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成人編
10.家族
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アメリア女史と会った日、その晩は眠れなかった。
私の心は殆ど決まっていた。
私は奇跡を起こしてくれたのは、この「真珠」じゃないかと考えている。
真珠を手の中で転がしながら見つめていた。
(もしかすると、今回の奇跡的な出会いもこの真珠のお陰なのかしら?
ワクワクする何かがまた始まる予感がする
また、私に何かを勉強させてくれるのね)
あの時ことを思い出す。
(良かった、あの時もしお父さんの言うことに反発して手放していたら…
一度は手放してしまった真珠、でも戻って来た真珠
たぶん今度手放したら戻ってくることは無いだろう……)
(だから何時までも一緒だ……、そう何時までも……
おばあちゃんとおじいちゃんの思いと、そして私の思いが追加されたこの真珠
そうだ、家宝として私から誰かに受け継いで行くのかな)
受け継いでいく、その時ふと思った……
(受け継いでいく…… 誰に? …… おばあちゃんと同じで、私の子供たちの誰か?
思いを受け継いで暮れる家族たちに……
そして、そのまた子供たちへ受け継がれ…
受け継がれる内に真珠は、また誰かに奇跡的な何かを引き起こすだろう)
(そうだ、いつか私も誰かに渡す時が来るだろう)
ここまで考えて少し違和感を感じた。
(そう言えば、おばあちゃんは『婚約指輪』の意味も知らなかった私に……
なぜ大事な真珠を渡してくれたのかしら?
私は、おばあちゃんの思いを十分に理解できていなかったと思うのに……
でも、おばあちゃんは、この真珠が大切なものだと分からない子供の私に託した……
なぜだろう……)
不思議な話である、おばあちゃんは大切にしろとは言わなかった……
そう「勉強のために使いなさい」と言ったのだ。
少しの違和感があったが、真珠とおばちゃんには感謝している。
そして、私は決心することができた。
唯一どうしたら良いか分からないことが残っていた。
そうだ、裕也との関係が少し離れることを考え始めると……
そう、決心が鈍ってしまいそうだった。
その晩裕也に連絡した。
電話では無く、メールで電子ミーティングに招待してもらう方法をとった。
それは時間は彼が変更出来るように招待は彼からしてもらうのです。
「こんばんわ、遅くなってごめんな」
「大丈夫よ、それに私の方からお願いしたんだもん」
裕也は物凄く興奮していた。
「前言ってたやろ、スクレイガー本人が説明に来たので、マエストロ教授が驚いていた話…」
「なんと、最初は教授の仕業ちゃうんか…とか思っていたんやけど、違うかった
スクレイガーさんは俺の研究内容を調査して知っていたんや……
それでな、昨日俺の研究内容に今回の活動をまとめて最終報告を来年の夏に提出すれば卒業後、研究員に採用するとスクレイガーさんから連絡があった。」
嬉しそうな声であり、その声で裕也の喜びが手に取るように分かる。
「なるほど、そう言うことね将来有望な青年は調査済みで、しっかりゲットしに来た訳ね」
「裕也も将来は決まったのね」
そうだ決めたはず、だから連絡をした、でも一つだけ問題がある……
裕也は直ぐに気づいたようだ…
「裕也もって?サエラも決まったんか?」
「そうなの裕也、私決めたの!!」
「何をや?」
「ごめんなさい、来年の春の海外ボランティアは参加できない」
「そうか、でもな……」と裕也が言いかけたが
「違うの……、ごめんなさい、私再来年春にインターンシップでアメリカに行くことにしたのよ」
「え~ぇっ!!」
裕也の驚く声が聞こえたが続ける。
「アメリア女史自らからインターンシップへ誘ってくれたのよ、受けないとね
”パール”の話や色々お話したの、そしたら私の所に来ないかって、お誘いが……
多分、マエストロ教授のような基本的な研究が出来る人材が欲しかったと言うのもあるみたいだけどね
後一年頑張って教授の所で勉強して1年のインターンシップで頑張ってみようと思うの」
「ホンマか、目標が出来て良かったな……」
