君がいる日常〜君が見つけてくれた日常

夢至 彼方

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第一章

7.開き直った方がいいこともあるよね

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「すぅー、はぁー」

とりあえず落ち着く為に僕は深呼吸をする。人間ミスをするものだ。大事なのは日頃からミスを減らすようにする事と前もって備えておく事。そして問題が起きた時の対応能力だ

「よし」

深呼吸をする事で幾らか落ち着いてきた。結局何を話せばいいのかは思いつかなったし、僕の事だから多分弘君や歩君の反応が気になって頭から抜け落ちてたかもね。

まぁ、今考えも仕方がない事だけど。

「あ、さっきより顔色が良くなったな。落ち着いてきたのか?でも無理はするなよ」

深呼吸をして冷静になった事で見て分かるくらいに顔色がよくなったらしい。それでも遠藤君は相変わらず僕の事を気遣ってくれる。

「大丈夫だよ。というか元々体調が悪い訳じゃないからね。それよりも昨日の話だけど」

「え、そうなのか?ならいいけど。昨日の事って本屋の事だよな。いやぁ、偶然だったよな」

「昨日の事だけどさ、僕が持ってた本が何のジャンルの本か多分かるよね?」

「ん?えっと確かBLっていうんだろ?」

だよね。もしかしたらよくみてなかったとか、何のジャンルの本か分からないなんてそんな都合のいい事はないか。諦めわるく一縷の望みを込めて聞いてみたけどそうだよね

今になってもどうすればいいのな何を言えばいいか良い案が全然思いつかない。

えぇい!もうこうなったらやけだ!

「えっと、うん。もう察してると思うけど、僕は腐男子なんだ!あっ、腐男子っていうのは男同士の恋愛もの所謂BLを好んで読む女性を腐女子っていうんだけど、腐男子はその男子バージョンの呼び方なんだ。それで勘違いしないでほしいんだけど、腐男子の人は自分達が読んでるBLみたいな展開に憧れるとかじゃないからね!恋愛漫画を読んでる人が全員恋愛漫画みたいなシチュエーションに憧れる訳じゃないようにただ物語として楽しんでる人もいるから!だから腐男子はゲイだっていう認識はしないようにしてね!」

「お、おう。分かったから一旦落ち着けって」

「いや、まだだよ!そもそも僕がBLを読み始めたきっかけは男視点の恋愛物が少ないこととだったんだよ!けどそんな時に気づいちゃったんだ。あ、BLなら絶対に男視点だって。」

「あ、あぁ確かにそれなら絶対にそうなるな」

「そりゃ最初は葛藤があったよ。でもね広告で面白そうな作品が出ちゃったんだもん!それにそのタイミングでアニメで腐女子の彼女が彼氏にBLを紹介して好印象だったから余計に気になったんだもん!盛んな年頃の男子中学生や男子高校生なら別にいいんだろうけど、僕はエロ系の話題が苦手なんだよ!BLってそういうのばっかりっていうイメージだったけど広告で出てきた作品はそんな雰囲気が全くなくて普通に恋愛もので純愛って感じの作品だったんだもん!それにアニメだとしても男でも面白いって反応が出てたし!それでこの作品だけ!BLを読むのは最初で最後って思ってたけど予想通りめっちゃ面白かったんだもん。凄くドキドキしちゃったんだよ。。それで他の作品も調べてみたら偶々自分好みの作品ばかりだったんだよ!」

「分かった!分かったってだから落ち着けって!」

何か響君が喋っていた気がするけど放っておこう。もうここまで来ちゃったし、最後まで言い切っちゃおう。

「それが全部偶々エロが出ない作品だったから余計にBLにのめり込んじゃったんだよ。だから全部の元凶は男視点の恋愛ものが少ないことが原因なんだ!僕は悪くない!」

はぁ、はぁ、やばい。ここまで連続で喋り続けたのなんて初めてかもしれない。めっちゃ疲れた。よく全部噛まずに言えたなぁ。

「お、終わったか?」

「えっ?あ、うん。終わり、ました?」

何か遠藤君がとても疲れたような顔をしてる。思わず疑問で返してしまった。しかも敬語だし

「えっと大丈夫ですか?」

「あぁ、大丈夫だ。気にしないでくれ」


僕が遠藤君の事を心配するこの状況ってさっきの僕達と逆だなぁ。なんていうか

「ぷっ、あはは」

おかしくて笑ってしまった。

「…?どうしたんだ?急に笑い出して」

そんな僕に遠藤君は訝しむような目で僕の事を見つめる。

「あはは。だってさ、さっきまでは僕が響君に心配されてたのに、今は僕が遠藤君を心配してさ。何かおかしくってさ。」

そんな僕の言葉に遠藤君は目を丸くして次の瞬間には頬が緩んだ。

「ふっ。確かにそうかもな。」

「そうだよ。あはは」

「はは」

それから僕たちは少しの間笑い合っていた。
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