君がいる日常〜君が見つけてくれた日常

夢至 彼方

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第一章

15.好印象なら期待したくなるよね

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 ぺらっ……ぺらっ………ぱたん。

 少し前から僕達の間には言葉を交わされずにいて本のページを捲る音だけがしていた。

 そして今本を閉じた時特有の音が響いた。この音がしたという事は本を読み終わったという事だ。

 そんな事を考えてはいるけどわざわざ音を聞かなくても僕はそれを理解していた。理由は簡単で実は先程から度々横目で響君の方を見ていたからだ

 あの後お弁当を食べ終えて早速読んでもらったんだけど、人に見られながら読書するのはあまり良いものじゃないだろうし、それに僕自身も反応が楽しみなのと同時にもし、面白くないとか言われたらどうしようという恐さがあったので僕も他に持って来ていた作品を読んで響君が読み終わるまで待つ事にした。

 けど、やっぱり反応が気になったので途中から横目で響君の様子を見ていた。僕が見た限りでは顔を顰めたり、つまらなさうな表情はしてないと思う。

 けど分かりやすく楽しんでる表情を出したりもしないからまだちょっと不安なんだよね。

 そして僕は本を閉じる音が聞こえたという体で顔を上げて話しかける。

「あっ、響君読み終わったの?」

「あぁ。ちょうど今読み終わったところだ。」

「それじゃあ初めて読んだBLの感想はどうだった?面白かった?」

 僕は今昨日と同じくらいに緊張していたと思う。けど昨日と違って怖い想像をしなくていい分今日の方がまだマシだと思う。悪い方向に転がってもせいぜいがっかりするくらいだろうしね。

 それでもやっぱり凄い緊張するなぁ。さっき横目で見た時の響君の本を読んでる時の表情はいつもの明るい響君からは想像できないくらいに感情があまり顔に出ていなかった。

 それに終始なにも喋らずに静かだった。そのせいで余計に響君がどう思ってたのか分からなくて怖いんだよね。今はいつもの響君だから多分悪くないと思いたいけどどうだろう。

「うーん。そうだなぁ。」

「もったいぶってないで早く教えてよ~」

「ははっ。悪い悪い」

 響君は全然悪びれた様子じゃなくそう言う。

「とりあえずは今読んだこれは普通に面白かったぞ。」

「……本当に?」

「あぁ。本当本当。なぁこれ中途半端なところで終わってけど続きって紙袋の中に入ってるのか?」

「え、う、うん。あるよ」

「おっ、そりゃよかった。これ続きが結構気になったんだよな。」

 響君の言葉を聞いて僕は緊張感が抜けて少し脱力してしまう。ただ少ししてじわじわと状況を飲み込めて来て僕は嬉しくなる。

続きが気になってたって事は本当に面白いと思ってくれたって事だよね。よかったぁ。………これなら本当に上手くいけばBL仲間にできるかな。

「『叶わなかった思いの続きを』面白いよね。なんていうか見てて胸が締め付けられるんだよね。」

「あー、それな。なんか見ててこっちまで切なくなるんだよな。ていうか主人公の広瀬が健気すぎなだろ。最後の別れのタイミングで良くない態度をとっていた振られた相手にありがとうとか広瀬がなんかマジでいじらしいよな」

感想を伝えてくれる響君を見て僕は嬉しくなった。こう言う感想が出るって事はちゃんと物語を見てくれてるって事が実感できるからだ。

「そう、それ!本当にそうなんだよ。百歩譲って広瀬が思いが溢れちゃって清永に告白して、それを告白を拒否したのはいいんだよ!」

「あ、そこはいいのか」

 告白を拒否したこと自体はいいと言った僕についと言った感じで響君は以外そうに口を開いた。

 そんな響君に対して僕は渋々答える。

「受け入れるかどうかは登場人物達の気持ち次第だからね。そりゃBLが好きな腐男子の僕からすれば結ばれる方が嬉しいけど」

「あ、そこはやっぱそんな感じなんだ」

「まぁね。けど、でもね!告白を拒否してからの行動あれはどうなの!いきなり避けるとか。まぁ、そこもまだギリギリ許容できるよ。まだ若いんだからそういう幼いというか幼稚なところは年相応って言う感じだし」

「お前文句言う割には結構寛容だよな。」

 これは寛容なのかな?僕はただ公平な判断をしてるだけだと思うんだけど。って今はそんなはどうでもよくて!