まだ誰にも話していない
そう今日、決心がついたばかりの計画だわ
でも、裕也は本当に喜んでくれた。
最大の問題は、裕也と離れ離れになることなのだが……
「良いのかな……」
少し暗い表情と声になり呟いてしまった。
「何が「良いのかな」なの?」
「だって、裕也と会えなくなるかもしれない」
「そんなはずは無いだろう、大丈夫さ……」
「さっき言いかけたんだけど、『一緒に海外に行かないか?』」
驚きの発言だった……
「えっ!!」
裕也は冷静に説明し始めた。
「俺は来年のクリスマス頃には帰ろうと思っている、そして再来年春から復学するやろ……
それで、サエラは1年インターンシップやったら、帰って来て復学するということやとな……
結果、二人とも6回生になって同級生や」
そして裕也の声は大きくなり。
「卒業後、俺はアメリカを拠点に世界で活動するつもりやった、そうやスクレイガーさんの話で現実化したんや」
「もしボランティアに参加しなくてもサエラが良ければ卒業後、同じアメリカで働くことを進めるつもりやった
そうや、一緒にアメリカに行きたいんや!!」
「大丈夫や、サエラもアメリカに行くなら都合良いわ……ちょっと待っとって」
そう言うと裕也は何かを調べ出した。
そして嬉しそうな声で話を続けた。
「大丈夫やアメリア女史の研究所はそんなに遠くは無い、俺らは一緒の場所に住める」
どうしたんだろう、思いもよらない答えだったからか、少し涙声になる。
「本当なの……、ありがとう、ありがとう」
私は礼を言った、それは決して裕也だけにでは無かっただろう。
---
あの時のお父さんからの条件である「覚悟」……
それは違う形であるが私の「覚悟」が決まった。
来年一年教授の元で研究者として基礎をしっかり身に着けよう、そしてアメリア女史の所へ行きたい。
そのことを両親に話して、1年の休学と海外へのインターンシップの許可を得ようと考えていた。
今回の話ならば両親を説得する自信がある、今回はお父さんも真珠を手放せとは言わないと思う。
だが、私には引っ掛かっていたことがある。
それはおばあちゃんはこの真珠が大切なものだと分からない子供の私に託したこと……
その時「勉強のために使いなさい」と言ったのだ。
実はそれ以外に、この間夢で見た祖父母の言葉もあり気になっていた。
(おばあちゃんとおじいちゃん、二人で何故あんなことを言う夢を見たのかしら)
その意味を考えていた。
ふと頭をよぎったことが有った。
(私が渡すべきは、本当に家族の誰かなのかしら?)
翌日、私は沙也加さんに貰った名刺にある連絡先に連絡を入れることにした。
「沙也加さん、相談があるんですけど……」
「サエラちゃん、何かあったの?」
「真珠のことで……」
そう言うと、なんと2日後、沙也加さんは私の所にわざわざ会いに来てくれることになった。
私は今までの経緯と共に説明していく、そして本題に入る
「私将来の目標を見つけました、そこで相談なんですが……真珠を売りたいと思っています」
沙也加さんは、再度確認してきた。
「真珠を売る……どうして、サエラちゃんは、さっきお父さんたちを納得させる自信があると言ったわよね?」
「私は真珠に助けられたと思っていた」
「でも違うんです、形があるから頼っていただけなんです」
「おばあちゃんとの約束は『勉強するために使う』と言うこと以外に無かったんです」
「そうなんです、私は約束に気が付いたんです」
「いつも真珠が私に与えてくれたと思っていました、でもそれは本当は私自身がつかみ取らないといけないことでした」
「私は、大きな間違いをするところでした、家宝だなんて子孫にそんな重たいものを押し付けようなんて……」
「私はおばあちゃんとの約束通り私が勉強するために、この真珠を使いたいと思います」
「お願いします、1つしかありませんが、真珠のことを大事にしてくれる人に……本当に真珠を大事にしてくれる人に……売ってください」
そう言い終わると涙が止まらなかった。
沙也加さんはひとこと。
「了解、とっても素晴らしい適任者を知っているわ、その人を紹介しましょうか?」
私は涙声で答えた。
「ダメです、真珠の行方を知らない方が良いんです……」
そう言うと後は何も話せなかった。
