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1日目ー5

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「それなら、推理する分担を決めるわ。誰になってもいいよね?」
「「いいよ。」」
「それなら、私たちは雲城さんたち。雲城さんたちは雷田さんたち。雷田さんたちは霧矢さんたち。霧矢さんたちは私たち。これでいいね?」
「問題ないよ。」
「霧矢さん、どう?」
「別にいいんじゃない?」
「これで大丈夫なら、一旦解散するね。あとは各々推理して。」 
「はーい。行くわよ、雪月。」
「は、はい!」 
霧矢さんと一緒に、一番乗りで出ていった。
部屋につくと、まずはふかふかのベッドに寝転んだ。やはりここのベッドは気持ちいい。そのとき、あることを思い出した。
「ハッ!!」
「どうしたの!?何かあった?」
霧矢さんが心配そうに声をかける。
「ご飯、食べてない。」
「なんだそんなこと……って、それは由々しき事態ね!大変!よく気づいたね、さすが雪月。」
「ふふーん、そうでしょそうでしょ。とはいえ、どうしたらいいんだろう……。お腹空いたよ。」
「うーん……それなら、一か八かで試してみるわ。」
そういうと、大きく息を吸い始めた。 
「おーい!!運営さーん!!!聞こえてるー!?!?!?」
しかし、なしのつぶてだった。
「私もやる!せーのっ!」
「「おーい!!運営さーん!!!聞こえてるー!?!?」」
また効果がないのか……。諦めかけたそのとき、放送が入った。
「あー、あー、聞こえてます?夜ごはんのことですね?」
「「そうそう!!」」
「あーもう、聞こえてます、聞こえてますよぉ。さっきはただ機械の調子が悪くて放送が遅れただけですから。それで、夜ごはんのことですが、ロビーに今からご用意します。欲しいものを言ってくださればお出ししますので、なんなりと。」
「なににするの?」
「あたしは饅頭系かな。肉まんとか、ピザまんとか。」
「へぇー、好きなの?あんまんは?」
「甘いものはあまり好きじゃないのよね。でも、コーヒーとかお茶とか飲めば、食べられるけど。そういう雪月はなににするの?」
「アイスが好き!」
「ア、アイス……?夜ごはんに?」
「アイスが好きなんだもん。アイスを愛す!なんちゃって!」
「………アイスより冷たい。というか寒い。」
「そんなぁ………。」
「まぁそれはそれとして……結局ご飯どうする?」
「アイスじゃダメなら……えーと……あ、麻婆豆腐がいいかも!」
「へぇ、好きなの?」 
「うん、アイスの次に好き。だからデザートはアイス!」
「なるほどね。私もデザート欲しいなぁ。うーん………ケーキがいいわね。もちろん紅茶つきで。聞こえてたわね?頼むわよ。」
「はーい、しばしお待ちを。10分程でお出しします。」
私たちは、早速ロビーに行くことにした。
道中で、魔法について推理した。
「晴樹さんの魔法、雪はさわってもなにも感じなかった。」 
「なるほど、幻系とかかしら。でも、問題は愛ちゃんの方よね。」
「確かに。消えてたけど、瞬間移動系の可能性もあるし。」
「うーん、それは雲城さんかもよ?」
「そうかなぁ。」
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