「僕が寛容かどうかはともかく清永が避けるようになってから、人とあまり関わろうとしなかった広瀬に新しい友達が出来て嫌そうな顔するとかどうなの!?そんなんだったら広瀬の気持ちになんで答えなかったの!もう、最初の方に溜まった僕の清永に対する好感度がプラスからマイナスになったよ!正直ぶん殴ってやりたくなったよ!」

「お、おう分かった。分かったからそろそろ落ち着こうぜ。な?」

 ………っ!?

「ご、ごめんね響くん。僕昨日もやらかしたばかりなのにまたやっちゃって、ら」

「あはは。まぁ、驚きはしたけど別に迷惑ってほどじゃないから気にするな」

 また暴走してしまった僕に対して響君は笑って許してくれた。

「そう言ってくれると嬉しいよ。響君には昨日に引き続き恥ずかしい姿を見せちゃってるからさ」

「確かによくよく考えたら空が何か熱くなってるのって珍しい光景だよな。」

「恥ずかしい掘り返さないでよ」

 そういえばさっきみたいに暴走するくらいに夢中になって喋っりしたのっていつ以来だろう。いつもは他の人の事ばかり考えたりだったし、他の人の事を考えないのなんてそれこそ1人の時間のときくらいかも

「別にいいだろ。それだけ空はBLが好きだって事なんだからな」

「うぅ、改めて人から言われると恥ずかしいね。」

 特に暴走状態になった事を言われてるから余計に恥ずかしい。海斗達といる時は寧ろ僕がそうならないように抑えてるのに

「それに俺も空の意見にはちょっと同意だな。清永の印象がちょっと変わったな。広瀬がありがとうって言って去っていく広瀬を追いかけようとしてそれが出来なかったりとちょっとなぁ。まぁ、気まずさとか負い目と気自分の気持ちの板挟みになってるの分かるんだけどな」

「あぁーあの場面ね。あの場面を見て僕は焦ったくかんじたなぁ。手遅れになる前に早く踏み出せって見てて思ったよ」

「あはは。さっきは結構優しい評価だったのに今度は手厳しいんだな。」

 うーん。優しいっていうのはさっきの寛容どうこう言ってた事を言ってるのかな?それに僕的には別にそこまで厳しい評価でもなきと思うんだねだな

「えぇ、そうかな?だってあからさまに取り返しのつかない場面でしょ。だったらあの場面は行動すべきだと僕は思う。まぁ、意外と取り返しはつくんだけど」

「あーあれな。高校卒業して社会人になってからまさかの再開。なんていうかある意味あの再開の場面からが始まりって感じじゃないか?」

「そう!それなんだよね。僕もそれ思ったんだよね」

 それにしてもこの感じなら普通に他のも薦めて大丈夫そうかな。感想も結構しっかりしてるしね。

「ねぇねぇ、せっかくだから他のも読んでみてよ」

「あー、俺的には別にそうしてもいいんだけど、それは無理だな」

「えっ、どうして?」

 言い方からして響君自身が嫌だって訳じゃないよね。それなのに無理って言うのは一体。

「いやだってもうこんな時間だぞ」

 そう言って響君は僕に携帯を見せてくる。そう言われて僕は響君の携帯の時計を見てもう少しで昼休みが終わりそうだった。

「あっ、もうこんな時間なんだね。それじゃあこれ以上見るのは確かに無理そうだね。残念だけど仕方ないね」

 いや、そもそも焦る必要はないんだ。まずはもっと仲良くなってからでも大丈夫。アニメとか漫画は最近見るようになった言ってたからBL以外でも普通に話すくらいの仲になってからでも遅くない。

 一気に色々紹介したいけど、今はまだ我慢だ。………いやまぁ、我慢しきれずに紙袋に入れて幾つかまとめて渡しちゃったけど。まぁ、いっか。これからゆっくり仲良くなっていけば。

「そういう事だ。だから今日はこれで終わりだな。残りのやつは今日家に帰って読ませてもらうな。」

「うん。分かった。それじゃあ明日感想教えてね」

「おう!………それと空放課後頑張れよ」

「………思い出させないでよ響君」

 この後の魔王状態の歩君と買い物に行く事を考えると気が重いなぁ。単純にあの状態の歩君といるのは怖いし、一体いくら使う事になるのか分からないから恐ろしいんだよね。
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