お願いをするとその日は沙也加さんは帰って行った。
サエラと話をした後で、実はサエラの父親から相談を受けてた沙也加さんはサエラの父親に電話してた。
「もしもし、サエラちゃんに会いましたよ、それで真珠のことですが?」
沙也加さんの言葉に父親は淡々と答えていく。
「そうですか、私の言ったことで、やけになって売るというのであれば、私の責任ですが……
サエラがそう決めたのであれば、その通りにしてやってください、私が口を出すべきことではありません」
電話を切ると傍で聞いていた母親が父親に話しかける。
「あんたサエラが、どうかしたん、まさか真珠売るとか言とんとちゃうやろね?」
「大丈夫や、心配せんで良いで、サエラは自分で判断をしたんや」
「そうや、あれを準備しておいてくれるか、多分サエラは話をするために帰って来よるわ」
「了解やで、とっくに準備はOKや」
後日サエラの元に沙也加が封筒に入った代金を持って来てくれた。
その封筒には過分とも思える金額が入っていた。
「多すぎるんと違う?」
「貴方と真珠のことを知っているから、頑張ってねと言っていたわ」
「ありがとうございます」
サエラは沙也加に礼を言ったが、結局このお金をサエラは使うことが出来なかった。
---
そして、冬休みになると実家に戻った。
去年の、あの時と同じだった。
ただ違うのは私の覚悟だった、そうだこれが父親の言った覚悟の意味なのかと思った。
なぜなら、あの時のふわふわとした気持ではなく自分でも驚くほど落ち着いていた。
先日沙也加さんから受け取った封筒を差し出した。
「真珠を売ったお金です、実は使えませんでした」
ダメだ、涙声になる。
「これは私がアメリカに行くという『覚悟』です
自分で決めて自分で進んで行く、そう言う意味の出発のための切符です
お父さん、預かってください」
そう言うと涙腺は待てなくなったのだろうか、涙がこぼれてしまった。
「よう『覚悟』を決めたな、分かった約束やからな、お母さんあれ」
母親は涙をいっぱい溜めた目をしていたが立ち上がり何かを取ってきた。
「ハイ、準備万端やで」
母は机の上に通帳をだした、そして父が説明し始めた。
「これはお前が夢の話をした小学生の頃から、動物病院始めるのに必要なお金を貯めていたものや
遠慮せんと使こて良いで」
母親は涙声で「辛い決断をさせたな」と謝った。
「違うわ、私がおばあちゃんとの約束の本当の意味を勘違いしとったんや……
大丈夫や、おばあちゃんの言うとおりにしたんや」
-----
私なりの結論、それは真珠が指輪から外れた時の話だと思った。
おばあちゃんはおじいちゃんが亡くなったとき、その思いを真珠に向け毎日磨いたのだ。
だか指輪から真珠が取れた時、「えらいことになった」そう思っただろう。
それと同時に周りに目が行ったのではないだろうか?
この時、家族が自分を心配していることを思いやることができたのだと思う。
そして、自分に対する家族の思いが分かると、おじいちゃんとの全ての思いは自分の中にあると気づいたのだろう。
真珠は結局モノでしかなかった、それが証拠にどんなに大事にしていても、指輪から外れてしまったのだ。
瀬戸物やガラスであれば、この段階で捨てることになっていただろう。
だから、あの時笑ったのではないだろうか?
その晩、私はぐっすり眠ることが出来た。
翌日湖に行くとコハクチョウ達は食事中なのか少なかった。
畑に行くと元気に畑で食事をしていた、食事後また湖に帰って行った。
そうだ、あの時となにも変わっていなかった。
ーーー
5回生になって、勉強に研究に忙しい日々が続く……
あっという間に日が過ぎていく。
夏休みが過ぎた頃、裕也から連絡が入った。
「やった!!、ついに就職が決まったで……」
二人は、感動のあまりその後の話が繋がらなかった。
少しすると、裕也は気を取り直して
「ごめん、肝心な話せなあかんな……
冬休みまでには予定通り帰るから、コハクチョウを一緒に見たいから湖の見える所で会いたいんや」
「大丈夫よ、冬休みは帰省しているから一緒に見れるわよ」
「約束やで絶対に一緒に見てくれよ、日にち調整しよう……」
なんか大袈裟だと思いながら日程調整する?
