私の愛した王子様

山美ハル

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兄と妹(2)

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空を見るだけで心がうきうきする快晴の空

マドレーヌは家族と朝食を食べている

「お兄ちゃん今日の試験見に行っていい?」

普段はお兄様と呼んでいるがたまにお兄ちゃんと呼んでしまう

「お兄様と呼びなさい」

父親のブレッツエルから注意を受ける

「はい」

そんな光景を兄のサバランは優しく見ていた

「サバラン今回の宮廷魔法師は何としても合格するんだぞ」

バター家は男爵の地位についており、自身の息子が宮廷魔法師になる事ができでば自分の地位が上がると思っている

「分かってるよお父さん」

「本当に思っているのか」

「もちろんですよ」

我が息子はどこか気が抜けている気がする

才能があるはずだが・・・

ブレッツエルは心に思う

「試験は昼からだったな」

「はい今回は特別で昼からになったんですよ」

宮廷魔法師の試験は朝からと決まっていたが三日前に宮廷から試験の日時が変更になったと知らせが届いたのだ

当たりまえだが意義など唱える事など出来るはずがない為

皆命令に従う

「マドレーヌは今日はどこかに行くのかい?」

サバランはマドレーヌに話しかけた

「今日は魔法使いになるために一人で修行するつもりです」

マドレーヌは学校が休みの日には裏山で一人修行をすることが日課になっている

「マドレーヌ無茶はするなよ」

ブレッツエルはマドレーヌを気遣う

マドレーヌには魔法の才能がなく

そのことをブレッツエルは知っている

男爵家の当主としては娘は役に立たないが

父親としては愛しい娘である

「行ってきます」

サバランは椅子から立ち上がる

「気を付けてな」

「私も一緒に行く」

マドレーヌは部屋に戻りサバランに貰った黄色いリボンをつけサバランの後を追う

「やれやれ」

ブレッツエルはため息をついた

「お兄様のように魔法を使うにはどうすれば良いのですか?」

家からでた二人は道を歩く

「そうだな・・魔法に念じるんだよ」

「何をですか?」

「気持ちだよ」

「何時もお兄様のようになりたいと念じてますよ」

マドレーヌは真剣なまなざしでサバランを見つめる

「俺のようになりたいじゃなくてマドレーヌはどう魔法を使いたいかだよ」

「難しいです」

マドレーヌは頭を抱える

「何時か分かる時がくるよ」

「本当ですか?」

「うん 絶対」

サバランは頷く

「私もお兄様のような炎の魔法を使ってみたいです」

マドレーヌは右腕の手のひらを眺める

「マドレーヌは風の魔法が仕えるじゃないか」

「お兄様と一緒が良いのです」

「困ったな」

サバランは妹を見つめ困った表情を浮かべた

「う~んそうだ」

サバランは閃く

「何が合ったら絶対助けに行くからそれじゃダメか?」

「本当にですか?」

「絶対約束するよ」

「はい」

マドレーヌとサバランは笑顔で違う道を行く

マドレーヌは裏山に

サバランは試験を受けに

サバランは試験会場に到着した

(今頃マドレーヌは修行しているのかな)

マドレーヌの事を考え自分もしっかりとしなければ

自分を鼓舞する

「サバランさん」

後ろから見知らぬ女性に声をかけられる

「これをどうぞ」

女は一通の封筒を差し出す

「俺に?」

「あれ消えた?」

女は姿が消える

サバランは手紙を開く

妹は預かった

無事に返して欲しければ

13時にバター家の裏山に来い

「13時って試験の開始時間じゃないか・・・」

誰かに話せば妹は死ぬ

封筒の中には黄色いリボンが入っていた


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