ゾンビと戦う僕がボケると、左鎖骨さんがツッコんでくれる

風枝ちよ

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第1章 仲間との別れ、そして旅立ち

学校あるある「生活指導の先生は大体、恐い」

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※長文だし読む意味ないので飛ばしていいですよ~。



ほねほねぶらざーず「前回の続き。
異世界に来た俺。
どうやら異世界とは第二億九世界線であるらしく俺は初見なのでよくわからない。
他の小説とか漫画とかを見てると、どうやら最初は草原からのスタート。
それから採集などをしつつの田舎の小さな村に泊めてもらう。
ちなみにこの小さな村はみんな親切で、俺はそこでレベル上げたり異世界について教えてもらったり。
やがて俺は旅に出て、いろんな国や大陸を巡りつついろんなエピソードを持った仲間と出会い、最終的には王都。
何分不勉強なもので、大体でお願いします。
ってことで始めましょう、第二億九世界線での異世界の物語。
ほい。
ん。
スタート地点からして違う事故。
どこ、ここ。
ほんとどこ。
周り真っ暗だし俺浮いてるしそもそも空気ないし。
第三百二十八世界線で鍛えた俺は真空状態でも戦えるがしかし。
せめて地上に降りさせて。
でもこれ頑張ったら降りられるんじゃね、星見えるし青いし。
行けるっしょ。
行こ。
手足をバタバタしても行けない。
バタ足は膝からじゃなく脚全体を使って。
念力使えば行けんじゃね。
いっそワープ。
シュンッ。
地上に降り立った俺。
母なる大地に身を委ね、父なる空気を感じる。
思っていた通りの草原。
草って食えそう。
このままテンプレ通りに展開していくのも楽だけどめんどい。
このまま魔王倒しに行くか。
でも魔王ってどこに。
どこにいるんすかー。
叫んだら来るんじゃねとか適当に思った俺はまおおおおっっ!! と叫んでみたら来ました魔王くん。
こんな簡単に来ていいのかよっていう。
どうした、と魔王が訊くからあなたを倒しに来ました、って正直に答えたらはははそれは面白い冗談じゃな、って笑い出したからいつの間にか腰にあった剣を抜く。
おっとガチ勢かよコエー、ってまた魔王が巫山戯るから巫山戯んじゃねえ殺すぞ、って言ったら殺して、って言うから殺した。
殺すぞって言ったら殺してって言うから殺した。
殺した。
殺した?
は?
え、なにこれあはは。
魔王死んだのか、わーい。
わーい。
………………。
待ってまって、魔王一言で殺されたけど。
戦いの描写なくて死んだけど。
なにこれうふふ。
ふっかつぅ! ってあの巫山戯た声が聞こえたから振り向くと魔王がいたから殺したくなった。
どうした殺さないのか、って魔王が言うから殺してやるよ、って睨む。
俺ら1人と1魔王の間に、長年の友人同士だったかのような空気が流れるわけではない。
俺らはしばしの間見つめ合い、それは一瞬だったけど永遠にも感じられ、そして2人同時に剣を抜き間合いを詰め真ん中で剣と剣がぶつかり火花が飛ぶわけではない。
俺は魔王を殺し、魔王は俺に殺される。
魔王は復活し、復活は魔王される。
無限にも思えるそのサイクルの中でしかし、魔王は確実に生命を減らしていった。
復活のスピードが遅くなり、軽口も叩かなくなった。
着実に、死に近付いていた。
でも同時に、俺も疲れてきていた。
剣を持つ腕が悲鳴をあげ、終わりの見えない戦いで精神的にも辛かった。
だけど戦う。
里にいる妻の命を、守らなければならない。
仲間はもう全員いない。
俺が最後の砦だ。
ここで食い止めなければ。
もし俺が死んでも、それで妻と子どもが助かるのなら俺はそれでいい。
我武者羅に、ただ只管に。
剣を振り回す。
最早気力だけで、俺は戦っている。
そして。
最後の。
一太刀。
その一太刀を、脳天に振り下ろす。
これ以上ないってくらいの力で、俺の一生分くらいの力で。
叩き下ろす。
躱された。
もう一度。
渾身の剣で。
斬る。
魔王は、死んだ。
もう復活しない。
嬉しいはずなのに何故か、眼球が湿る。
なぜ。
なぜ、俺はこんなにも悲しいんだろう。
生涯の友を失ったかのような、そんな悲しみが俺を襲う。
俺は。
俺は、溶けていく魔王の軀に背を向け、歩き出す。
最期の、魔王の声が。
聞こえた気がした。
生きろ、と、そう聞こえたような。
気のせいかも知れない。
俺は第二億九世界線を後にし、校長室に戻る。
校長室ではいつもと変わらないハゲと、いつもと変わらない平身低頭擬人化人間が、いつもと変わらずポーカーをしていた。
ちなみに俺は未だにポーカーのルールを理解していないという事故。
ま、少しくらい知らないことがあったとしても変わらず地球は回るから、そこまで心配はいらないのかも知れない。
そろそろ昼ごはんに牛丼でも頼むか、って平身低頭擬人化忖度が服を着て歩いているような教頭が言う、俺は何かを、何かを思い出す。
……牛丼?
しばらくしてちわーっす、気の抜けた挨拶とともに顔を出す牛丼屋、出迎える教頭、誰にでもペコペコできるってある意味才能。
牛丼が47個、校長の無駄にデカくて高価そうな机の上で湯気を立てる。
その中の1個に、俺は目が止まった。
あの牛丼は、あの時のあの。
俺を助けてくれた牛丼ではなかろうか。
俺は自分でも気付かない間に、涙を流していた。
校長室の入口の親子丼屋と教頭のやりとりが、どこか遠くの世界のように聞こえていた。
っていうのあるあるじゃね?」
Fire Nightごっこはもう過去の話、要は僕「あるあるだね」
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