そう言えば裕也とコハクチョウを一緒に見るのも久しぶりのことだった。
「あんな、サエラ……、アメリカに一緒に行くんやけどな……、え~と……」
「どないしたん?」
「今すぐやないけど、ちゃんと働きだしたらやけどな……」
「一緒にアメリカに行って……」
「どないしたん?」
「じゃあコハクチョウを見ながら話するわ」
なんか裕也がしどろもどろになっていた……
目的があると日はさらに早く過ぎていく。
冬裕也は帰って来た、彼の実家の近くの空港だったので、私は勉強と研究の関係で迎えには行けなかった。
冬休みに入ると約束の前日に実家に戻った。
翌日の朝からコハクチョウ達を見る。
二人で湖畔の土手に座りコハクチョウを見ていた。
「サエラ、言っておかなあかんことが有るねん」
「今やのうて良いんやけど、そうや一緒にアメリカに行ってからで良いんやけど」
「あの……、サエラ、僕と結婚してください」
一瞬耳を疑い声を失う……、電撃的なプロポーズ……
「はい」と答えてしまった。
「でも今からまだインターンとか卒業までの間とかいろいろあるから、ちょっと突飛かな……」とか照れ隠しで付け加えた。
家に帰ると母親が話しかけてきた。
「サエラなんかうれそうやね」
「裕也がね、いや、ちょっと嬉しいことが有ったんや」
その時玄関のチャイムが鳴る。
「はーい」
母親は元気に玄関に出ていく。
「サエラ、お待ちかねの裕也君やで」
「えっ、なんやろ……」
「こんばんわ」と裕也の声が聞こえた。
そこで急いで「こんばんわ」と挨拶する。
そして出迎えに行くと、そこには裕也のご両親も一緒だった。
うちの両親と私が3人並び、そして向いには裕也と裕也のご両親が並んだ。
裕也が緊張しながら話を始めた。
「この度はお集まりいただきありがとうございます」
どうやら、両親は知っていたようだ「納采の儀」とか言うのかな?
婚約発表と言うことらしいぞ、私も段々緊張していく……
「婚約の印として、この真珠を受け取ってください」
思いもかけないことだった、それは新しい私の真珠だった……
そうか裕也は気にしていてくれたんだ。
この真珠と私達二人は新しい思い出を私達に沢山作って行くだろう。
そうか、おばあちゃんも大切にしていた思い、それはこう言うことか。
ーーー
5回生の終わりに近くなった時、休学申請も終わり行く準備は整った。
そう、5回生もなんとか単位を取ることが出来た。
さて、楽しいバイトではあったが、今期からは続けなれない。
話はしていたが、バイト先も人手不足になるだろうから、真奈美さんを連れて行って紹介した。
真奈美さんは喜んでいた、だって一石二鳥いや一石三鳥とかであるからね。
山城さんは「なるほど、これほど完璧な山ガールは居ないよ」と上機嫌だった。
出発する日がやって来る。
私は大きなリュックに荷物を詰め込んで空港にいた。
今度は裕也が私を見送ってくれる。
「裕也、行ってきます」
「帰ってきたら同級生や!!」
そう裕也は言うと二人で笑った。
「長い別れでは無いと思っていたから、泣くものかと思っていた
でも裕也の顔を見ていると涙が出そうになる」
それを察したのか、裕也が抱きしめてくれる、その行為で涙が少し流れた。
何とか涙を押さえて飛行機に乗り込んだ、窓から見送る裕也と家族が見えた時涙が止まらなかった。
白い大きな鉄の鳥は大きな轟音を轟かせ、滑走路を猛スピードで走るとやがてフワッと浮き上がった。
始めて飛ぶ国際線、航路は私の町の上も飛んで行くため大きな湖の上も飛んで行くのだ。
”パール”達も見たであろう上からの湖……その姿は地図で見たものと同じ形だが、本物はもっと美しいものだった。
ーーー
ある音楽学校
その学校では優秀な生徒に送られる「コハクチョウ賞」という賞がある。
その賞を受けた者は海外での勉強と活動の機会を与えられるそうだ。
賞を受けた時、全員の前で演奏をするのだが、その時に貸し与えられるブローチがある。
そのブローチはコハクチョウを模り、大きな真珠が付いていた。
その真珠はこの学校に数々の物語を齎したため、学生や教師の間では「奇跡の真珠」と呼ばれている。
私の心は殆ど決まっていた。
私は奇跡を起こしてくれたのは、この「真珠」じゃないかと考えている。
真珠を手の中で転がしながら見つめていた。
(もしかすると、今回の奇跡的な出会いもこの真珠のお陰なのかしら?
