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兄と妹(12)
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月が隠れる
大丈夫
月はそこにあるから
マドレーヌは周りを見渡す
「あれ?」
もしかしたら
寝てたの?
マドレーヌは修行中に魔力が無くなりそうになったり
魔法を制御できなくなり
その反動で気を失ってしまう事がよくある
「いたた」
身体中が痛い
「明日は筋肉痛かも・・」
自身の身体を触る
辺りが暗い
どれくらい気を失っていたんだろ
「早く帰らなきゃお父様に怒られる」
服の汚れを手で払い立ち上がる
「お兄様どうだったんだろ?」
兄のサバランが宮廷魔術師の試験がどうなったのか気になった
「お兄様だったら合格かも」
お兄様はすごいよ
自慢のお兄様
マドレーヌは駆け足で自宅まで走っていく
「ただいまー」
玄関のドアを開こうとした時
家の中からお父様の怒鳴る声がする
もしかして怒ってるのかな
前にも一度、山で意識を失っている所をお兄様に見つけてもらい
自宅まで運んでもらった事がある
その時もお父様に怒られたっけかな
「ただいま・・」
「馬鹿野郎が」
マドレーヌがドアを開けた際に目に飛び込んできたのはサバランが父親のブレッツエルに顔面を殴られた所だ
「お兄様大丈夫ですか?」
マドレーヌが声をかけ近づく
「酷いですわお父様」
「こいつは試験を受けずにどこかで休んでいたんだぞ」
ブレッツエルは鼻息荒く興奮する程に怒っていた
「本当ですかお兄様?」
「ちょっと眠たかったんだよ」
ハハハ
サバランは笑った
「お前」
ブレッツエルはサバランはの襟をつかむ
「お兄様なんで・・・」
真面目なお兄様がなぜ
しっかりと魔法の修行をしろと私に何時も言っていたのに
宮廷魔術師試験をさぼった何て
「お兄様酷いですよ」
「・・・」
「何とか言ってください」
「お兄様は最低です」
サバランは笑っている顔を少し曇らせうつむく
「もともと向いてなかったんですよ」
サバランはブレッツエルの手をほどき
服装の乱れを直し
玄関の方に向かう
「しばらく旅に出ます」
「さよなら」
サバランはドアノブを開け外に出る
「旅なんか認めない」
ブレッツエルは声を出した
「追放だお前なんか息子じゃない」
「消えてしまえ」
一度は立ち止まったサバランだったがその言葉を聞いて
また歩き始める
先程までの顔とは違い
悲しそうに
涙を我慢しているようだ
「マドレーヌお前はあいつみたいになるなよ」
「はい」
「お兄様は最低な魔法使いです」
その声を外で聞いたサバランは涙を流した
その頃
裏山では
「身代わりを作っておいて助かったぜ」
男は先程サバランにやられた男だ
「くそ はぁはぁは」
男は這いつくばりながらどこかに行こうとする
「目的は達成できたんだ・・」
ここにいたんですね
「誰だ?」
女が男に近づく
「カバーリングさん」
「なんだよ」
カバーリングはほっとする
「仕事なら完璧だったろ?」
カバーリングは笑いながら話す
「すまないが肩を貸してくれないか?」
「このざまでよ」
女は答える
「残念です」
「土の中の者よこの者を肥やしに育て」
地面から無数の蔓がカバーリングに絡まる
「やめろやめてくれ」
「何でだよなんでなんだよ」
みるみる男はやせ細ってくる
「たすけ」
「てくれ」
キャラメル
カバーリングはそう言うとその場で動かなくなり
地面に引きずられていった
「もうこんな時間ですね」
懐中時計を見ながら
「お嬢様の食事の時間をしなければ・・・」
大丈夫
月はそこにあるから
マドレーヌは周りを見渡す
「あれ?」
もしかしたら
寝てたの?
マドレーヌは修行中に魔力が無くなりそうになったり
魔法を制御できなくなり
その反動で気を失ってしまう事がよくある
「いたた」
身体中が痛い
「明日は筋肉痛かも・・」
自身の身体を触る
辺りが暗い
どれくらい気を失っていたんだろ
「早く帰らなきゃお父様に怒られる」
服の汚れを手で払い立ち上がる
「お兄様どうだったんだろ?」
兄のサバランが宮廷魔術師の試験がどうなったのか気になった
「お兄様だったら合格かも」
お兄様はすごいよ
自慢のお兄様
マドレーヌは駆け足で自宅まで走っていく
「ただいまー」
玄関のドアを開こうとした時
家の中からお父様の怒鳴る声がする
もしかして怒ってるのかな
前にも一度、山で意識を失っている所をお兄様に見つけてもらい
自宅まで運んでもらった事がある
その時もお父様に怒られたっけかな
「ただいま・・」
「馬鹿野郎が」
マドレーヌがドアを開けた際に目に飛び込んできたのはサバランが父親のブレッツエルに顔面を殴られた所だ
「お兄様大丈夫ですか?」
マドレーヌが声をかけ近づく
「酷いですわお父様」
「こいつは試験を受けずにどこかで休んでいたんだぞ」
ブレッツエルは鼻息荒く興奮する程に怒っていた
「本当ですかお兄様?」
「ちょっと眠たかったんだよ」
ハハハ
サバランは笑った
「お前」
ブレッツエルはサバランはの襟をつかむ
「お兄様なんで・・・」
真面目なお兄様がなぜ
しっかりと魔法の修行をしろと私に何時も言っていたのに
宮廷魔術師試験をさぼった何て
「お兄様酷いですよ」
「・・・」
「何とか言ってください」
「お兄様は最低です」
サバランは笑っている顔を少し曇らせうつむく
「もともと向いてなかったんですよ」
サバランはブレッツエルの手をほどき
服装の乱れを直し
玄関の方に向かう
「しばらく旅に出ます」
「さよなら」
サバランはドアノブを開け外に出る
「旅なんか認めない」
ブレッツエルは声を出した
「追放だお前なんか息子じゃない」
「消えてしまえ」
一度は立ち止まったサバランだったがその言葉を聞いて
また歩き始める
先程までの顔とは違い
悲しそうに
涙を我慢しているようだ
「マドレーヌお前はあいつみたいになるなよ」
「はい」
「お兄様は最低な魔法使いです」
その声を外で聞いたサバランは涙を流した
その頃
裏山では
「身代わりを作っておいて助かったぜ」
男は先程サバランにやられた男だ
「くそ はぁはぁは」
男は這いつくばりながらどこかに行こうとする
「目的は達成できたんだ・・」
ここにいたんですね
「誰だ?」
女が男に近づく
「カバーリングさん」
「なんだよ」
カバーリングはほっとする
「仕事なら完璧だったろ?」
カバーリングは笑いながら話す
「すまないが肩を貸してくれないか?」
「このざまでよ」
女は答える
「残念です」
「土の中の者よこの者を肥やしに育て」
地面から無数の蔓がカバーリングに絡まる
「やめろやめてくれ」
「何でだよなんでなんだよ」
みるみる男はやせ細ってくる
「たすけ」
「てくれ」
キャラメル
カバーリングはそう言うとその場で動かなくなり
地面に引きずられていった
「もうこんな時間ですね」
懐中時計を見ながら
「お嬢様の食事の時間をしなければ・・・」
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