着いた時こそラミアの口づけで迎えてもらったジェイだったが、その後はラミアにお小言を食らう羽目になっていた。
「ジェイはおバカさんですか?
あんなやり方はあまり感心しませんね。
もし私達も巻き込まれたらどうするんですか!!」
「いや~、まさかあそこまで効果があるとは思っていなかったからね」
「もう・・・みんなが死にそうな思いをしながら頑張ったというのにあなたは遊び半分で戦っていたのね」
「申し訳ありません」
謝るしかないジェイだった。
「でもロザリア王女もサンクスも、グレス、ミザカ・・・みんな良くやったわ、貴女からも皆にねぎらいの言葉を掛けてあげてね」
「そのようだな、皆の顔を見て驚いたよ。
何か吹っ切れたような、とてもいい顔をしていた」
現在ザガール国の人たちが退避している結界の所まで戻ることにした。
イグルはグレス達に言う。
「さあ、みんなを迎えに行ってダガダへの道を進もう」
イグルはまだロザリア王女に何か返すことが出来ないか考えていた。
そう国の無いロザリア王女を王女として認めているからこそ、自分に何が出来るかを考え始めていた。
「ダガダへの道を進もう」・・・その言葉を聞くと全員で民の待つ結界まで戻って行った。
◆ ◆
砂漠を進むジェイ達。
ラミアが最初に異変に気が付いた。
「何かが追って来るわ」
ジェイも索敵の能力で敵を特定しようとする。
「なんだろう変わった乗り物?だな?動物みたいだダバハではないな?馬かな?敵は13人かな・・・」
イグルが考えられる可能性を考えていた。
「砂漠の乗り物と言えば、ダバハでないとすれば、バリーブとか・・」
ロザリア王女はその言葉に反応した。
「13人でバリーブ・・・まさか・・」
「ロザリアは何か心当たりがあるのか?」
「もし13人でバリーブであれば砂漠の稲妻竜、STD13の可能性が高いです」
「ほうSTD13ね、でも全員で13人なら元セグリア王国の者だけだろ?また蟲に操られているとか?
それでは、とりあえず応戦するかな」
ジェイは敵が来る方向へサンダーボードに乗って行こうとした。
「私も行きます」
ロザリア王女もそう言うとジェイにしがみついた。
「ロザリア、危ないからみんなと居るんだ」
「いえ、これは私の役割です。ブロスたち、元国民の彼らをちゃんと見つめることが元王女としての私の役割です」
「私も行くわ」
ラミアがそう言うと、ロザリア王女を自分のサンダーボードに乗せた。
「俺も行きます」
サンクスも、そう言うと付いて来る気満々だった。
「イグル、すまない先に戻っていてくれ、俺達にはお客さんが来たみたいなんだ」
敵の姿が間近に見えるところまで近づくとロザリア王女が間違いないと確認した。
「では戦闘に行ってくる」
「待ってください、私が最初に話をします」
「ロザリア、いくら何でもそれは危ない」
「彼らはSTD13という昔の名前で隊を作っていますが、多くは国の重鎮で元の王国で大臣をやっていた人達なんです。蟲が彼らの誰かに取り憑いていてもそれ以外の人は大丈夫だと思います」
そう言われて彼らを見ると少し年齢が高いことに気が付いた。
ロザリア王女はさらに付け加えた。
「だから話が出来れば、もしかすると・・・蟲が取り憑いていたとしても全員ではないはずです。話をさせてください」
なる程、前回の話では蟲の数は13匹も準備できないのだからまともな者が多いということになる。
サンダーボードに乗るジェイ、そのジェイにしがみつくロザリア王女。
そのサンダーボードはSTD13の進行方向に止まった。
堂々と立つ二人を見るとSTD13の進行は止まった。
大きな声で叫ぶジェイ。
「お前たちは蟲に侵されているのか?」
「「「いや、そんな奴はここにはいない。傍に居られるのはロザリア王女様ですね、ご無事でしたか」」」
STD13の全員が声をそろえた。
ジェイは再度蟲の話をする。
「よく聞け、もし蟲が混じっているなら、対処方法はある。安心して素直に申し出ろ」
ブロスがジェイの質問に答えた。
「どうやらあなたが王女を守ってくれているのですね。
ありがとうございます。
大丈夫です蟲は混じっていません。
安心ください。我々は命を掛けて王女を守りに来ました」
「命を掛けて?」
「そう既に死んだことになっておるでしょう。そして家族も親族も捨ててきました」
その言葉を聞いて涙ぐむロザリア王女。
「ブロス、そこまでしなくても・・」
「何を言うのですか、王女の御隠れの反乱軍の隠れ家が襲われた時点で我々は王女を守れませんでした。
王女無き隠れ家を見た時の絶望感はありませんでした。
国を再建する夢は全て王女に掛かっている、そんな夢を王女に全て覆いかぶせていた。
そんな重いものを覆いかぶせておきながら守れない自分達が情けなかったのです。
本当によくぞご無事で・・・」
「ここで話をしていてもしようがありません。
ザガール国の皆様も居ますが安全な場所があります。一緒に来てください」
その言葉はブロス達にとって大きな驚きを与えた。
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