ワクワクする何かがまた始まる予感がする
また、私に何かを勉強させてくれるのね)
あの時ことを思い出す。
(良かった、あの時もしお父さんの言うことに反発して手放していたら…
一度は手放してしまった真珠、でも戻って来た真珠
たぶん今度手放したら戻ってくることは無いだろう……)
(だから何時までも一緒だ……、そう何時までも……
おばあちゃんとおじいちゃんの思いと、そして私の思いが追加されたこの真珠
そうだ、家宝として私から誰かに受け継いで行くのかな)
受け継いでいく、その時ふと思った……
(受け継いでいく…… 誰に? …… おばあちゃんと同じで、私の子供たちの誰か?
思いを受け継いで暮れる家族たちに……
そして、そのまた子供たちへ受け継がれ…
受け継がれる内に真珠は、また誰かに奇跡的な何かを引き起こすだろう)
(そうだ、いつか私も誰かに渡す時が来るだろう)
ここまで考えて少し違和感を感じた。
(そう言えば、おばあちゃんは『婚約指輪』の意味も知らなかった私に……
なぜ大事な真珠を渡してくれたのかしら?
私は、おばあちゃんの思いを十分に理解できていなかったと思うのに……
でも、おばあちゃんは、この真珠が大切なものだと分からない子供の私に託した……
なぜだろう……)
不思議な話である、おばあちゃんは大切にしろとは言わなかった……
そう「勉強のために使いなさい」と言ったのだ。
少しの違和感があったが、真珠とおばちゃんには感謝している。
そして、私は決心することができた。
唯一どうしたら良いか分からないことが残っていた。
そうだ、裕也との関係が少し離れることを考え始めると……
そう、決心が鈍ってしまいそうだった。
その晩裕也に連絡した。
電話では無く、メールで電子ミーティングに招待してもらう方法をとった。
それは時間は彼が変更出来るように招待は彼からしてもらうのです。
「こんばんわ、遅くなってごめんな」
「大丈夫よ、それに私の方からお願いしたんだもん」
裕也は物凄く興奮していた。
「前言ってたやろ、スクレイガー本人が説明に来たので、マエストロ教授が驚いていた話…」
「なんと、最初は教授の仕業ちゃうんか…とか思っていたんやけど、違うかった
スクレイガーさんは俺の研究内容を調査して知っていたんや……
それでな、昨日俺の研究内容に今回の活動をまとめて最終報告を来年の夏に提出すれば卒業後、研究員に採用するとスクレイガーさんから連絡があった。」
嬉しそうな声であり、その声で裕也の喜びが手に取るように分かる。
「なるほど、そう言うことね将来有望な青年は調査済みで、しっかりゲットしに来た訳ね」
「裕也も将来は決まったのね」
そうだ決めたはず、だから連絡をした、でも一つだけ問題がある……
裕也は直ぐに気づいたようだ…
「裕也もって?サエラも決まったんか?」
「そうなの裕也、私決めたの!!」
「何をや?」
「ごめんなさい、来年の春の海外ボランティアは参加できない」
「そうか、でもな……」と裕也が言いかけたが
「違うの……、ごめんなさい、私再来年春にインターンシップでアメリカに行くことにしたのよ」
「え~ぇっ!!」
裕也の驚く声が聞こえたが続ける。
「アメリア女史自らからインターンシップへ誘ってくれたのよ、受けないとね
”パール”の話や色々お話したの、そしたら私の所に来ないかって、お誘いが……
多分、マエストロ教授のような基本的な研究が出来る人材が欲しかったと言うのもあるみたいだけどね
後一年頑張って教授の所で勉強して1年のインターンシップで頑張ってみようと思うの」
「ホンマか、目標が出来て良かったな……」
まだ誰にも話していない
そう今日、決心がついたばかりの計画だわ
でも、裕也は本当に喜んでくれた。
最大の問題は、裕也と離れ離れになることなのだが……
「良いのかな……」
少し暗い表情と声になり呟いてしまった。
「何が「良いのかな」なの?」
「だって、裕也と会えなくなるかもしれない」
「そんなはずは無いだろう、大丈夫さ……」
「さっき言いかけたんだけど、『一緒に海外に行かないか?』」
驚きの発言だった……
