文芸部の小野塚眞緒は無口

風枝ちよ

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回復魔法のマオは無力

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「チーム、入れてくれるんですか?」

マオは勇者様に訊く。

「入れて欲しいのか?」
「いや、いいです」
「……は?」
「では、これあるので。帰りますね」

マオはソメラプッペの袋を持つ。

「待て」

マオは歩き出す。

「待て。私が悪かった。もう一度話し合おう。な?」

離婚かな。

「どうして欲しいんですか?」
「私と、チームを組んでくれないか」
「….…いい、ですよ」

マオは手を出す。
その手を、勇者様の大きな手が包む。



「すまない、チーム申請したいのだが」
「勇者様が、ですか?!」

極東支部部長が叫ぶ。
わらわらわら、と部長室の入り口に人が集まってくる。

「ダメなのか?」
「いえ、とんでもないです!」
「そうか」

マオはその横で、居心地が悪い。

「手続きをしてくれないか」
「はい、ただいま!」

部長が慌ただしく紙を出す。

〈チーム申請書〉

「こちらに書いていただいて、….…いえ、私めが書きます! か、書かせていただきます!」
「すまない」

勇者様つよい。

「勇者様と、どなたがチームなのですか?」
「マオだ」
「マオ?」

部長が怪訝な顔になる。

「あ、はい。自分、です」
「君は冒険者だったのか。てっきり
「黙れ」

勇者様が睨む。
部長はビクッとする。

「続けろ」
「ふ、2人、ですか?」
「そうだ」
「チーム名はどうされますか?」
「紅蓮の闇夜とかどうだ?」

勇者様に名付けさせたらいけないと思った。

「茜色のコバルトブルーにしませんか?」
「部長、決めてくれ」

どうやらマオにもそのセンスはないらしい。

「暁の爽風、っていうのはダメですかね?」
「それだ」「それです」
「暁の爽風でいきますね」

あかつき、の、そう、ふう、呟きながら紙に書く部長。

「理由は何ですか?」
「理由?」

勇者様が狼狽えそうになったのが、気配でわかる。

「何故チームを作るか、ということですが…」
「世界平和と宇宙の存続のためだ」

その理由は流石に雑すぎるんじゃ。

「世界平和と宇宙の存続のため、ですね」

紙に書く部長。
え。いいの?

「あとは細かいことを書いて終わりですかね」
「感謝する」



「勇者様!」
「どうした?」
「あんな理由でよかったんですか?」
「人類の生きる光となる、だろ?」

さっきと違う気がしますが。

「理由など何でもいいのだ。大事なものは結果、その人が何をしたかだ」

カッコいいこと言ってるけど

「カッコいいこと言ってるけど誤魔化してないですか? と思っているだろう」
「なんでわかるんですか?」

訊いてあげる優しさを、最近身につけたマオ。

「見ればわかる」

勇者様もこれを言いたいだけな気もする。

「誤魔化し….…その通りだ」

その通りなの?!

「私がチームを結成した本当の理由はな、」

勇者様が遠くを見る。

「私が勇者だからだ冗談だ」

取り消すの早すぎます。
カッコいいと思ってしまったマオを返して。

「本当は何なんですか?」
「君が可愛いからだ」
「可愛くないです!」
「ならばチームを解散するしかないな」
「それは嫌です」

この人とチームやっていけるのかな。
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