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第2章

合流(レティシア目線)

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「とりあえず、テネーブルに合流した方がいいですね。あのこもなかなかの実力の持ち主ですし。その前に本拠地が見つかればいいのですが……。」 

そう言って、取り敢えず放送ができるところを回ってみることにした。
「ここは……違うようですね……。」
海が近くの町ゆえ、津波などの対応のための放送施設はかなり多い。これらを全て訪れるのはなかなかに骨が折れる。
「ここも…ちがうか……?」

大体の場所はみたはずだが、見つからない。
「おかしいな。」

しばらく駆け回っていると、とある男性を見つけた。
「あっ!テネーブル。なにか手がかりは?」
「レティシア様。手がかりと言えるものではありませんが…どうやら、以前契約を結んだかたのようです。レティシア様も同席されていました。」
「へぇー。えーっと、どんな契約でしたか?」
「炎の力を与えた契約です。木魔法しか使えない男との。」
「ん…あれか。なるほど、たしか……代償は木魔法の力。そして、人に自分から危害を加えたら契約違反、だっけ?」
「そのとおりでございます。あの時の貴女はチョロそうだったまだ幼かったので同席をお願いいたしましたが、覚えていてくださったのですね。ありがとうございます。」
「ん?なぁに?誰がチョロいって?」
「なぜに心の声が……まあ良いとしてこれは契約違反です。罰しなければ。」
「そうね。契約違反を許しておくわけにはいきません。そして、人を傷つけるなんてひどい!」
「あはは、幼い頃の貴女もそう言ってましたね。この契約違反の内容は、貴女が提案したものでした。」
「さて、まず場所を突き止めなくちゃ。」
「それなら心配ありません。既に目星はつけてあります。」
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