「えっ!!」
裕也は冷静に説明し始めた。
「俺は来年のクリスマス頃には帰ろうと思っている、そして再来年春から復学するやろ……
それで、サエラは1年インターンシップやったら、帰って来て復学するということやとな……
結果、二人とも6回生になって同級生や」
そして裕也の声は大きくなり。
「卒業後、俺はアメリカを拠点に世界で活動するつもりやった、そうやスクレイガーさんの話で現実化したんや」
「もしボランティアに参加しなくてもサエラが良ければ卒業後、同じアメリカで働くことを進めるつもりやった
そうや、一緒にアメリカに行きたいんや!!」
「大丈夫や、サエラもアメリカに行くなら都合良いわ……ちょっと待っとって」
そう言うと裕也は何かを調べ出した。
そして嬉しそうな声で話を続けた。
「大丈夫やアメリア女史の研究所はそんなに遠くは無い、俺らは一緒の場所に住める」
どうしたんだろう、思いもよらない答えだったからか、少し涙声になる。
「本当なの……、ありがとう、ありがとう」
私は礼を言った、それは決して裕也だけにでは無かっただろう。
---
あの時のお父さんからの条件である「覚悟」……
それは違う形であるが私の「覚悟」が決まった。
来年一年教授の元で研究者として基礎をしっかり身に着けよう、そしてアメリア女史の所へ行きたい。
そのことを両親に話して、1年の休学と海外へのインターンシップの許可を得ようと考えていた。
今回の話ならば両親を説得する自信がある、今回はお父さんも真珠を手放せとは言わないと思う。
だが、私には引っ掛かっていたことがある。
それはおばあちゃんはこの真珠が大切なものだと分からない子供の私に託したこと……
その時「勉強のために使いなさい」と言ったのだ。
実はそれ以外に、この間夢で見た祖父母の言葉もあり気になっていた。
(おばあちゃんとおじいちゃん、二人で何故あんなことを言う夢を見たのかしら)
その意味を考えていた。
ふと頭をよぎったことが有った。
(私が渡すべきは、本当に家族の誰かなのかしら?)
翌日、私は沙也加さんに貰った名刺にある連絡先に連絡を入れることにした。
「沙也加さん、相談があるんですけど……」
「サエラちゃん、何かあったの?」
「真珠のことで……」
そう言うと、なんと2日後、沙也加さんは私の所にわざわざ会いに来てくれることになった。
私は今までの経緯と共に説明していく、そして本題に入る
「私将来の目標を見つけました、そこで相談なんですが……真珠を売りたいと思っています」
沙也加さんは、再度確認してきた。
「真珠を売る……どうして、サエラちゃんは、さっきお父さんたちを納得させる自信があると言ったわよね?」
「私は真珠に助けられたと思っていた」
「でも違うんです、形があるから頼っていただけなんです」
「おばあちゃんとの約束は『勉強するために使う』と言うこと以外に無かったんです」
「そうなんです、私は約束に気が付いたんです」
「いつも真珠が私に与えてくれたと思っていました、でもそれは本当は私自身がつかみ取らないといけないことでした」
「私は、大きな間違いをするところでした、家宝だなんて子孫にそんな重たいものを押し付けようなんて……」
「私はおばあちゃんとの約束通り私が勉強するために、この真珠を使いたいと思います」
「お願いします、1つしかありませんが、真珠のことを大事にしてくれる人に……本当に真珠を大事にしてくれる人に……売ってください」
そう言い終わると涙が止まらなかった。
沙也加さんはひとこと。
「了解、とっても素晴らしい適任者を知っているわ、その人を紹介しましょうか?」
私は涙声で答えた。
「ダメです、真珠の行方を知らない方が良いんです……」
そう言うと後は何も話せなかった。
お願いをするとその日は沙也加さんは帰って行った。
サエラと話をした後で、実はサエラの父親から相談を受けてた沙也加さんはサエラの父親に電話してた。
「もしもし、サエラちゃんに会いましたよ、それで真珠のことですが?」
沙也加さんの言葉に父親は淡々と答えていく。
