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序章

憂い。(レティシア目線)

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今日はみんなが旅に出ていった。
「寂しいなぁ。」
でも、仕事はきちんとやらなくちゃ。今日は、寿命の管理、死神の教育、魔法の練習をやる予定だ。

そして、『寿命砂時計』を見るために図書館の裏の扉を開いた。
「うん、正常ね。そういえばあの2人の寿命ってどのくらいなんだろう。見てみよーっと。」
何万、いや何億もある砂時計を見渡し、見極めた。見つけるのにはそれほど手間取らなかった。
「これだ!えーっと、ハルト、いや間違えたはとの寿命は…えっこんな少ないの…?レンは…ふーん、まあ普通ね。ハルトの寿命、ヤバイかも…どうしよう。あのときは、どうしたっけ…?」

私は、部屋から出ていった。そして、死神の教育をすることにした。
「鎌の持ち方が違うわ!こう持った方が、お洒落。これを期待している死者おきゃくさまもいらっしゃるから気を付けて。そう、そうよ。さすがね。センスあるわ。」
誉められた死神が髑髏の面のしたで照れる。
「それじゃ、次の課題は…」

3時間くらい話したら終了。次は、魔法の練習。
「ハッ!無詠唱の方が楽ね。」

時魔法(正確には月魔法)と水魔法をひたすら放っていた。
 すると、ルーナとアリスが入ってきた。
「2対1で戦いませんか?」
「なるほど。良いね。」
1人でやるのに飽きていたところだった。ナイスタイミング!
「先、良いわよ?」
「お言葉に甘えて…、それじゃ、幻影蝶香ミラージュバタフライ~無限!」
毎回思うが、ルーナのネーミングセンスは独特だ…。ハルトに聞いたが、チューニビョーというらしい。そんなことを考えている暇もなく、無数の蝶が飛んできた。青、紫、青翠。美しい色で空を飛ぶ宝石、と言った感じだ。でも、それら一つ一つに毒があり、当たると結構いたい…。私は戸惑いの表情を浮かべる。
「どうですか?時を止めても避けきれないでしょう?」
「何てね~?」
「へ?」
「エイッ!」
当たり一面が氷で覆われた。蝶の動きがピタリと止まる。まるで時間が止まったようだ。もちろん、時間を止めることもできるが。
「次は、わたしの番だにゃ。行きますにゃー!へいっ!」

ドロンと煙がたって、アリスはレティシアの姿になる。赤と青のオッドアイや、毛先が少し銀色の美しい金髪までもが再現される。
「おりゃあ!時止めー!」
時を止められても、どってことはない。なぜなら、制御がは入ってこれるからだ。

時止めが終わり、2人が降参してくる。
「勝てないにゃー。悔しいにゃー」
「ふふ、まだまだ行けるわね。」
「なんてね、最後の悪あがき、です!」
余裕だと思ったが、何と、蝶が後ろに一匹潜んでいた。そして、蝶に変わりルーナが現れた。慌てて凍らせた。
「今度こそ、終わりね!」
「お見事です、それでは仕事に戻ります。」

よし、きょうの仕事完了!そして、私はリフレッシュしまくるのでしたー。ともいかず、あることを思い出し懐中時計を開く。
「あー、あー。聞こえる?」
「はい、聞こえてます。どうかいたしましたか?」
レイの声が聞こえた。
「それがね…訳アリで…ハルトに変わって?」
「もひもひ、何かあったんですか?」
「それが…あなたの寿命が少ないの。」
「えっ!?なんとかできないん?」
「方法はあるんだけれど…成功するかどうか…」
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