「そうですか、私の言ったことで、やけになって売るというのであれば、私の責任ですが……
サエラがそう決めたのであれば、その通りにしてやってください、私が口を出すべきことではありません」
電話を切ると傍で聞いていた母親が父親に話しかける。
「あんたサエラが、どうかしたん、まさか真珠売るとか言とんとちゃうやろね?」
「大丈夫や、心配せんで良いで、サエラは自分で判断をしたんや」
「そうや、あれを準備しておいてくれるか、多分サエラは話をするために帰って来よるわ」
「了解やで、とっくに準備はOKや」
後日サエラの元に沙也加が封筒に入った代金を持って来てくれた。
その封筒には過分とも思える金額が入っていた。
「多すぎるんと違う?」
「貴方と真珠のことを知っているから、頑張ってねと言っていたわ」
「ありがとうございます」
サエラは沙也加に礼を言ったが、結局このお金をサエラは使うことが出来なかった。
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そして、冬休みになると実家に戻った。
去年の、あの時と同じだった。
ただ違うのは私の覚悟だった、そうだこれが父親の言った覚悟の意味なのかと思った。
なぜなら、あの時のふわふわとした気持ではなく自分でも驚くほど落ち着いていた。
先日沙也加さんから受け取った封筒を差し出した。
「真珠を売ったお金です、実は使えませんでした」
ダメだ、涙声になる。
「これは私がアメリカに行くという『覚悟』です
自分で決めて自分で進んで行く、そう言う意味の出発のための切符です
お父さん、預かってください」
そう言うと涙腺は待てなくなったのだろうか、涙がこぼれてしまった。
「よう『覚悟』を決めたな、分かった約束やからな、お母さんあれ」
母親は涙をいっぱい溜めた目をしていたが立ち上がり何かを取ってきた。
「ハイ、準備万端やで」
母は机の上に通帳をだした、そして父が説明し始めた。
「これはお前が夢の話をした小学生の頃から、動物病院始めるのに必要なお金を貯めていたものや
遠慮せんと使こて良いで」
母親は涙声で「辛い決断をさせたな」と謝った。
「違うわ、私がおばあちゃんとの約束の本当の意味を勘違いしとったんや……
大丈夫や、おばあちゃんの言うとおりにしたんや」
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私なりの結論、それは真珠が指輪から外れた時の話だと思った。
おばあちゃんはおじいちゃんが亡くなったとき、その思いを真珠に向け毎日磨いたのだ。
だか指輪から真珠が取れた時、「えらいことになった」そう思っただろう。
それと同時に周りに目が行ったのではないだろうか?
この時、家族が自分を心配していることを思いやることができたのだと思う。
そして、自分に対する家族の思いが分かると、おじいちゃんとの全ての思いは自分の中にあると気づいたのだろう。
真珠は結局モノでしかなかった、それが証拠にどんなに大事にしていても、指輪から外れてしまったのだ。
瀬戸物やガラスであれば、この段階で捨てることになっていただろう。
だから、あの時笑ったのではないだろうか?
その晩、私はぐっすり眠ることが出来た。
翌日湖に行くとコハクチョウ達は食事中なのか少なかった。
畑に行くと元気に畑で食事をしていた、食事後また湖に帰って行った。
そうだ、あの時となにも変わっていなかった。
ーーー
5回生になって、勉強に研究に忙しい日々が続く……
あっという間に日が過ぎていく。
夏休みが過ぎた頃、裕也から連絡が入った。
「やった!!、ついに就職が決まったで……」
二人は、感動のあまりその後の話が繋がらなかった。
少しすると、裕也は気を取り直して
「ごめん、肝心な話せなあかんな……
冬休みまでには予定通り帰るから、コハクチョウを一緒に見たいから湖の見える所で会いたいんや」
「大丈夫よ、冬休みは帰省しているから一緒に見れるわよ」
「約束やで絶対に一緒に見てくれよ、日にち調整しよう……」
なんか大袈裟だと思いながら日程調整する?
そう言えば裕也とコハクチョウを一緒に見るのも久しぶりのことだった。
「あんな、サエラ……、アメリカに一緒に行くんやけどな……、え~と……」
「どないしたん?」
「今すぐやないけど、ちゃんと働きだしたらやけどな……」
「一緒にアメリカに行って……」
「どないしたん?」
「じゃあコハクチョウを見ながら話するわ」
なんか裕也がしどろもどろになっていた……
目的があると日はさらに早く過ぎていく。
冬裕也は帰って来た、彼の実家の近くの空港だったので、私は勉強と研究の関係で迎えには行けなかった。
冬休みに入ると約束の前日に実家に戻った。
翌日の朝からコハクチョウ達を見る。
二人で湖畔の土手に座りコハクチョウを見ていた。
「サエラ、言っておかなあかんことが有るねん」
「今やのうて良いんやけど、そうや一緒にアメリカに行ってからで良いんやけど」
「あの……、サエラ、僕と結婚してください」
一瞬耳を疑い声を失う……、電撃的なプロポーズ……
「はい」と答えてしまった。
「でも今からまだインターンとか卒業までの間とかいろいろあるから、ちょっと突飛かな……」とか照れ隠しで付け加えた。
家に帰ると母親が話しかけてきた。
「サエラなんかうれそうやね」
「裕也がね、いや、ちょっと嬉しいことが有ったんや」
その時玄関のチャイムが鳴る。
「はーい」
母親は元気に玄関に出ていく。
「サエラ、お待ちかねの裕也君やで」
「えっ、なんやろ……」
「こんばんわ」と裕也の声が聞こえた。
そこで急いで「こんばんわ」と挨拶する。
そして出迎えに行くと、そこには裕也のご両親も一緒だった。
うちの両親と私が3人並び、そして向いには裕也と裕也のご両親が並んだ。
裕也が緊張しながら話を始めた。
「この度はお集まりいただきありがとうございます」
どうやら、両親は知っていたようだ「納采の儀」とか言うのかな?
婚約発表と言うことらしいぞ、私も段々緊張していく……
「婚約の印として、この真珠を受け取ってください」
思いもかけないことだった、それは新しい私の真珠だった……
そうか裕也は気にしていてくれたんだ。
この真珠と私達二人は新しい思い出を私達に沢山作って行くだろう。
そうか、おばあちゃんも大切にしていた思い、それはこう言うことか。
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5回生の終わりに近くなった時、休学申請も終わり行く準備は整った。
そう、5回生もなんとか単位を取ることが出来た。
さて、楽しいバイトではあったが、今期からは続けなれない。
話はしていたが、バイト先も人手不足になるだろうから、真奈美さんを連れて行って紹介した。
真奈美さんは喜んでいた、だって一石二鳥いや一石三鳥とかであるからね。
山城さんは「なるほど、これほど完璧な山ガールは居ないよ」と上機嫌だった。
出発する日がやって来る。
私は大きなリュックに荷物を詰め込んで空港にいた。
今度は裕也が私を見送ってくれる。
「裕也、行ってきます」
「帰ってきたら同級生や!!」
そう裕也は言うと二人で笑った。
「長い別れでは無いと思っていたから、泣くものかと思っていた
でも裕也の顔を見ていると涙が出そうになる」
それを察したのか、裕也が抱きしめてくれる、その行為で涙が少し流れた。
何とか涙を押さえて飛行機に乗り込んだ、窓から見送る裕也と家族が見えた時涙が止まらなかった。
白い大きな鉄の鳥は大きな轟音を轟かせ、滑走路を猛スピードで走るとやがてフワッと浮き上がった。
始めて飛ぶ国際線、航路は私の町の上も飛んで行くため大きな湖の上も飛んで行くのだ。
”パール”達も見たであろう上からの湖……その姿は地図で見たものと同じ形だが、本物はもっと美しいものだった。
ーーー
ある音楽学校
その学校では優秀な生徒に送られる「コハクチョウ賞」という賞がある。
その賞を受けた者は海外での勉強と活動の機会を与えられるそうだ。
賞を受けた時、全員の前で演奏をするのだが、その時に貸し与えられるブローチがある。
そのブローチはコハクチョウを模り、大きな真珠が付いていた。
その真珠はこの学校に数々の物語を齎したため、学生や教師の間では「奇跡の真珠」と呼ばれている。
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